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今月のことば

2017年5月 生まれ変わりの新緑

 新緑の季節、もみじは赤黄色のやはらかい幼葉を出し、やがて黄緑色に変わり、そして「青もみじ」といわれる明るい緑になります。輝く日差しに照らされた新緑の下で、蒼く澄んだ空を眺めると一段と美しく、うすい細かい葉が透けて重なって、幾重もの緑のグラディエーションをつくりだします。
 春は、再生と復活と「生まれ変わり」の季節、新しい緑は、自然のなかで新たな「いのち」に出会う新鮮なよろこびを蘇らせてくれます。ベランダのプランターに植えた「葵」も、冬には何もなくなって地面だけになっていたのに、「御蔭祭」や「葵祭」の季節になると、「いつのまに大きくなったの?」と問いたくなるほどすばやく伸びて緑の葉を開き、「また春が来たよ、ぼくたち、ちゃんと生きているよ」といわんばかりに春の到来を告げてくれます。
 青紅葉の木漏れ日の下で、のんびり一日をすごし、ゆっくりとお昼寝できたら最高だなあ・・と長年思いつつ、果たせないまま、どれだけの年月がすぎてしまったことでしょうか。
 5月は連休などもあって、それなりに忙しく、なかなか果たせないままです。すぐに爽やかな空気は飛び去り、日差しも紫外線も強くなり、気温も蒸し暑くなってしまって、虫なども上から落ちてくるようになり、「青紅葉の下でのんびりお昼寝」というムードからは遠くなってしまいます。
 今年は特に、93歳の義母の施設入所、そして別の施設へのお引っ越しなどもあり、介護に一喜一憂しながらばたばたとあわただしく新緑の季節が過ぎ去りました。
 春は、世代交代の季節でもあります。連休にやってきた6歳になったばかりの孫は、近くの高野川が大好きで、川で石を投げたり、堤防をよじ登ったり、川の小さい生きものを覗きこんだり、興味がつきないようです。特にお気に入りは、川のなかに渡した亀石の飛び石をぴょん、ぴょん飛んで渡ることです。お正月に来たときには、途中までしか自分ひとりでは飛べませんでした。大人に援助してもらわないと、どうしても渡れない広い隙間があいていて、しかも亀の首は高くて飛びにくく、下には急流が流れていて、足がすくむ箇所がありました。
 今回は違いました。自分で工夫して、ふつうに足で飛ぶのではなく、まず手をおもいっきり向こうの亀石に延ばして四つん這いになり、少しずつ体重を前にかけて、よじ登るように渡ることができるようになりました。向こう岸まで、ひとりで行けたときの、うれしそうな顔、何度でも繰り返して渡りながらVサイン、いつもは写真が嫌いなのに、石の上でいろいろなポーズをとっては「撮って、撮って」とねだっていました。
 子どもの成長は、本当にすごいものがあります。ふだん離れて暮らしているので気づいたときには、「あら、いつのまに」という感じになります。「おじいちゃん」と「おばあちゃん」の顔も描いて、プレゼントしてくれました。服の色や髪型なども、相手を何度もよく見てちゃんと「写生」しながら描いてくれました。

写真  「おじいちゃん」と「おばあちゃん」



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