<第3期モダニズム研究会>特別編

◆日程 2007年7月18日 16:30から

◆場所 立命館大学・衣笠キャンパス

修学館2階 第2共同研究室


◆報告者:井上まゆも
(南カリフォルニア大学 比較文学科 博士課程)
◆コメント:藤井たけし(朝鮮現代史)

◆報告タイトル:
肺と耳のアキペラゴ:
ジュリアナ・スパ−とミョンミ・キムの詩における「共同性」

◆報告要旨

新自由主義と戦争の時代の只中、アメリカにおける実験的詩的表現に
関わってきた詩人たちは、主に作品の形式レベルにおいて追及してきた
支配的表象システムを逃れるような表現を、具体的な現在の抵抗の場
へと送り返そうとしているように見える。
コリアン・ディアスポラ系の実験的詩人として知られるミョンミ・キムは2002
年に『コモンズ』(Commons)を、白人女性としてハワイなどの場から多様な
詩的表現を行ってきたジュリアナ・スパー(Juliana Spahr)は2005年に『肺の
あるみんなのこのつながり』(This connection of everyone with lungs)という詩
集を発表した。
二人の詩的表現はDHローレンスが過去に標榜した「オープン・ロード」やドゥ
ルーズがある種のアメリカ文学に見出したような「アキペラゴ」のような、合一
や中心的権力に依存しない、別様の共同性をどのように思考し、志向してい
るかについて考えて見たい。

※急な告知だったにもかかわらず、十数人の方々にお集まりいただきました。
終了後の懇親会でも、熱い討論が交わされました。