1999年度卒業論文集

「企業経営と技術革新」

発刊にあたって




 私達は1998年4月から2000年3月までの期間、兵藤ゼミのゼミ員として共に学び、共に語り、貴 重な時間を共有して成長した。サントリーの桂工場、日清食品の滋賀工場の見学をはじめ、技術革 新についてたいへん充実した授業を受講できたのはもちろん、放課後ともなれば、学生が集い、心 行くまで教授のお話を聞けたこともたいへんな財産となっている。
 私達が共に過ごした2年間はまさに「世紀末」と呼ぶのに相応しい時代だった。海外では、ユー ゴスラビア連邦セルビア共和国のコソボ自治州をめぐる民族紛争がおこり、5000人の犠牲者と100万 人の難民を生んだ。日本国内では98年7月に和歌山カレー毒物混入事件が起こった。同時期に発足 した小渕内閣に期待したものの長引く景気低迷に変化は訪れず、私達は、「就職超氷河期」などと 言われるこの時代に就職活動を行うという貴重な経験をすることになった。そんな日本経済に一筋 の光りをもたらしたのは日本社会のIT化ではないだろうか。大手企業のインターネット業界参入、 合併会社の設立のニュースなどが99年後半の新聞紙面を賑わしたのも事実だ。しかし、情報社会に 生きているが故に私達が99年の年の瀬をハラハラ過ごしたのも事実だ。そう、2000年問題である。
 IT化をはじめ、臓器移植手術の成功や受精卵クローン牛の商品化、遺伝子組み替え食品の普及 など、2年間に起こった様々な分野の革新的な進歩や成果は新しい時代に向けた可能性であり、希 望である。生活に影響を与える様々な技術の進歩、技術革新は人の世が続くかぎりとどまることは ない。「世紀末」に射した希望の光は技術革新であったのではないだろうか。

                               吉松こず恵
 2000年3月22日



目次

  エレクトロニック・コマースについて                          吉松こず恵   インターネット販売は日本で成功するのか                         杉島由佳季   知的所有権−現在の問題点と新しい法ルール−                         南野 将人   転換期における企業戦略−業界再編が進む自動車産業を考える−                         伴  陽介   航空業界における規制緩和と自由化の進展                          坂野 学   アメリカの小売業について                          上田 緑   フランチャイズ・チェーンについて                         下村 清文   飲食店の経営と展望                         森本 竜司   企業の人事戦略                         保本 香織   ISO14001の成り立ちと現在の状況                         荒谷 有紀   金融機関選択に必要な知識について   −変化する金融サーヴィス、進む金融再編成−                         中谷 暁美   金融ビッグバンと損害保険                         宗  晃子   バブル経済一考察                         伊藤 大輔         * 本文は兵藤研究室にてご覧下さい


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