研究科長のつぶやき 2021年1月バックナンバー 立命館大学大学院言語教育情報研究科ホームページ佐々木冠のホームページコロナに負けない役立つウェブサイト研究科長のつぶやき

研究科長のつぶやき 2021年1月バックナンバー

2021/02/08設置
2021/01/27[情報共有]衣笠キャンパスにも発熱外来ができました
 新型コロナウイルス感染症の症状が出た学生に対して、安全に診察・検査を行う「発熱外来」が設置されました。衣笠キャンパスにもあります。衣笠保健センターと同じ志学館の1階にあります。大学のウェブページの記事には電話での連絡先も書いてあります。万が一のためにメモしておいて下さい。感染しないのがベストですが、感染が疑わしい状態になったら是非「発熱外来」に相談して下さい。
2021/01/22[情報共有]科研費採択数、配分額とも私立大学3位
 一昨日(1月20日)の発表ですが、大学のウェブページで立命館大学が科学研究費助成事業の採択数と配分額で西日本の私立大学で1位、全国でも慶應義塾大学、早稲田大学に次ぐ3位になったことが報告されました(「科研費で採択件数、配分額ともに「私立大学3位」を獲得」を参照)。言語教育情報研究科は科研費の採択率が高い研究科の一つです。先生方から研究補助のアルバイトをお願いされることがあるかもしれません。そのときはよろしくお願いします。
2021/01/20[情報共有]国立国語研究所のイベント(2021年1月から3月)
 国立国語研究所のイベントの案内が来ましたので、コメントを書き加えたりリンクを追加したりした上で掲載します。言語教育情報研究科の院生の皆さんにとっても有益なものがあると思いますのでふるってご参加下さい。ウェブ開催のものばかりです。無料ですが、登録が必要です。
2021/01/20[情報共有]国立国語研究所のデータ公開
 国立国語研究所から新たに公開するデータとデータベースの使い方に関する動画のお知らせが来ましたので掲載します。なお、レイアウトおよびリンクは佐々木が編集しました。
2021/01/14[情報共有] BCP活動レベルが3に引き上げられます
 緊急事態宣言を受け、1月18日月曜日から立命館大学のBCP活動レベルが3に引き上げられます。行動指針へのリンクも張ってありますので、院生および教職員の皆さんは、こちらのページをご参照ください。
2021/01/14[情報共有] 「新しい留学プログラムin 神戸」教師研修・成果発表会
 下記の成果発表会の情報を有田先生から教えていただきました。関心のある方はホットリンクをクリックして詳しい情報を確認してください。

「新しい留学プログラムin 神戸」教師研修・成果発表会
★日時:2021年2月27日(土)13:00~16:00
★Zoom開催
★定員100名
★参加費無料
★第1部 基調講演(13:00~14:00)

 「withコロナで見えてきた日本語教育の課題と可能性 ~「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて~」
 講師:嶋田和子(アクラス日本語教育研究所代表理事)
★第2部 実践報告とブレイクアウトセッション(14:10~16:00)
 「どんなリソース、どう使う?」
 実践報告:谷川依津江・森川結花(甲南大学国際交流センター日本語特任講師)
「新しい留学プログラムin 神戸」教師研修・成果発表会事務局
上記企画の詳細はこちらをご覧ください
2021/01/14[情報共有]緊急事態宣言、関西も
 昨日(2021年1月13日)、緊急事態宣言が、京都、大阪、兵庫を含む11の都府県に拡大されました。感染拡大を抑え込むため、一人ひとりが行動に注意してください。高齢層の方が重症化しやすいのは事実ですが、若いから大丈夫と過信しないでください。新型コロナは、後遺症が深刻な疾病です。大学からのメッセージはこちらをご覧ください。
 2020年度秋学期に開講中の言語コミュニケーション学演習01(月曜4限)では、「コロナ禍のもとでも継続できる調査」をテーマに講義を行ってきました。Zoomを使った面接調査やクローラを使って収集したオンライン上の方言データの分析、過去の方言アンケート調査のデータの再解釈など、直接人と会わずにできる研究の方法について講義を行ってきました。1月18日月曜日は、オンライン上のアンケート・フォームを使った調査についての講義になります。方言以外のことに関心がある方にとっても役立つ内容になると思いますので、オンライン上でのアンケートに関心がある方は佐々木まで連絡してくれれば講義への参加を認めます。佐々木の電子メールアドレスはこちらのページの下の方にあります。
2021/01/06[研究TIPS 01]ファイル名に日付
 昨年(2020年)の「研究科長のつぶやき」に掲載された記事はコロナ禍における対応が主でした。今年(2021年)は通常の状況でも研究に役立つノウハウの発信もしていこうと思います。「研究TIPS」というタグがついている記事がそれです。
 「研究TIPS」の第1弾は、研究で使うファイル名の付け方です。研究のノウハウというと研究テーマを決めるところから入るのが王道ですが、修士論文の締め切りまで10日を切ったM2の皆さんのことを考えて、調査を終えて論文をまとめる段階や論文を改訂していく段階で役立つ情報から発信します。
 皆さんは修士論文のファイル名をどうしていますか? 「修論.docx」という人はあまりいませんよね。指導教員が同じゼミの院生の修士論文と混同するのを恐れて名前をつけている人が多いのではないでしょうか。「修論佐々木.docx」といった具合に。
 コロナ禍の下でなくとも、論文指導はファイルの交換を通して行う場合が多いと思います。自分自身の院生への指導を振り返ってもそうです。名前を入れるだけでも、他の人の論文と混同されるリスクが減る点では効果的です。
 しかし、敢えてもう一つ提案したいことがあります。それは、日付も付けるということです。以下のような具合です。

「修論佐々木20210107.docx」

 こうすることで、指導教員が間違ったバージョンにコメントをすることを防ぐことができます。バージョンの混同が起きると、すでに修正された点について「前回も指摘したけど、ここは修正するつもりがないの?」などと言われて不愉快になります。「それって、間違った教員の責任じゃん!」という意見は完全に正しいです。しかし、締め切り直前の段階では、自分以外の人間のミスも最小化することが求められます。このようなミスを最小化する上でファイル名に日付を入れることは効果的です。
 僕自身は上のようなミスはやったことがないし、紙に印字した論文を指導してもらっていた世代なので指導教員にそのような間違った指摘をされたことはありません。しかし、論文集の編集ではそのようなミスをされたことがあります。「あれ? この編集者はだいぶ前に修正した点について修正要求を出してくるな。どうしたんだろう?」と思って問い合わせたら、その編集者が論文の古いバージョンにコメントを付けていたことが分かりました。こういうときは消耗しますよね。このときは、ファイル名にアルファベットを付けてバージョンの管理をしていました。一人で使う分にはこれでもよいのですが、他の人とファイルを交換する際には日付にした方がバージョン管理を(相手も)間違わないようです。
 ファイル名に日付を付けて管理するのは僕独自のアイディアではありません。僕の指導教員の一人である角田太作先生の実践を見習ったものです。
 僕が修士論文を書いた当時はファイル名に「半角で8文字」という制限がありました。ですから、名前と日付を両方とも入れるということはできませんでした。しかし、今はそれが可能です。
 「締め切り直前の場合、1日に何度も論文のファイルのやりとりをすることがあるけど、その場合、日付じゃダメなのでは?」という疑問を持つ人もいるでしょう。その場合は、日付の後にアルファベットを付けていくことで対応できると思います。

1月7日10時に修正したファイル「修論佐々木20210107.docx」
1月7日14時に修正したファイル「修論佐々木20210107b.docx」
1月7日19時に修正したファイル「修論佐々木20210107c.docx」

「研究科長のつぶやき」正月特番(2021/01/01)

新年明けましておめでとうございます。
 東京では12月31日に初めてCOVID-19の新規感染者数が1,300人を超えました。前日まで1,000人の大台に乗っていなかったことを考えるととんでもない勢いです。京都も安心できません。皆さんは、元気にお過ごしでしょうか。いつもと違って家族や知人との交流も控えなければなりません。
 そんな中でもZoomなどのインターネット上のサービスを使えば、安全に新年会ができますね。佐々木も12月31日の20時から家族とZoomで忘年会をしました。佐々木は京都、妻は札幌、娘はロンドン、父と妹は仙台から参加しました。年越し蕎麦の湯気の向こうではなくて、モニタ越しに家族の顔を見てシャンパンを飲むのは味気ないといえば味気ないのですが、それでも家族の健康には変えられません。
 これをご覧になっている皆さんも、自分が感染するリスクだけでなく自分が感染させるリスクを低く抑える工夫をしながら、正月を楽しんでください。今や、インターネットを介して映画まで観られる時代です。
 前置きはさておき、「研究科長のつぶやき」正月特番は3本立てです。まずは、院生向けの連絡、そして、2020年の総括と今年(2021年)の抱負です。

[情報共有]図書館スケジュール

 衣笠キャンパスにある平井嘉一郎記念図書館は1月4日月曜日から開館です。1月4日の開館時間は10:00-17:00です。詳しいスケジュールは、開館日程のページをご覧下さい。
2020年の総括
 4月に研究科長になったらいきなりコロナ禍でした。「長」の付くポジションはただでさえ大変ですが、それに加えて新型コロナ感染拡大という例外的な状況で本当に大変でした。
 通常の会議だけでなく、感染予防対策のためのさまざまな議論を行う必要がありました。2020年度の春学期は全面的なオンライン授業となりました。秋学期は対面授業も再開されましたが、健康不安のある学生・院生にオンラインでの受講を保障するため、オンライン授業を継続したり、ハイブリッド型(教室で講義をしつつ、オンラインでも配信する)で授業を運営しました。
 日本に入国できなくなった院生への教育もオンライン講義によって保障することができました。しかし、十分なサービスを提供できたかというと、そうではなかったと思います。国境を越えて講義やゼミを行うことはできました。しかし、図書館のサービスを利用してもらうことはできませんでした。立命館大学図書館はキャンパスが閉鎖されてすぐに電子書籍・雑誌にアクセスするためのVPN接続と紙に印字された図書の郵送サービスを始めました。これらのサービスは日本国内では利用できるけれども、国境の外では利用できない場合がありました。同じ学費を払っているのに、こうしたサービスを受けることができなかった院生がいたことを大変申し訳なく思います。
 教員が行う講義だけでなく、図書館によるサービスに関しても立命館大学はできる限りのことをしてきましたが、万全ではなかったと思います。
 新しい形態での授業運営は教員に大きな負担をもたらすものでしたが、大学における教育の可能性を拡大させる側面もあったと思います。健康不安があり登校が難しい学生にも授業に参加できる機会を保障できたことはすでに述べたとおりです。社会人の院生の中には多忙故に長期履修になる人がいますが、オンラインで講義に出席できることによって修学期間を短縮できる可能性が出て来た人もいます。立命館大学は二部をだいぶ前に廃止しましたが、社会人に対する教育の意義がなくなったわけではありません。高等教育の中でも大学院レベルの教育を必要とする人は少なくないと思います。時間のない社会人に大学院レベルの教育を提供する上でオンライン講義やハイブリット型の授業運営は大きな可能性を秘めています。
新型コロナに引き続き用心を
 日本ではまだ「新型コロナはただの風邪、毎年流行するインフルエンザとどっこいどっこい」といった議論があります。でも、これは間違っていると思います。アメリカ合衆国では2020年12月31日の時点で335,789人が亡くなっています(WHOのサイトより)。アメリカ合衆国における第二次世界大戦の戦死者の数が291,557人です。アメリカ合衆国では、第二次世界大戦(1939-1945)の6年間の死者の数より新型コロナウィルスによって1年間で亡くなった人の数の方が多いのです。日本は今のところ、犠牲者数を4桁で押さえ込めていますが、新型コロナウィルスが舐めてかかることができないやっかいな相手であることがわかると思います。2020年度の春学期に行ったキャンパスの閉鎖も決して大げさなことではなかったのです。
 なんかこんなことを書いていると、学内行政とコロナ禍に振り回されて研究がほとんどできなかったように思えるかもしれません。実際そうでした。フィールドワークはさすがにできませんでした。調査先で健康被害をもたらしたら大変ですから。しかし、講義の一環としてZoomを使ったアクセント調査は行うことができました。でも、僕のような方言を主に研究している人間にとってコロナ禍は本当にダメージが大きいです。
 なお、過去の書いた論文の出版はありました。2020年8月に出版された角田太作先生編集のMermaid Construction: A Compound-Predicate Construction with Biclausal Appearance(De Gruyter Mouton社刊)に水海道方言の人魚構文に関する論文が掲載されました。2021年には日本語方言の動詞活用における不規則性の減衰に関する論文が刊行される予定です。国立国語研究所の木部暢子先生や金沢大学の新田哲夫先生と一緒に編集している方言学関連の論文集も進展が見られました。近い将来De Gruyter Mouton社から公刊される予定です。
今年の抱負
 当然のことながら、一人の犠牲者も出さずに研究教育活動を推進するのが、研究科長としての第一の目標です。そのためにオンラインでのコミュニケーションを積極的に行っていきたいと思います。
 2020年中に開催された学会の多くがオンライン開催という形式をとりました。そのことによって、参加者を大幅に増やした学会があるだけでなく、新たに海外からの参加者を獲得した学会もあります。オンライン開催がこれまで参加できなかった人に門戸を開く可能性は色々なところであります。2021年は入試広報にも今年度以上にオンラインを活用していきたいともいますし、国際交流もオンラインを介して盛んにしてきたいともいます。
 もちろん、対面での活動が再開できるようになるに越したことはありません。2021年中にコロナ禍が治まったら、2020年3月に行う予定で中止された最初のブカレスト大学との院生ワークショップも実現したいと思います。

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