第10回「3.労働条件 C.賃金・福利厚生」
2001.11.27. 佐藤
はじめに
*本日の講義テーマ:福利厚生制度は企業の恩恵的施策か
1.具体的事例から(資料1:長谷工コーポレーション事件)
考察手順 1.賃金が否か → 賃金だとすると、賃金請求権
2.労働契約の条件か否か → 条件だとすると、労基法16条違反
3.福利厚生の請求権があるか否か → あると、請求権
2.賃金法制
1.「賃金」とは何か
1)定義:「労働の対償」
2)賃金 v.恩恵=協約・就業規則・労働契約などによる判断
イ)退職金 ロ)賞与
2.「賃金」とされるとどうなるか
1)賃金支払いの原則の適用(24条)
イ)通貨払いの原則 Quiz:給与振り込みの是非 cf.法定通貨
ロ)直接払いの原則 Quiz:親・子・配偶者・債権者への支払いの是非
ハ)全額払いの原則 Quiz:相殺の是非
ニ)定期払いの原則
2)休業手当(26条) 3)最低賃金
3.福利厚生制度
1.種類
2.制度目的
1)人材確保 2)労働運動による労働条件
3.最近の動向:経費削減
e.g.企業年金の廃止、カフェテリア・プラン
4.権利義務関係
1)労働者保護的な判決のあるもの
1.社宅 2.団体定期保険
3.お礼奉公
2)労働者保護的な判決のないもの
4.企業年金
5.早期退職優遇制度
特徴:形式的な契約自由
4.福利厚生の権利義務関係
1.制度目的の確認:企業の恩恵的施策ではない、現実の機能
2.諸見解
1)労働者に権利はない
2)労使合意(労働協約、労働契約)による
3)労働者の権利→効果:賃金と考える、一方的不利益変更の禁止
[参考文献]
佐藤敬二「福利厚生施策と受給権保護の課題」『講座 21世紀の労働法 第7巻』
佐藤敬二「福利厚生の受給権保護の検討に向けて」立命館法学272号(2000年)
[自己点検項目]
1)講義を受講して、理解が進んだ点
2)講義でわかりにくかった点
3)講義に関する質問
4)その他(自由記述)
[出席者]
10/02 09 16 23
30 11/06 13 20 27 12/04
11 18 1/08
法 13
14 9 12 9 10 11 10
法以外 11 14
11 10 13 9
12 9
合計 24 28 20 22
22 19 23 19