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徳島大学で実施した、2007年度のFD基礎プログラム(@淡路島青少年交流の家)について述べる。
新任教員向けの集中型FDプログラムである。

1.概要
1日目
参加者同士のアイスブレーキング
「学生から見た良い授業・悪い授業」のアンケートの分析のワークショップ
講義「講義の仕方・話し方・展開の仕方」
講義「授業の計画から実施まで」
4班に分かれて、ミニ授業の計画と準備(A・B・C・D班)
教員・事務職員協働ワークショップ

2日目
外部講師による講演「名古屋大学のFD・SD活動-Webと小冊子の活用」(名古屋大学・夏目達也先生)
各班の代表者1名によるミニ授業発表と、それに対する他班からのコメント、検討・討議。

2.参加者(教員)への事後アンケート(無記名・抜粋)
今回の FDプログラムの内容について
・いろいろなFDプログラム内容が組まれており、大変勉強になりました。
・これまで、大学の授業に関する具体的な研修がなかったので、よい機会だと思う。
・非常に中味の濃いプログラムでした。他学部や他学科の先生方との交流も大変刺激になりました。今後もぜひ継続してほしいと思います。
・内容は盛りだくさんでしたが、交流を深めることができ大変よかったと思います。他領域、事務職員の方々との意見交換は刺激になりました。
・他学部の先生と知り合いになれ、また、その先生の方々の仕事に触れることができて、非常に有意義でした。
・大変充実していて参加してよかったと感じたが、もうすこしテクニック等の指導をして頂けたら幸いです。
・ミニ授業は時間の関係もあり、15分の授業で行われたが、実際の90分の授業とはかなり異なるものであるように感じました。参考になる部分も多々ありましたが、90分の授業には又異なるノウハウもあるように思います。
・内容は必要十分だったと思うが、ミニ授業に対する準備時間がプログラム内(2日間)では短かったので研修前の準備でもう少し当日の情報をいただければと思う。
・明日から使えるテクニックや工夫などを期待していましたが、初心者どうしが評価しあうミニ講義がメインで目的に合っていたか。

3.教員・事務職員協働ワークショップ
以下の課題について新任教員と事務職員が議論

学生ワーキンググループが集めている学生の意見には下のような要求がありました。
(1)・教員に対して「○○学部の一部の先生が学生を見下している感がある。学生と同じ立場でいるような教育をしてほしい。」 
・事務職員に対して「例えば、電話での対応で、(学生)「〜につないでもらえますか?」(事務職員)「何?〜につないだらええのか?」、また窓口での対応で、(学生)「〜ってどうなんですか?」(事務職員)「そりゃムリやな」等のように、「事務職員の対応がむちゃくちゃ悪い。学生にサービスすることが自分たちの仕事であるという意識が皆無である。教官は学生に評価されているのに、事務職員は評価されないので、こんなひどい状況が続いているのだと思う」
このような要求に対して、@どう思うか、A教員や事務職員はどう学生に接したらよいのか、B一般的に教員と学生、事務職員と学生はどういう関係であるべきなのか、を話し合って下さい。

(2)「学生同士、学生と教員、学生と事務員との交流がほしい。」
この要求に対して、@学生同士、A学生と教員、B学生と事務員が交流できるような何らかの企画や仕掛けを考え出して下さい。

4.教員・事務職員協働ワークショップへの感想
参加者(学務系事務職員)への事後アンケート(無記名、教員との合同のワークショップに言及しているものを抜粋)
・ワークショップ:教員との意見交換でお互いの業務が少しでも理解できたように思う。
・教員との合同討議についても上記と同様,現場である教員の事情,考え方に大きな相違があることがわかり,日常業務においても,机上で考えるのではなく,教員とコミュニケーションをはかりながら考えていく必要があることを痛感した。特に事例研究では,与えられた題目について,当初考えた結論と真逆の結論となる過程がおもしろかった。
・教員と事務職員協働ワークショップは教員の本音が聞けてよかった。
・教員の意見を聞くことができて面白かった。学生と関わりたくない,大学は研究機関である…等,生の声が聴けたのはいいが,かえってこれでいいのだろうか…とも考えさせられた。
・先生方と合同で行うワークショップでは,先生方との意見交換や,日頃それぞれの立場で考えていること等をじっくり話し合うよい機会であり,とても参考になった。それぞれの考えを理解していくことで,より円滑に業務を進めていくことができると考える。