子ども社会専攻
角田 将士 准教授

子ども・社会について総合的に学んでこそ、力量豊かなスペシャリストになれる
なぜ歴史を学ばなければならないのか?

「歴史=暗記=嫌い」というイメージを持っている人は多いのではないでしょうか。その理由は、「受験」という現実的な課題を前に、なぜそれが大切なのかはよくわからないまま、たくさんの歴史用語や年代を暗記させられるからです。その一方で「なぜ歴史を学ばなければ(教えなければ)ならないのか」という問いは、答えのないまま見過ごされてきました。

私が専門としている「社会科教育学」は、小学校・中学校・高等学校における「社会科」「地理歴史科」「公民科」の授業をどうすればよりよくしていけるのかを研究する学問です。「学習者にとって学ぶ意義が見えにくいにも関わらず、学校教育において歴史が教授され続けているのはなぜか」、「学習者にとって学ぶ意義の高い、質の高い歴史教育とはどのようなものか」といった問いに対する答えを探究しています。

教育に対する本質的な問いを意識しながら、
プロの小学校教員に必要な力量を身につける

歴史教育に限らず、教育のすべてにおいて、「なぜ教えるのか」「なぜ学ぶのか」という根本的な問いを持つことはとても大切なことです。これからの時代の教員にとって欠かせないのは、単にあらかじめ定められた内容を教えるだけではなく、教育の本質的な理解に基づいて魅力ある授業を創造していく力だと私は考えているからです。

子ども社会専攻は、「小学校教員の養成」を主たる目的とするという他の専攻にはない特色を持っています。とはいえ「教えるための技術」だけを学ぶのではありません。「その教科はどのような教科か」「なぜその教科を教えなければならないのか」、さらには「どのように教えられるべきなのか」といった本質的な問いを意識しながら、プロの小学校教員に必要な力量を形成することをめざしています。

「授業をつくる力」「児童を指導する力」といった小学校教員に必要な技量を身につける一方で、学び手である「子ども」に焦点を当て、「子どもの社会」「子どもと社会」についての認識を深めることもできるのが、本専攻の特長です。教職課程に関わる「子どもと学習指導領域」のほか、「子どもと世界領域」「子どもと現代社会領域」「子どもと学校領域」「子どもと発達領域」といった諸領域を設定し、子どもに関わる多彩な科目を履修できるようになっています。

多様な視点から子どもをとらえる学びを通じて総合力を育む

ただ小学校教員の免許状を取得することだけを目的とするなら、養成課程を有するどの大学でも大差はないでしょう。しかし、子どもを理解し、その成長をより良く育むためには、学校教育はもとより、医療、福祉、スポーツ、文化などの幅広い分野の見識が求められます。さらに現代の子どもや学校をめぐる問題はいまや、単に学校や教師の問題として片づけることができない社会的な課題となっています。それらを総合的に学んでこそ、力量豊かな教員となれるのではないかと私は考えています。

産業社会学部には子ども社会専攻以外にも、「現代社会専攻」「メディア社会専攻」「スポーツ社会専攻」「人間福祉専攻」が設置されています。実践を通じた学びや、学術領域や専攻を越えた学びを重視する「アクティブラーニング」「クロスオーバーラーニング」の理念のもと、幅広い視点から子どもをとらえる学びを通して、総合力を育んでいくことができます。また小学校教員の免許状を取得しない場合でも、子どもについての専門的な知見を持った「子どものスペシャリスト」になることが可能です。

どんな先生になりたいか。自分の理想を思い描いてほしい

「小学校の教員になりたい」という夢を持った多くの人が子ども社会専攻を志望してくれていることでしょう。皆さんは教員になったら、どんな授業をしたいですか?どんなことをクラスの子ども達に語りかけたいですか?大切なことは「免許状を取得する」「先生になる」ことではなく、「どんな先生になりたいか」を真剣に考え、自分の理想を思い描くことです。そのために、専門領域だけにとどまらず、さまざまな分野の科目を履修し、小学校教員としての力量はもちろん、社会の諸問題についての幅広い知見、国際化や情報化に対応した知識や技能、社会的なコミュニケーション能力など、これからの時代の教員に求められる知識や能力を獲得してほしいと考えています。

「子どものスペシャリスト」になるための多彩な学びを通して、一人でも多くの優秀な小学校教員がこの専攻から巣立ってくれることを期待しています。

角田 将士 准教授

角田将士 准教授
専門分野
社会科教育学
研究テーマ
歴史教育におけるナショナル・アイデンティティ形成論研究
担当科目(2013年度)
初等社会、初等教育実習Ⅰ、基礎演習など
詳しいプロフィール
立命館大学研究者データベース 角田 将士
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