第1回地域福祉プログラム臨床研究会
「会社と社会の先端での取組み」

日時 2001年10月13日(土) 14時〜17時
場所 ボランティアコーディネーター養成プログラム室(以学館)
参加人数 22名

プロジェクト例会の運営と研究内容についての報告  【報告】立命館大学 津止正敏

例会では、生活の規定力と社会関係・社会制度・社会意識との相互規定によって形成される現実の生活場面において発生する様々な生活・福祉問題を、焦点化する。社会変化の先端部門で取り組まれている、あるいは取り組まれてきた各地に実践の報告と討議を中心に進める。

 

報告1.城陽市深谷校区での「生活応援隊」の取組み  【報告】高畠ハルミ(城陽市深谷社会福祉協議会)

開発30年超の住宅地における、男性定年退職者を中心とした、家具の移動、修理、取り付け、電気製品の簡単な修理などの生活支援の活動。「これまではなんでもない些細なことが問題になる時代」である。住民活動を進める組織のあり方、プログラムのあり方、に関心が集まった。

 

報告2.シオノギ製薬のエンプロイーサービス  【報告】文字英夫(RitsVC代表)

昭和40年代の大企業における社員福利厚生事業の成立の背景、狙いについての報告。社員福利厚生は「生産性向上に結びついた従業員(エンプロイ−)サービス」である。時代の進歩に遅れないように、必要なときに必要なサービスをする体制がなければならない。その一つに「ホームヘルパー」の派遣制度があった。遅れた福祉施策の裏側での一般住民と大企業従業員との「2重構造」の一例。

 

第2回地域福祉プログラム臨床研究会
「困難ケースへの関わりから見た地域社会の福祉力」

日時  2001年11月10日(土) 14時〜17時
場所  立命館大学以学館1回演習・実習室3号室
参加人数 10名

報告1:「痴呆性独居老人が地域社会で生活するために」  【報告】井上公子さん(立命館大学産業社会学部実習指導室)

 次の2つの事例を比較しながら地域社会の問題対応能力について検討した。
@京都市A区に居住するBさんは、74歳の一人暮らしの婦人である。Bさんは結婚したときからこの家に住んでいる。Bさんは警察署長をしていた夫が30年前に病死し、それ以来一人暮らしである事例。
A京都市C地区に居住するHさん(48歳・男性)は、離婚後子ども3人(高3・女子 中2・男子 小6・男子)を引き取って暮らしている事例。Hさんの家にはHさん自身の母親(75歳)も同居していたが、最近脳溢血の後遺症で半身マヒになり、Hさんの仕事の時間帯だけ、身体介護のホームヘルパーが入っていた。Hさんの仕事は土木業であったが、最近不景気で仕事が少なく、家計は逼迫していた。家事は高3の長女とHさんが交代で行なっていた。    

 

報告2:「Aちゃんとその家族への支援について」  【報告】津村恵子さん(京都市障害児に学童保育所を保障する連絡会)

ピエールロバ−症候群という極めて症例の少ない障害児(5歳児)を抱えた家族(両親・弟・本児)の支援についての報告。稀少ケースだが具体的に活用できる公的資源が皆無。母の妊娠・祖父病気入院・本児が命にかかわる重篤の障害ためボランティアは困難・稀少障害例ため病院転院困難・有料ヘルパーは経済的に無理・等など。

 

第3回地域福祉プログラム臨床研究会
「学生・青年主体の活動プログラム」

日時  2002年1月19日(土) 午後2時〜5時
場所  立命館大学以学館調査・演習室3(1階)
参加人数  18人

報告1.2001サンタプロジェクトの報告  【報告者】大場孝弘氏(京都市南青少年活動センター)

中高生たちがサンタクロースに扮して地域の子どもたちにプレゼントを届けよう、という12月24日の取組み。2001年度3回目を向かえあらたな展開を報告してもらいます。子どもたちの地域での居場所、役割、大人世代との交流−論点満載です。

 

報告2.サポート隊の活動  【報告者】サポート隊(立命館大学生)

仏教大学通信教育部に通う障害学生のスクーリング中の支援を引き受けた学生たち(多くは立命館大学生)の活動です。ひとりの障害学生の学習支援を通して大学と障害者、障害者とボランティア、学生とボランティア、大学と学び−など、この報告もいろいろ論点が浮かびます。

 

第4回地域福祉プログラム臨床研究会
「子育て支援研究@」

日時  2002年3月23日(土) 午後2時〜5時
場所  立命館大学以学館調査・演習室3(1階)
参加人数

報告1.子育て意識調査と子育てサークルについて  【報告者】 盛武 希さん(京都市社会福祉協議会)

京都市社協が、全国社協の指定を受けて実施した子育てサークルリーダーへのヒアリング及び参加者へのアンケート調査について報告します。現代子育て事情と子育て支援政策の方向について意見交換します。

 

報告2.障害児の放課後ケアの動向−学校5日制を前に−   【報告者】 京都障害児放課後ネットワーク

この4月から学校5日制が完全実施されます。1992年の月一回、第2土曜日の休日化から10年。特に条件整備の必要が言われ続けてきた障害児の放課後ケアの到達と課題について昨年末に結成されたばかりの京都障害児放課後ネットワーク(放課後ネット)から報告してもらいます。

 第4回の2本の報告内容をフィールドとした「子育て支援研究会(仮称)」を発足させたいと思いますが、いかがですか。



第5回地域福祉プログラム臨床研究会
「町内会の実験−沢町ネットワーク−」
日時  2002年4月20日(土) 午後1時30分〜4時
場所  立命館大学以学館調査・演習室3(1階)
参加人数

報告.小さな町内会の大きな実験−沢町ネットワーク(山科区音羽川学区)−
   【報告者】 市橋孝雄氏(沢町ネットワーク代表) ・ 的場章悟氏(沢町ネットワーク役員)

活動の衰退や形骸化など自治会・町内会の危機が言われて久しいが、一方では、住民の協働活動を育む新たな動きも生まれている。例えば、山科区音羽川学区の沢町の取り組み。190世帯500人の小さな町内会だが、26%を超える高齢化率、2分の1が高齢者と暮らす世帯。誰もが高齢者問題の当事者となる時代を象徴するかのような町内会である。この町内会の全面的なバックアップで、昨年、沢町の福祉を考え実践する「沢ネット」が結成された。高齢社会における町内会など近隣活動の可能性や条件、課題について、更には地域福祉や社協、ボランティア活動の将来について、「沢ネット」を素材に、縦横無尽に議論した。

 

第6回地域福祉プログラム臨床研究会
「子育て支援研究A」
日時  2002年5月25日(土) 午後2時〜5時
場所  立命館大学以学館調査・演習室3(1階)
参加人数

報告.ポッポ券(=サークル内通貨)がとりもつ子育ての和
       -子育てサークル「Atoポッポ」(伏見区神川)
   【報告者】 間曽元美 氏(子育てサークル「Atoポッポ」代表)

核家族化や女性雇用率の増加などを受けて、子育てを家族のみで行えない状態が顕在化し、社会的支援や地域の仲間の力が必要な社会状況へと移り変わってきた。そこで、子育て分野・第2回目の今回は、伏見区神川の子育てサークル「Atoポッポ」の活動報告を聞きながら、地域で支え合う子育てのあり方を考えていきたい。「Atoポッポ」は、発足後1年の間で口コミで広がり、「みんなで子育て」をテーマに活動を展開してきた。親たちは、「たくさんの仲間と出会って、自分自身がとても変わり、子育てが楽しくなった」と実感している。そし
て、もっと助け合える関係になりたいと「ポッポ券」(=サークル内通貨)を発行。子どもを預かってもらいたいとき、チョット何かを頼みたいときに、メンバー同士が気軽に頼み合える潤滑油として活用していくということである。「人と人が信頼し、つながっていくことで、人が変わり、地域が変わり、社会が変わっていく」事を信じて、この試みを子育てにおいて実現させるまでに至った経過を学びながら、今後の発展を考えていきたい。


第7回地域福祉プログラム臨床研究会
「町内会の実験A」
日時  2002年6月22日(土) 午後2時〜5時
場所  立命館大学創思館プロジェクト研究室303・304室
参加人数18

報告.高齢社会を反映した集合住宅のボランティア活動の紹介
       -大阪府枚方市まきのハイツの取り組み−
   【報告者】 菅定子氏(立命館大学産業社会学部3回生)

昭和50年ごろの第二次ベビーブーム。入居者には若い世帯が多く、活気のあった4棟380世帯のマンションも、築27年が経過、現在60歳以上の高齢者がいる世帯が40%を占める居住空間になった。住民がこの場所を終の住みかと考え始めた時、安心して暮らすためには様々な問題が存在している事に気付き解決のため自治会、管理組合でもない独立したボランティアサークルを「出来る人が、出来る時に、出来る事を」を合言葉に、手探りで活動を展開中。発足から1年半の経過を紹介します。高齢社会における町内会など近隣活動の可能性や条件、課題について、議論した。




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