021]「緒方貞子共同議長を痛罵せよ」(20020121)→この文章は事実誤認に基づくので削除したものである。

 アフガン復興支援会議が東京で始まった(1月21日)。初日に、ピースボート(+もう一つ何とかというマイナーNGO)がそれへの参加を拒まれたとして抗議声明を発する、小さな〈事件〉があった。ところがその参加拒絶には、私見によれば正当すぎる理由がある。

 「アメリカによる軍事行動の即刻中止」を彼(女)らは要求している。当初からその行動に賛意を表明を示しているわれらであっても、それが終止することを願う瞬間がいずれ(そう遠くない未来に)訪れるだろう。それは原理的に必要性を感じた時点での「即刻」の中止要求であらざるをえないが他方、彼(女)らはといえば、当初からその軍事行動を〈悪〉ときめてかかっていた。

 だが、思わぬ誤爆が起こりうることの可能性――戦争状態ではそれが100%避けられることはありえない――もおそらく含めた「リスク」(ブレア英首相)を負いながら反アルカイーダの軍事行動をとった、そのことの1つの〈成果〉として暫定政権が立ち上がり、それを支援する会議のためにイスラム諸国を含めた多数の国家の参加が得られているのである。

 ならばピースボートは、ここで他人のフンドシで相撲をとるべきではない。あのパウエルがアメリカ代表として参加する会議で同じ空気を吸うべきではない。むしろ同じように軍事行動を批判してきたあまたの左翼思想家たちを組織して、会場ホテル前でシュプレヒコールでも上げるのが、彼(女)らにはせいぜい似つかわしい。

 なかでも彼(女)らの痛罵の第一の標的が緒方貞子共同議長であるべきは、疑いようがない。国連の難民政策に主導的に関わってきたとはいえ、しょせんは軍事力の上に建てられる偽りの平和の使者に過ぎないのではないか、と。

 ピースボートには一本筋の通った言動を期待したい。