微細気泡(マイクロバブル)とは、マイクロサイズの気泡のことである。
微細気泡の生成方法には次のようなものがある。
本研究室で用いている微細気泡発生装置は、bおよび、cの方式を合わせたものである。
微細気泡には、次のような特性がある。
通常の気泡は急激に溶液中を上昇し液面で破裂する。それに対し、微細気泡は、気泡径が微細であるため、上昇速度が遅く、そのため、通常の気泡に比べ長い間液中で滞留する。
気泡に加わる圧力は気泡の大きさに反比例し、気泡径が小さくなるにつれ、気泡内圧力は増大し、内部温度も高くなる。
微細気泡の収縮過程において、この高温高圧化が起こり、液中へ加速度的に気体溶解が起こる。
微細気泡は、発生時に空気と液体間で起こる摩擦によって負に帯電する。そのため、静電気的な反発力が気泡相互に作用し、結合することはない。また、汚染物質や金属イオンなどを引き付ける効果も期待できる。
微細気泡の収縮にともなう、高温高圧化が引き金となり、多くの作用(水の静電分極作用、溶解気体の物理化学的反応など)が働くが、反応の詳しいメカニズムについては不明な点が多い。
まだまだ不明な点も多いが、微細気泡は、こういった特性を持ち、利用価値も高く、広範な分野で注目されている。
また、これらの特性は微細気泡の生成方法により左右されるため、微細気泡であればこれらの効果が必ずしも得られるわけではない。
本研究室では、微細気泡の特性についての調査や、水質改善を目的とした微細気泡発生装置を用いてのフィールド実験といったことを行っている。