制御工学研究室
立命館大学理工学部機械工学科 上野研究室
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磁気浮上・磁気軸受

■磁気浮上技術を用いた制振装置の開発

この研究は、地震による住宅の振動を抑える制振装置の開発を目的としている。天井に吊り下げる形で取り付けた装置を、磁気浮上技術により空中に浮遊させる。住宅の振動に合わせて、装置の一部を天井に接触させ、天井と装置の間に発生する摩擦力を利用して住宅の制震を行う。磁気浮上技術により装置に振動が直接伝わらなくなるので、装置内に搭載した対象物を保護できる免震構造も兼ね備えている。

■磁気浮上技術を用いたリニアアクチュエータの研究

現在の搬送システムがレール等のガイドにより、搬送できる方向や範囲が限定的なもので、本研究では磁気浮上技術を用いることにより、ガイドの必要がない、自由度の高い搬送システムの構築を目的とした研究である。

■ロータの位置検出にカメラを用いた磁気浮上制御

現在、ロータの位置検出には一般的に変位センサーが使われている。しかし、変位センサーではセンサー一つにつき一方向の位置しか検出できない。そこで、本研究では変位センサーの代わりにカメラを用いて画像処理によりロータの位置検出をし、鉄球の磁気浮上制御を行う。一つのカメラであらゆる方向の位置を検出することができるため、装置の小型化などが期待される。

■六突極型磁気軸受の浮上・回転制御

本研究では、二つの磁気軸受とその間に設置されたモータから構成される装置を利用して、地面と水平に挿入されたロータを浮上・回転制御を行う。普通、磁気軸受に用いられるコイルは8個以上ですが、これを6個とし導線の径や巻数を調節することで十分な力を得る。また、同時に使うコイルを制限し、一度に流す電流や軸受力を制御するシステムの構築を行う。

■ハイブリッド磁気軸受を用いた弾性ロータの浮上制御

近年、産業用回転機械では磁気軸受を用いて高速回転化、長軸化、軽量化を図っている。磁気軸受は非接触支持であるために摩擦・摩耗による損失がなく、消費電力が大きいといったデメリットがある。本研究では、永久磁石によって制御に必要な電磁石の消費電力を減らしたハイブリッド磁気軸受を開発し、弾性体のロータを高速回転した際の振動制御を行っている。

■超電導磁気軸受における回転損失の検討

近年、リニアモーターカーなどにおいて液体ヘリウムが広く用いられている。これらの低温の液体を移送するポンプには凍結の可能性があり、その対策として超電導磁気軸受を使用することが注目されている。しかし超電導磁気軸受には回転損失があり、ポンプの消費電力が増加するといった問題である。そこで超伝導体が引き起こす回転損失の特性を研究する。

■アナログアンプの即応性評価

電磁石の作用による磁力は磁気浮上や振動制御など幅広い分野に応用されている。電磁石の即応性を向上させる上で、広範囲の周波数入力に対して安定した電流供給を行うことは必要不可欠である。本研究では、電磁石への電流供給源としてデジタルアンプよりも追従性の高い電流供給が行えるようアナログアンプの製作を通じてアンプの入力信号に対する出力信号の追従性向上を試みる。

セルフベアリングモータ

■ローレンツ力型セルフベアリングモータのアンバランス振動の抑制に関する研究

本研究ではローレンツ力に着目し、高性能な小型モータに適用できる磁気軸受、またはそれに替わるセルフベアリングモータの開発を目指す。磁気軸受とは、電磁石あるいは永久磁石の磁気力を用いて回転軸を吸引・反発させ、非接触状態で軸を空中に保持する軸受である。本研究の目的は、小型で低価格なローレンツ力を使った磁気軸受と同構造のセルフベアリングモータを開発することである。

■片側のみにステータを配置したアキシャルセルフベアリングモータの開発

近年、軸受はポンプなどの用途で高速回転が要求されている。高速回転を実現するために、軸を非接触で支える磁気軸受が製品化されている。しかしこちらの装置は非常に大型であるため、普及に至っていない。この問題を解決するために、本研究では軸受とモータを一体にする事で小型化ができるステータを全て上側に配置するアキシャルセルフベアリングモータを開発する。

■4コイル集中巻ステータを用いたアキシャルセルフベアリングモータ

本研究では、二つ4個の集中巻コイルを持つステータと4極ロータを挟み込み構造のモータを開発して、モータのアキシャル方向の位置制御を行う研究である。このモータのロータには両側に45°位相をずらした4枚の永久磁石を貼り付けている。ロータのアキシャル方向の位置と回転速度の制御を行って、開発したモータの動作を確認する。

■6突極型セルフベアリングディスクモータの開発とその応用についての研究

近年、磁気軸受を用いたポンプが使用・開発されている。磁気軸受のメリットとして非接触支持であるため摩擦や摩耗がなく長寿命であることや、潤滑油やメカニカルシールが不要なためメンテナンスフリーであること等があげられる。その一方、1軸以上の能動制御を行う必要があるため、装置が大型化,また高価になり易いデメリットがあるため,実用分野は限られている。そこで、低価格化および構造の簡単化のためにアキシャル型磁気軸受とディスク型モータを一体化したアキシャルセルフベアリングモータを用いたポンプを開発する。

■3軸能動制御ディスク型セルフベアリングモーターの研究

近年、磁気軸受システムは特殊環境下における回転機に利用されています。しかし、欠点として制御機構の搭載などによる装置の複雑化のため装置が大型、高価になり易いといった問題点があります。本研究では、回転トルクの発生と位置制御を同時に行えるアキシャルセルフベアリングモータと超電導磁気軸受とを組み合わせます。これを利用して浮上回転が行えるシステムを設計し、上記の問題の解決を目的としています。

■5軸能動姿勢制御アキシャル型セルフベアリングモータ

近年、回転体に対する非接触支持のために磁気軸受が注目されている。そのメリットとして摩擦が生じないので潤滑油を必要とせず、摩耗がないので半永久的に使用できることである。しかし問題点として振動に弱く、それの制御のために受動磁気軸受を使用するので装置が大型化するという大きなデメリットである。この研究では磁気回路を増やすことによって受動磁気軸受を使用せず、より小型化した5軸能動姿勢制御セルフベアリングモータの研究を行う。

■極低温下における真空ポンプ・液体ポンプの開発

極低温流体の移送に用いる真空ポンプ・液体ポンプでは、その温度に対応したシール材が必要となり、短命である。本研究では、アキシャルセルフベアリングモータと超電導磁気軸受を用いた新規な構成で羽根車の完全非接触回転を実現したポンプの開発である。旧型装置の機構を改良し、アキシャルセルフベアリングモータの位置と回転制御を行う。

電磁アクチュエータ

■電磁石と板バネを用いた位置決め装置の開発

位置決め装置には油圧サーボ系を使ったものが多いですが、装置の大型化や油等のメンテナンスが必要になる問題である。そこで電磁石の吸引力を利用した位置決め装置の開発に取り組む。しかし電磁石の吸引力は非線形のため、電磁石だけで系を安定させることが困難である。本研究では系を安定化させるために電磁石とバネを組み合わせた機構を用いて、小型でメンテナンスの必要のない新たな位置決め装置を提案する。

■電磁誘導型インパクトアクチュエータの研究

人間の体内に胆石や結石ができる病気が存在する。一般的な治療方法は、火薬、水中放電、圧電素子を用いて衝撃波を発生させ、結石を破壊する方法である。しかし、これらの方法では微細な対象のみを確実に破壊することが難しい。そこで本研究は水中でコイルに瞬間的に大電流を流し、磁界を発生させ、衝撃力を発生させる装置を開発する。この技術は、衝撃力を電気的に制御することができるので、火薬や水中放電によって衝撃波を発生させるより安全に胆石や結石を破壊できると考えられる。