Global Business Strategy

Ryoji NAKAGAWA's World

中川涼司の世界

研究分野 5つのフィールド


1.経営戦略論(とくにM.E.ポーターの理論)の理論研究

2.日本電子・電気企業の経営戦略、とくにアジアへの進出と関連・支援産業の問題

  インドネシアでの企業調査

3.企業統治

4.企業の社会的責任

5.開発経済論 


中川の研究コンセプト


 中川の4つの研究フィールドは実は相互に連関している。中川が現在とっている基本的な考え方は企業の戦略的行動が正しく発揮される社会がこそが、経済発展の活力と人間社会としての社会性が同時に達成されうる社会である、というものである。企業が戦略的に行動することは、社会的なイノベーションを生み出していくことなのであり、人々のニーズを開拓し、また、充足していくものである。われわれアカデミッシャンは、そのような戦略的行動がどのような社会的・経済的文脈の中で発生するのかを論理的また、歴史的に捉えて行く必要があろう。

 しかし、同時に企業戦略の社会性が問われなければならない。市場経済には市場の失敗があり、また、個別企業の利潤最大化を目指した戦略行動は社会的なイノベーションを生み出さないケースもあるからである。

 さらに、その社会性を企業のレベルで実現するには、それがビルトインされた構造が必要である。そうでなければ、企業の社会的責任といっても絵に描いた餅にならざるを得ないからである。それが広い意味でのコーポレートガバナンス(企業統治)、すなわち企業のステイクホルダー(利害関係者)の間の権利と責任の分担関係である。

 電子企業を中心とした実証研究は上記の3分野の実証として位置づけられている。


研究業績から


1.経営戦略論の理論研究に関して

@「経営戦略と企業行動」(橘博・大橋昭一編『経営学へのアプローチ』ミネルヴァ書房、1991年、所収)

A「M.E.ポーターの競争戦略論の展開とその意味」『阪南論集 社会科学編』 第29巻第3号、1994年1月

B「M.E.ポーターの『国の競争優位』論を巡る論争の意味」『阪南論集 社会科学編』第30巻第3号、1995年、1月

C「独占企業の運動法則と多部門統合」『鹿児島経大論集』第30巻第1号、1989年5月

D「企業の戦略的行動と独占概念」(日本経営学会編『世界経済構造の変化と企業経営の課題(経営学論集62)千倉書房、1992年、所収』

E『国際経営戦略―日中電子企業のグローバルベース化―』ミネルヴァ書房、2000年

2.日本電子・電気機器メーカーの経営戦略について

@「企業戦略の経済的・社会的意義についてー両大戦間期日立製作所を中心にー」『経営研究』(大阪市大)第36巻第1号,1985年4月

A「1950〜60年代日本の電子工業の変容と産業独占企業の経営組織ー日立製作所と富士通を中心にー」『経営研究』(大阪市大)第37巻第1号、1986年4月

B『日系電子・電気機械メーカーのアジア進出と関連・支援産業』 阪南大学産業経済研究所 OCCASIONAL PAPER 11、1995年

C「日系電子・電気機械メーカーのマレーシア・インドネシア・中国進出と『関連・支援産業』」『阪南論集 社会科学編』第31巻第3号、1996年1月

D「日系電子機器・部品メーカーの蘇州進出と『関連・支援産業』」『阪南論集 社会科学編』第31巻第4号、1996年1月

E「日系電子機器・部品メーカーの北京進出と『関連・支援産業』−松下電工、松下電器産業のケース−」『阪南論集 社会科学編』第32巻第3号、1997年1月

F「電子電器日本企業投資馬来西亜、印度尼西亜和中国形態以及“相関後援産業”理論―対M・E波特的“国家的競争優勢”理論之超越」『阪南論集 社会科学編』第32巻第3号、1997年1月

G「現代日本企業のアジア戦略と『関連・支援産業』」(夏目啓二・三島倫八編『地球経済の経営戦略』八千代出版、1997年、所収)

H「中国のWTO加盟と電気通信事業の市場開放問題」 『阪南論集 社会科学編』第33巻第2号、1997年9月

I「中国コンピュータ産業の業界構造と企業戦略―『微笑曲線』と聯想集団のマーケティング戦略―」『阪南論集 社会科学編』第33巻第3号、1998年1月

J「中国のITA加盟と中国電気通信体制の変動」『阪南論集 社会科学編』第33巻第4号、1998年3月

K「中国コンピュータ業界構造の転換と米系コンピュータメーカーの対中戦略」龍谷大学社会科学研究所『社会科学研究年報』No.2819983

L「中国のWTO加盟と電気通信市場開放問題」『ジェトロ 中国経済』19984月号

M 『国際経営戦略―日中電子企業のグローバルベース化―』ミネルヴァ書房、2000年

3.企業統治

@「現代企業意思決定と社会関係ー『会社それ自体』論の批判的検討を中心にー」 『大阪市大論集』 (大阪市大大学院)、1985年9月

A「階層的経営組織形成の国際比較研究および階層的経営組織と独占・金融資本との関係についてーA.D.Chandler Jr. and H.Daems eds., Managerial Hierarchiesの批判的検討を中心にしてー」『経営研究』(大阪市大)第38巻第1号、1987年4月

B「金融資本の概念と多極的な金融資本的結合形態について」(上野俊樹・清野良栄編『現代資本主義をみる目』文理閣、1993年、所収)

4.企業の社会的責任について

@「地球環境保護と環境ビジネス」『エコ・ビジネス エコ・ビジネスと企業のアクションプログラム』講談社、1992年 

A「マレーシア・ARE事件イポー高裁判決文」『地域総合研究』(鹿児島経済大学地域総合研究所)第20巻第2号、1993年3月

B「中小企業の中国進出の際の経営姿勢について(上)(中)(下)」『OSAKA中小企業家』1996年4〜6月号


担当科目:中川の目指す双方向型授業   

研究内容:中川の4つの研究フィールド   いまここです。

自己紹介:中川涼司の人物像  

 中国:現代中国の経済と社会に関する情報収集のページ   (1997年1月20日 第1版)

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nakagawa@msf.biglobe.ne.jp
1996.10.15
作成(1997.1.20修正.1998.4.1増補) 
2000.4.17移転修正