コラム

いつもの中の別世界、いつもの隣の別世界

 京都という場所に関わるようになって、割と経つのですが、これぞ京都という定番の観光名所やイベント(お寺や神社、祭りなど)にあまり行ったことがありませんでした。そういう所は混んでいそうだな…、いつか行くだろう、と思っているうちに、月日が経ってしまいました。
 知り合いが京都に来た時に、一応京都案内をし、そういった観光名所やイベントに行く機会が何度かありました。そうしているうちに、せっかくだから行ってみようと不思議と思い始め、今さらなのですが、この何年か、京都の観光名所に行ってみました。
 祇園祭では、数々の鉾をまじまじと見て、それぞれの家にある美術品を出してお披露目しているのを見ました。鉾自体の飾りの美しさはもちろんですが、こんなに美しいものがこの家に実はあったのか、と驚くばかりでした。
少し足をのばして、ある山に行った時は、他の観光客の人達に混じって歩きながらも、少し山の中に入れば、動物のいる気配がしたり、周りに何か、普段接しないものがいる、という印象がしました。日暮れ時になると山の中は昼間とは全くの別世界でした。
 私はお祭りや美術品のいわれ、その山の持つ歴史はよく知りませんが、普通に見える家の中に実は美しいもの・びっくりするような世界が潜んでいること、普段関わる場所の近くに実は別世界が広がっていることが印象に残りました。
定番のものは、これまでの歴史の中で生き残ってきているだけに、すごい力を持っていますね。
 
いつものことで普通に思えることの中に発見があるかもしれない、いつもの自分の活動範囲のすぐ隣に別世界が広がっているかもしれない、と思うと、少し怖くもありますが、今自分に見えている世界が全てではないかもしれないと思え、わくわくした気分になります。
 秋になって観光しやすい季節になってきたので、わくわくしながら、もうしばらく京都の定番の所へ行ってみようかな、と思っています。

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