はじめに:前回のまとめ
1.争議の法的正当性
2.遵法闘争の合法性
*本日の講義テーマ:使用者が組合潰しを行なったらどうなる?
1.事例:これまでに紹介した事例
2.「不当労働行為制度」の意義
1)不当労働行為の救済制度
1.司法救済
2.行政救済
2)行政救済の制度
1.類型化して禁止→来週に講義
2.行政救済制度(労働委員会による救済命令)の創設
3)行政救済制度の必要性
1.時間 2.救済手段 3.立証責任
3.行政救済制度の概要
1)制度趣旨
1.労働者の権利を守るためのもの→それによって労使関係展開の場を保障する
2.具体的現れ:使用者のみの義務、そもそもの趣旨、憲法28条
3.そのための制度(2))、そのための諸規定(3))、その視点からの問題点(4))
2)制度とその特徴
1.制度(図参照)
2.特徴
(イ)労働組合・労働者の全てが救済を申し立てることができる。
(ロ)労働委員会と裁判所の両方に申し立てることができる。
(ハ)使用者から申し立てる手段はない。
3)制度についての若干の注意点
1.労働委員会の任務:争議行為の調整と不当労働行為の判定
2.労組法第五条「資格審査」
3.一年の期間と継続する行為(27条2項)
4.再審査を求めても労委命令は有効(27条5項)
5.緊急命令(27条8項)
4)現在の問題点
1.五審制 2.時間 3.判決手続きと類似
4.救済命令の実効性
4.不当労働行為の主体:「使用者」=労働契約当事者+α
1)対外的拡張
日本鋼管事件 最三小判 昭61.7.15 (被解雇者)
油研鉱業事件 最一小判 昭51.5. 6 (社外工)
朝日放送事件 最三小判 平 7.2.28 (派遣労働者)
2)対内的拡張
済生会病院事件 最三小判 昭60.7.19 (救済命令の名宛人は権利義務主体)
不当労働行為救済制度
┌─────┐
凡例 │最高裁判所│
「?」労働組合が └─────┘
行う道 ↑△? 上告
「→」使用者が ┌─────┐
行う道 │高等裁判所│
「△」行政訴訟において └─────┘
労働委員会が行う道 ↑△? 控訴
┌─────────┐
取消訴訟 │ 地方裁判所 │
→→→→→→└─────────┘
↑ ↑取消訴訟? ?取 ?司法救済
↑ ┌───────┐?消 ?<民事事件>
↑再審査│中央労働委員会│?訴行?=損害賠償
or→→→ ───────┘?訟政? 仮処分
┌─┐特徴(ハ) 再審査?or? 事? 地位確認
│使│<・・・・・・・・・ ───────┐件?
│用│地労委命令│地方労働委員会│ ?
│者│ └───────┘ ?特徴(ロ)
└─┘ 行政救済 申立? and ?
┌────────────┐
│ 労働組合・労働者
│特徴(イ)
└────────────┘
[参考文献]
中山和久『不当労働行為論』(1981年、一粒社)
日本労働法学会編『現代労働法講座 7 不当労働行為?』(1982年、総合労働研究所)
同 『現代労働法講座 8 不当労働行為?』(1982年、総合労働研究所)
外尾健一編『団結権侵害とその救済』(1985年、有斐閣)
外尾健一編『不当労働行為の法理』(1985年、有斐閣)
山本吉人『労働委員会命令と司法審査』(1992年、有斐閣)
[自己点検]
1)自己点検
a)講義を受講して、理解が進んだ点
b)講義でわかりにくかった点
2)自由記述
a)講義に関する質問
b)その他
[受講者数]
4/17 4/24 5/08 5/15
5/22 5/29 6/05 6/12 6/19 6/26 7/03
7/10 7/17
法 48 48 44 47
46 45 52 46
42 45 49
経・営 7 3
7 2 5
4 6 2
2 2 2
産社 6 5
4 5 3 5
4 3 3 2
2
合計 61 56 55
54 54 54 62
51 47 49 53