小田  晋 教授を迎えて ──法学会秋季特別講演会を開催──


  10月16日(木)午後6時より、存心館701号教室において、立命館大学法学会秋季特別講演会が開催され、国際医療福祉大学教授(筑波大学名誉教授)の小田 晋 氏による講演「精神鑑定──その歴史、現在、未来」が行われた。参加者は400名。
  小田教授は最近社会的関心を集めている少年や精神障害者による刑事事件に関連して、精神障害、人格障害、などの概念を説明された上で、精神鑑定の具体的な手順、それにかかわる論争的な問題などについて、ご自身が手がけられた事例を紹介されながら説明され、犯罪者の人権、治療の立場、社会の安全というトリレンマの中で、現実的な妥協点を見出していくことが必要であり、そのためにも、「治療処分制度」が必要であり、犯罪法精神医学に取り組む専門的な機関が必要であるとの持論を展開された。
  最近の著名な刑事事件への言及もあり、聴衆の関心を最後まで捉えて離さなかったが、小田教授は最後に、末川博・佐伯千仭両先生の名を挙げて、伝統ある法学部の多くの学生が将来法曹となり、法廷で自分を反対尋問して欲しいとの激励の言葉で講演を結ばれた。
  
[Unitas   号]

戻る