教 育 研 究 業 績 目 録
                    1999年11月1日
著書、学術論文等の名称 単著共著
の別
発行又は
発表年月
発行所、発表雑誌又は
発表学会等の名称
概         要
『京都障害者白書』 共編著 1984年 文理閣  本書「第5章第1節障害者の外出保障とまちづくり」pp.265〜285 「第5章第5節障害者と地域」p.331〜337「第6章第4節共同作業 所の役割と実態」pp.403〜415を執筆分担しました。
  本書は、国際障害者年の記念事業として、研究者・障害者団体・ 教育福祉行政関係者を中心に刊行委員会を組織して編集しています。 福祉だけでなく教育、医療、生活、雇用など障害者問題を全面的に 扱かい、500ページ近い白書になりました。私が編集・執筆分担し た領域は、バリアフリー社会を目指した福祉活動や施策の実態、及 び障害者小規模共同作業所の現状です。
「障害者の外出要求と交通権」 論文 1986年 「季刊障害者問題研究」
  NO.47号、pp.29〜42
 本論文は、京都市での障害者の外出調査を題材としながら、移動 の自由について「医・食・住」などとともに、現代社会に不可欠な 人権の一つ、すなわち「交通権」としてとららえています。この概 念は、日比野正巳氏らの提起にならったものですが、障害者、高齢 者の実態に即して展開しています。また現行の交通体系に加えて重 度障害者に対する独自の交通保障の在り方についても検討しています。
『地域福祉事例研究』> 共著 1987年 全国社会福祉協議会
  出版部
 本書pp.168〜183「事例K.地域・ボランティアが支える入浴サー ビス事業はこうしてできた」を執筆分担しました。
    本書は、全国の社会福祉協議会専門職員の通信教育用のテキスト として編集されたものです。私の執筆したものは、住民自身の手に よって老人福祉センターに寝たきり老人用の特殊浴槽を設置し、し かも事業の運営(担い手)はボランティア組織という、京都市上京 区での寝たきり老人入浴サービス事業についての事例研究です。福 祉問題に対応する住民主体のソーシャルアクション機能に着目しています。
「障害者の外出要求と交通権」 論文 1986年 「季刊障害者問題研究」
  NO.47号、pp.29〜42
 本論文は、京都市での障害者の外出調査を題材としながら、移動 の自由について「医・食・住」などとともに、現代社会に不可欠な 人権の一つ、すなわち「交通権」としてとららえています。この概 念は、日比野正巳氏らの提起にならったものですが、障害者、高齢者の実態に即して展開しています。また現行の交通体系に加えて重 度障害者に対する独自の交通保障の在り方についても検討していま す。
『放課後の障害児』 共編著 1988年 青木書店  本書「まえがき」pp.B〜D「第2章障害児とおもちゃライブラリ ー」pp.36〜58を執筆分担し、全体を編集しました。
  本書は、障害児の放課後を、家庭や学校とともに障害児の発達に とっての「第三の世界」と位置付け、放課後保障に取り組む父母や ボランティアの活動に光をあてたものです。この分野は、学校5日制の実施に伴ってようやく社会の関心事になりましたが、同種の刊 行物に乏しかった当時の事情もあって、随分と過分な評価もいただ きました。私の執筆分担となった論文では、全国数百カ所でボラン ティアや父母の力で運営されているおもちゃライブラリーの活動の 実態から、地域のゆるやかな障害児療育システムの形成を期待して います。
『福祉を創る』 共著 1989年 かもがわ出版  本書pp.13〜46「T.社会福祉と発達保障」を上掛利博他と共同執 筆しました。
  本書は、その後、シリーズ「社会福祉講座」として第5巻まで発行されています。私の執筆分担は、この講座の基調報告として発表されたもので、上掛利博氏などと共同で執筆したものです。救貧型の福祉でも、有料市場型の福祉でもない、これからの新しい社会福 祉理念として「発達保障」という考え方を提起しました。
「痴呆性老人の支援対策
            と託老所」
論文 1991年 「月刊福祉」
  第74巻9号
  pp.108〜113
 京都市社会福祉協議会で行った全国の託老所調査を元に執筆した ものです。ここでは、「託老所」とは、痴呆性老人を主要な事業対 象として、組織的継続的に取り組まれ、かつ国のデイサービス事業 の対象外のもの、という括り方をしています。私たちの調査以後に施策化された、デイサービスセンターE型(痴呆性老人毎日利用型) の制度研究に、私たちのこの調査研究が活用されたと聞いています。
『子育て新時代の児童館
          ビジョン』
共著 1991年 京都市社会福祉協議会  本書「U-六.一元化問題」pp.73〜78「W.児童館の戦後史スタディ」 pp.125〜169を執筆分担しています。
  本書が扱っている児童館は、保育所等他の児童福祉施設と違って、 社会の表舞 台でほとんど論じられることがありませんでした。児 童館がようやく社会的な注目を集めたのは、「1.57ショック」がいわれた1989年以後のことでした。少子化問題が、高齢化社会の到来 と重なって新たな行政課題となってきたからです。文字通りの「ス タディ」となった私の本論文では、社会状況の変化に重ねて児童健 全育成や児童館行政の戦後史を追っています。児童館年表も初めて 作成しました。
「障害児教育実践ハンドブック」 共著 1991年 労働旬報社  本書pp.432〜439「V-2-1障害児の学校外教育」を執筆分担してい ます。
  本書は、学習指導要領の改訂などにより、これからの障害児教育 実践や関連分野への関心の高まりという社会状況の要請に即して発 行されました。私は、本書では、障害児教育の新しい実践の課題と しての「学校外教育」の領域化について述べてみました。制度化の遅れが著しいこの分野でも、すでにいくつかの地域では、父母やボランティアによる先駆的・開拓事業が始まっています。本書の主な 読者であろう学校関係者に、これらの事業への関心や支援を訴えま した。
『子育て新時代の
      地域ネットワーク』
共著 1992年 大月書店  本書 pp.212〜216「4 子育て支援システムと地域福祉」を執筆分 担しています。
  本書では、京都市内の社会福祉協議会での子育て支援活動の事例 紹介を分担しています。子どもからお年寄りまでの福祉をどうすす めるか−地域の自治会、町内会、各種団体などと行政施策を結ぶ、 子育てサポートにむけての地域福祉ネットワークについてふれてい ます。
『学校5日制と障害児の発達』 共編著 1992年 かもがわ出版  本書「第3章障害児の放課後と学童保育要求」pp.90〜108、「第7 章障害児の地域活動と地域福祉」pp.148〜162を執筆分担し、編集責 任者になりました
  本書は私の『放課後の障害児』続編ともいうべき内容のものです。 学校5日制の実施を控えて、障害児の豊かな放課後を保障する視点 から、障害児の父母の不安や要求、障害児保育に取り組む児童館や 学童保育での実践を中心に編集しています。私の執筆分担では、放 課後保障に取り組む父母やボランティアの活動を、地域福祉の視点 から捕らえ直し、新しい制度的保障の原動力として当事者運動の意 義を強調しています。

「社会福祉協議会と住民−社会福祉
 の前進を保障するものはなにか−」

論文 1992年 「総合社会福祉研究」
  第4号、pp.55〜64
 本論文は、全国的な議論を呼んだ社会福祉協議会の新・基本要項 策定にかかわってのものです。社会福祉協議会の性格や機能、事業 内容について、「住民主体」の立場から理論づけてみました。私自身の結論は、サブタイトルにあるように、社会福祉を前進・発展さ せる原動力は、住民自身の中にある、ということでした。社会福祉 協議会のあらゆる活動を通して、住民の組織的力量を強め蓄積して いくこと、このことを地域福祉の主要な内容とすることを強く主張 しました。
「障害児の放課後問題と
  その制度的保障」
論文 1992年 「季刊障者問題研究」
  NO.71号、pp.14〜28
 本論文は、障害児の放課後問題について初めて研究的に扱った論 文です。私は、これまでも同テーマでは幾つか発表してきましたが、 いずれもが啓発的な意味合いをもった内容でした。私たちが京都で 進めてきた障害児に学童保育を保障する活動の総括的な内容にもなっています。前論文の余韻で、放課後保障の制度的保障を進めてい く原動力規定にもふれています。
「住民主体の地域保健福祉計画」 共著 1993年 あけび書房  本書 pp.94〜113「4章.社会福祉協議会と地域保健福祉計画」を 執筆分担しています。
  本書発行のモチーフとなったのは、1993年度から自治体に義務付 けられた「老人保健福祉計画の策定」でした。私の分担となったこの論文は、地域福祉の推進母体である社会福祉協議会が、この老人 保健福祉計画及び福祉事業をどのように受け止めていくのかについて、その原理・原則を確認したものです。なお、本論文で展開した 「地域福祉と福祉事業」のテーマについては、詳しくはその歴史的 経過も含めて、私の修士論文(「地域福祉の今日的課題と福祉事業 方針の研究」)において展開してあります。
「障害児家族の子育て実態と
 社会福祉の課題」
論文 1994年 「総合社会福祉研究」
  第7号、pp.80〜93
 本論文は、障害児家族の子育て実態を、私のこれまでの社会福祉 協議会等の諸活動での経験を研究的に整理し分析したものです。障 害児家族の子育て問題について、社会福祉施策の課題として把握す る必要を、家族福祉論などを手掛かりに展開しています。子育てに 対する社会的支援施策の正当性を、「子育ての権利」「介護の権利」 という視点から主張してみました。共同体の最小単位としての「家 族の絆」を強化・再生させる方向で、社会福祉の課題を検討してい ます。国際家族年での主張を、障害児家族に引き付けての研究とな りました。
「地域福祉の福祉事業化に
  関する実証研究」
論文 1995年 「総合社会福祉研究」
  第8号、pp.134〜152
 住民に対する直接的な福祉サービスの増大、とりわけ、行政から 委託される在宅福祉サービスや福祉施設運営等の福祉事業の増加は、 近年の地域福祉での最大の特徴です。本論文では、こうした事態を 「地域福祉の福祉事業化」の時代と規定しています。私自身、地域 福祉とは、住民自身の福祉的結合関係を原動力として展開される、地域・住民の福祉問題への対応の在り方、と理解していますが、この立場から、今日の「地域 福祉の福祉事業化」がもたらす問題状況を実証的に明らかにしたのが本論文です。
『障害児教育学の現状・ 課題・将来』 共著 1996年 培風館  本書pp.157〜170「第5章-1.障害者福祉の動向と課題」を執筆分 担しました。
  本書は、主に大学や短大、専門学校における障害児教育福祉のテ キストとして編集されています。本書での私の分担は、障害者教育の関連分野としての障害者福祉の今日的動向と課題について検討しています。1996年度よりスタートした障害者プランの概要を中心に、 国際障害者年以降の福祉政策の動向を概説してみました。
『ベトちゃんドクちゃんだけでなく』 共著 1997年 文理閣  本書pp.●〜●「あとがき−ベトナムの社会福祉」を執筆しました。 ヘトナムの二重体児,ヘトちゃんとドクちゃんの支援活動に始まっ たベトナムの福祉教育関係者との交流やベトナムでの在宅障害児の実態調査を分析し,国際交流における日本の役割について考察して います。
「地域福祉における公的責任と
 民間性のもつ役割」
論文
共同執筆
1998年 「福井県立大学看護短期
 大学部論集」第7号
  pp.163〜174
 本論文は久常良氏(福井県立大学)との共同執筆論文です。地域 福祉重視の政策が広がる中で,地域福祉推進における公的責任の所 在とともに,地域福祉固有の領域としての,民間性の課題について, その歴史的系譜とともにこれからの課題に焦点づけたものです。
「地域社会の福祉機能と
  市民主体活動」
論文
共同執筆
1998年 「福井県立大学看護短期
 大学部論集」第7号
  pp.175〜184
 本論文は,前項R論文をフォローしたもので,地域福祉における実践的な方針について考察しています。地域社会における福祉機能の発揮の方向性を,住民が自主的に開設している痴呆性老人の「託老所」等を素材に検討しています。社会福祉と市民社会の関係性を改めて提起しています。
「NPO法と社会福祉
 −社会福祉の公私関係−」
論文 1999年 「総合社会福祉研究所」
 第14号,pp.166〜178
 特定非営利活動促進法の成立を受けて,福祉分野における非営利 団体やボランティア活動に注目が集まっていますが,本論文では, NPO支援の方向性や対応策を,社会福祉や社会福祉協議会との課 題に引き付けて,現状と課題を集約してみました。

 



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