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進路・キャンパスライフ

PL, JAの紹介

他人とともに一つのことに取り組む経験を、できる限りたくさんすること。

K.Hさん(男) / 現代法専攻(2008/03卒業)

三木 義一ゼミ(税法)

進路決定先:みらいコンサルティング株式会社(旧中央青山PWCコンサルティング)

1.法学部での4年間の勉強について

1.卒論の概要

■当該テーマを選んだ理由
所属ゼミで大学対抗のディベート大会に出場する3回生のサポートをする際に担当したテーマです。3回生とのディベート対戦や4回生同士の話し合いを通して学んだことを書きました。

■テーマ
『3月26日施行改正特別措置法31・32条を1月1日まで「遡及する」ことの是非』
~平成16年度税制改正「土地、建物等の譲渡損」損益通算廃止の遡及適用に反対する~

■概要※卒論一部抜粋
…12月は師走と言われ、いかなる職業の人間でも何かにつけ忙しい、そんな時期である。その忙しい時期、しかも12月17日という年末まで残り2週間余りとなった日に突如として「土地建物等の譲渡損」の損益通算が翌年1月1日から否定される税制改正大綱が出されたことがある。そしてその法案が法律として成立したのは翌年3月26日である。つまり、その税制改正大綱により初めて国民の目に触れた法案は、否応なくその対応者となる納税者や専門家の対処が後手に回るのを見越したかのように成立時より遡及して適用されたのである。この改正の違憲性、つまり租税法律主義違反、中でも不利益不遡及の原則違反について検討する。当該改正の争点は、平成16年3月26日に成立した法律により、所得税における「土地、建物等の譲渡損」の他の所得との損益通算が否定され、その譲渡損規制の適用が同年1月1日に遡及されたことである。…

2.学部の学びで最も面白みを感じたこと

私が学部での学びで最も面白みを感じたことはディベートを通した学習です。
私は一回生の基礎演習の授業から4年間ずっとディベートを通しての法学の学びに注力してきました。ディベートを通した授業では、ひとつの事案に対して賛成・反対という立場の双方の視点から自分たちの主張を考え、対戦相手の主張を想定して質問を作り、それに沿った回答と論理の矛盾を突くチャートを作成します。その取り組みは年度を重ねるごとに緻密さが増すため、勉強することの重要性や意義について、身を持って体感できる非常にいい機会になりました。

またこれは付随的ではありますが、この取り組みを通じて必死に勉強することの意義を見出せましたし、それを他者に認められる経験や助言してくださった先輩方との絆も深まりました。確かに、そういった先輩方との縦のつながりは本来体育会やサークル活動を通してでないとできないものだとの偏見はありました。しかし、必死に何かに取り組む中で生まれた先輩方との信頼関係は何よりも変えがたいものでしたし、自分の人生そのものを根本から変えるほどの刺激も得られる関係をも構築できたと確信しています。この厚い信頼関係に基づく人間関係の構築も面白みを感じた学部の学びの一つだと思います。

3.学部の学びで最もつらかったこと、そしてそれをどう乗り越えたか。

学部の学びで最もつらかったことは、自分と同じ分野に興味を持って取り組んでいる同級生がすぐに見つからなかったことです。元来“学び”とは自分一人でするものではないと私は思っています。“学び”とは、お互いに刺激し合える学友との出会いにそのすべてがあり、いかにその人が優秀であったとしてもそれは相対的なものであり、独りよがりの学びでは全く意味がないと自分の尊敬する二人の祖父から聞いていました。したがって、いかにそういった学友との人脈形成を図るかという戦略と、この実践こそがつらいその状況を乗り越えた経験にあたります。

一回生の後期に専攻セミナーという授業でクラスのES(Nさん・現在みずほコーポレート銀行勤務)と二回生の後期に専攻演習という授業のTA(Mさん・現在税理士)のお二人と偶然出会い、その優秀さと人脈形成の上手さに魅了され彼らのマネをすることから始めました。そのためには授業のディベートでは必ず添削を受けプライベートもよく共にするなどして十二分に自分を売り込む機会を作出し、彼らの一挙手一投足をつぶさに観察しました。特に、彼らからの“ムチャぶり”には必ず応えるようにし、自分の行動の範囲や興味の幅を絶対に自分自身で狭めることはしませんでした。

そんな経験からもっとそういった人に出会いたいと思い、三回生の後期には約二十年間続く税法ゼミの第一回目の同窓会の幹事を引き受け紅葉真っ盛りの京都で総勢130名を集めての同窓会を大成功させるという結果も残すことができました。その結果、私は大学生活を通して自分の実行力に自信が持てるようになりましたし、今後もそういった姿勢を崩すことはないと思います。

4.『法学』になじめない、興味がもてない学生へのアドバイス

どんな学生がこの文章を目にするのか分からないことから一方的にアドバイスはできませんので、自分の経験を以下に述べます。

私の法学部入学の理由は「偏差値が高いから」でした。特に法曹志望でもなく、ただただ自分の人生にとって有益な刺激の得られる環境に自分の身を置きたい一心での入学でした。そのため、法学になじめるわけもなく入学から約1か月後には他大学の社会人講座を週2回受講し、日経新聞に掲載されている各種シンポジウムや証券会社等の主催する投資家向けセミナーへ積極的に参加するなど大学の外に自分の興味の幅をどんどん広げていくようになっていました。確かに、大学の外に刺激を求め人脈を広げる等の入り組みに注力した時期もありましたが、普段の専門科目の授業への参加時はいつも教室の前列に座って真剣に聴講して授業ですべて完結させるようにメモ書きをどんどん余白に取るようにしていました。この姿勢はエクステンション講座(司法試験講座等)でも同様でした。

あと私自身、ドラマの「HERO」や「ビギナー」を見て本気で検察官を目指して勉強した時期もありましたので、自分のこういった感覚を大切にして勉強を続けてください。こういうことをモチベーションにするのもいいのではないでしょうか。もちろん両方のドラマのDVDボックスは買いました(笑)。

2.進路決定へ至るにあたって

1.進路について真剣に考え始めた時期とその内容

真剣に考え始めた時期は二回生の前期です。
その内容は、ある人たちとの偶然の出会いがきっかけです。2回生のときに参加したシンポジウムで聴いた株式会社日本電産社長と当時ATカーニー日本支社長の公演に感銘を受けて、彼らと同じ土俵で勝負して勝ちたいと思ったことが意識し始めたきっかけになります。彼らの著作はすべて読みましたし、彼らのいる業界に興味を持っていろいろ調べたりもしました。そして、その目的達成のためには具体的にどんな能力が必要かを明確にするために多くの他大学主催の社会人講座等に参加して分野を問わず勉強する中で、彼らのように常に世の中に“仕掛けていく”ためにはリスクヘッジの感覚(財務戦略等の)を身に着ける必要性を感じ、今後成長する業界かつそれを生業とする職種を志望するようになりました。その後は、インターンシップでグループワークを通して“初めて会う人たちの中で自分の特徴をどう出していくか”とか“自分に合うポジショニング(リーダーやサポート)は何か”とかいろいろ考えながら取り組みました。

2.進路・就職活動において最もつらかったこと

「会社が落とす理由は自分の会社と合わないと判断したから」という言葉をどうとらえていいのか分からなかったことです。今になればこの言葉は単純明快です。たとえば、異性を好きになったときに、自分がどれだけ好きで相手も多少こちらをいいと思っていても“合わない”ことってありますよね。この話の結末はあまりにも悲しすぎるので私の口からはとてもじゃないですが語れませんが(笑)

話を元に戻すと、つまり就職活動は偏差値順に学校名が並ぶ受験勉強とは全く違い、人と人との相性が大きく関わってくるということです。学生生活を通じて人脈を広げる際もしかり、社会人生活を通して人脈形成を図る際もしかりですが、どうしても合わない人っているものです。こんな無意味なストレスを常に抱え込みながら日々仕事したいですか??その人自身がどれだけ優秀でも、合わないものは合わない、これは仕方のないことだとなかなか割り切れなかったということです。これは必ず頭に入れておいてください。すべての就職活動生が悩み、笑えない状況に一度はなるのはこの点にあると思います。

3.進路・就職活動でもっとも大切だと思うこと

信頼できる相談相手の存在です。自己分析や志望理由の文章表現や内容を一緒にとことん考えることに限らず、不安に思う時に不安だと言える相手が一番重要だと思います。この存在の必要性を考えず、自分自身でその不安を抱え込むことで解消するのは非効率的だと思います。話してすっきりして気持ちを切りかえることが当然に必要です。そのためには当然にたくさんの人に会う機会を見逃さず、誰のどんな話でも耳を傾けてひたすらに自分でそれを実行に移すことが大切になると思います。

あえて二つ目をあげるとすれば、とことん自分で自己分析を考える時間やSPIなどのような試験対策を寡黙にやる時間を作ることです。これも当然ですね。皆さんもお気づきのように、当然のことを当然にしたらいいだけですよね。

4.今振り返ってみて、やっておけばよかったと思うこと

特にないですが、あえて言うならば私自身が就職活動を終えて考えやすいと思った方法を誰かから聞いてそれを実践することです。(←これは無理な願いですが。)
たとえば、企業分析の際には、「①誰に」「②何を売って」「③どれだけ利益を上げているか」という考え方を参考に考えることです。
学生時代頑張ったことを考える際は、「①取り組んだきっかけ」「②それに取り組む中で立てた目標」「③苦労したこと」「④その苦労を乗り越えたときに自分なりにした工夫」「⑤結果得られたこと、気づいたこと」「⑥それを志望する企業でどう生かすか」という考え方で考えることです。

3.その他

1.法学部生でよかったと思うこと

私の法学部での学びは、いかに難しいことを簡単に説明できるか、相手に伝えるということは決して独りよがりではなく相手の立場にたったものの考え方がどこまで徹底できるかにあるということです。これは一般的に論理的な説明だとか言われるものだと思います。

具体的には、グループワークの中で班を組んだ全員(二人以上)で班の意見として一つにする際にどこまでそれぞれが思う「分からないこと」を「分からない」と言いながらそれを全部つぶすようにしてレジュメ(立論等)を作ったりした経験があげられます。これを自分でできる最大限の努力とは何かと自問しながら自答して二回生まではやっていましたが、三回生からはゼミという集団でそういったことをするようになりさらに自分の視野が広がり、自分の伝えるべき他者を意識しながらの考察ができるようになったように思います。

※ただ、「自分が分かった」ことを「他者に伝える」ことの難しさというのは、「なんでこんなに一生懸命発表しているのに伝わらないのだろう」とか「どうしてあんなに苦労して調べたのに自分の言いたいことが上手に言えない」とかいった反省をディベートやプレゼンなどの実体験を通してでないと分からないことかもしれません。しかし、この気づきは調べる(資料作成)段階での自分の努力の量にも深く関わりますので、伝わらないことを他人の理解力のせいにして自助努力を怠る理由には決してなりませんのでご注意ください。

2.法学部生の弱点と思えること

私自身が感じた法学部生の弱点は、法学の勉強を司法試験(法曹三者)の存在から受験勉強の延長上にあるという一側面でしか考えられない人が少なからずいる点です。確かに法律を使う仕事の代表格が法曹三者であるためそういった側面は完全に否定することはできません。しかし、実際の社会で法律はどのように使われ、その知識はどのような仕事で生かされているのかを自分なりにいろいろな情報を集める中で考えなければ、偏った知識体系の下に近視眼的なもののとらえ方しかできないという点で、就職活動の際には(というか普段の友達付き合いの中でも)「コミュニケーション能力が著しく欠ける」としてマイナス要素の一つになりかねません。まぁそれを上回りうるだけのユーモアがある人間であればいいのかもしれませんが…(笑)

この指摘は「僕(私)は大丈夫」と考えずに、世間をにぎわすサブプライムローンはどのような法的スキームで組成された金融商品かを自分の祖父母に説明してみる(←これはたぶん無理。)とか、自分の両親に電話で自分の今勉強していることを説明してみるとかしてみて下さい。後者を実践すると十中八九「それって実社会でどう使われてるの?」って聞かれますので、それに十二分に答えられたら大丈夫かもしれないですね。きっと法学は実生活に密着しているようで実は遠い世界の話だと気づくはずです。実は性格的には物理学や数学と似ている気がします。私が言いたいことはこのことに気付かないまま突っ走ると法学部生は“井の中の蛙…”になりかねないということです。

3.『立命館大学法学部生』への評判や採用担当者の評価・印象

特にそのレッテルを以てして“プラスにもマイナスにも取られない”という点だけ指摘しておきます。あくまで私の就職活動を通しての見聞きした情報ですので、これを人事の評価の全てだとして鵜呑みにしないでください。

4.1・2回生へ送る言葉

自分が興味をもったことや他人がやっている面白そうなことを全部やってください。必ず全部です。大学が準備している留学プログラム(UBC、DUDP等)、エクステンションセンターが用意している資格講座(TOIEC講座、司法講座等)、アルバイト(リゾート地での住み込み型、ワーキングホリディ等)で少しでも興味を持ったら必ず親に借金をしてでも参加するようにしてください。

確かに一・二回生には時間があまりあるほどありますが、逆に人によって学生生活に対する情報量に偏りがあります。その情報量の差は、四年経つと自分が考えている以上に莫大な取り返しのつかない差を生みだします。その情報戦に勝って本当に信じられないくらい有意義な経験をしている人たちと就職活動を終えてから何人も出会っています。まぁ私もそんな彼らに負ける気は毛頭ございませんけど(笑)

次に、なぜ多くの経験をすることをお勧めするのか説明します。具体例をあげれば、大学生にしかできないであろう日程とお金の使い方で長期間海外を友達と自由に旅行するという経験があげられます。私はEURAILパス(一等、15日間)と往復の航空券のみの用意で欧州に3週間近くいき、7カ国11都市まわって帰ってきました。この経験から、英語の習得意欲と自分の英語力への自信がわき、そして何より他言語の習得や自分に子供ができたら絶対にバイリンガルにしようと固く決意させられました。日本でただただ英語を勉強しているだけではこんなことは考えもしなかったですし、そして何より海外の人ともっと話せるようになって友達をたくさん作りたいと思うようになりました。そしてなにより英語で口喧嘩やギャグの連発で勝ちたいじゃないですか(笑)

あなたには時間とチャンスがたくさんあります。いったい何がしたいですか??全部やってみませんか??きっと想像だにしない自分の姿に出会えると思いますよ。もしよかったらその経験を私にもぜひ聞かせてください。

5.3回生へ送る言葉

今年一年の努力が人生を180度変えると信じてください。そして何かしらの結果を出すことに必死になってください。私はその努力の結果、すべてが良い方向に変わりました。

そして、できるならば自分一人でなく誰か他人とともに一つのことに取り組む経験をできる限りたくさんすることをお勧めします。今は大学内外でのインターンシッププログラムや大学内での小集団ゼミ形式の授業がたいへん多く、機会は十二分にあると思います。それをどの程度自分が許容できるか考えず、とにもかくにもまずは経験することが大切であると思ってなんでも取り組むようにしてください。そして毎回何かしらの目標を一つ立てて参加し、自分の行動を見つめなおす作業を帰りの電車やバスの中で2分だけしてください。これが後々とても大きな財産になります。

もし、自分の意に沿うインターンシップのプログラムがないという方は自分で企業に働きかけて自分の経験したいインターンシップを提案するか、実施していただけるようにいろんな手を使って働きかけてください。私は実際に商社の仕事を勉強しながら、営業同行して商社の実態をつかみたいと思ったのでゼミの先輩に働きかけて、その会社で引き受けていただいて実施していただきました。

また、3回生の一年間はゼミや部活・サークル等で中心的な存在になると思いますので、とにかくできるだけ多くの他人を巻き込んで何かを実行する力をつけるいい機会がたくさんあると思います。その機会を一つ一つ大切にして自分の成長の糧にしてください。今はありえないと思うこともやってみると結構簡単で単純なものに思えることが多いです。自分が見ている世界が一瞬で変わる、そんな瞬間を演出してください。必要なのは今ある能力ではなく、何かしたいという気持ち一つです。

最後にもう一言だけ言わせて下さい。
槍が降ってこようが手首が降ってこようが耐える、ひたすら耐える。自分が“勝ちどき”を上げるチャンスが来ることを信じてひたすら耐える。そしたらちょこっとだけ他人に優しくなれます。そんなあなたを当社は採用します(笑)!

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