TANQ「?」があるなら実験だ-立命館大学理系スペシャルサイト

2020.01.06

GPSが届かない場所でも、位置ゲーがしたい!

とある休み時間。

どうしたんだ田中、そんなに落ち込んだ顔して。
聞いてくださいよー。昨日レアモンスター見つけたのに、またGPSのエラーメッセージが出てきちゃって、ゲットできなかったんですよ。
最近ハマってる位置ゲーの話だね。あるあるだよ、それ。
GPSの信号が届かないところでも、もっと位置情報を正確に取得できるようになるといいのにね。
それなら、僕たちで実験してみましょうよ!チームモンスターの出番ですよ!
面白そうだね、やってみよう!
(いや、チームモンスターて・・・)

GPSのしくみを整理。スマホはセンサーのかたまり。

▲チームモンスターの仲良し3人組。左から天野さん、田中さん、宮井さん

じゃあまずGPSの仕組みについて、簡単におさらいしてみよう。
GPSはグローバルポジショニングシステムの略称で、地球の上空にはいくつものGPS衛星が飛んでいるんですよね。それらの衛星から発信される信号をスマホ側のセンサーが受信して、発信から受信までにかかる時間から、位置情報を割り出しているんですよね。
だから地下街やトンネル、ビルの中などでは、信号が届かなくて位置情報を得ることができなくなる。土砂降りの日とかも、精度が落ちるんだよ。

その通り。でも、僕たちが持っているスマホにはGPSセンサーのほかにもたくさんのセンサーが備わっていて、色々な情報を取得している。こいつをうまく利用すれば、GPSに頼ることなく位置情報を得ることができるかもしれないんだ。
センサー?
うん。たとえば、「加速度センサー」は文字通り、1秒間における速度変化を測定しているセンサーで、画面を正しい向きで表示させるのに役立っている。
次に「ジャイロセンサー」。これはスマホの回転する速さや角度を検知するセンサーで、手ぶれ補正などに利用されているよ。
方位アプリに使われている「地磁気センサー」もあるよね。確かにこれだけセンサーがあれば、GPSがなくても、どの方向にどれだけ移動したか推定できそうだね。

スマホだけで、位置情報ゲットだぜ!

▲キャンパスのいろいろなところを歩いてデータ収集

なんだかすごいGPS受信機を久保先生から借りてきたよ。これとスマホのセンサーで、それぞれデータを取ってみよう。
トンネルになっているところのデータを取りたいね。
直線移動だけでなく、曲がったときのデータも検証しよう。

▲収集したデータをPCに取り込んで検証

直線はそこそこ精度が高いけど、曲がったときには大きな誤差があるみたい。
センサーが検出する数値には少なからず誤差があるから、正しく補正をかけないまま移動距離が伸びたり、途中で曲がるなどの複雑な動きが生じると、その誤差はどんどん大きくなるんだね。

その人の歩き方のクセもありますよね。歩幅も同時に検出できたら、精度はあがるかもしれません。
なるほど。課題を一つずつ潰していけば、高精度で信頼性の高い位置情報が取れそうだね。
そうなると、GPSのエラーによってレアモンスターを逃すという悲しみが、この世からなくなるんですね。
それどころか、もっと細かくモンスターを分布できるようになるかも。たとえば、花壇のうらを覗かないと見つけられないとか。
気圧センサーも活用すれば高さも推定できるだろうから、2階の教室にいかないと出会えないみたいなこともできるかも。

位置情報で、未来は大きく変わる。

▲久保教授。高精度かつ高信頼性な位置情報を取得するための測位技術を研究

お、盛り上がってますね。位置情報を取得するための測位技術は、クルマの自動運転をはじめ、これからの社会にとって必要不可欠な技術です。
測位技術の精度があがっていくと、たとえば電車を利用する際に、改札を通らなくてもスマホを持って乗り降りするだけで、自動的に支払いを済ませるということも可能になります。また、コンビニの商品一つひとつに位置情報を割り振ることができれば、欲しい商品を持ってそのままお店を出れば自動決済という、海外で話題の店舗のような使い方もできそうですね。
いずれにしても、まずはどんな環境でも高精度・高信頼性の位置情報を取得できる測位技術の確立が必要。彼らの研究は、レアモンスターよりももっと価値ある未来をゲットするかもしれません。
立命館大学 理工学部 立命館大学研究活動報 RADIANT

おすすめ記事