RITSUMEIKAN UNIVERSITY
 中国文学・思想専修

 中国学は長い伝統を有しており、文学や思想分野の研究領域は多岐に亘りますが、わが専修は、当代の碩学、白川静名誉教授が進められた甲骨・金文学研究の資料を始めとして、古典詩文・白話文学・近現代文学および思想関連の文献を豊富に収蔵し、様々な研究を可能にする環境を整えて指導しています。論文発表の場としては、本学中国文学専攻の研究誌「學林」もあって、各自の成果を学界に問うことができます。

【博士課程前期】

 いかなる研究テーマを選ぼうとも、根底には正確な文献読解力が求められます。主に古典作品(詩文、白話の戯曲・小説)を対象としていますが、現代中国の研究書や論文・注解を参考にし、中国語の習得にも努めています。読解力の養成には「中国書講読」の授業を設けています。「中国語学概論」の講義が開設される年度もあります。文献読解のためには当時の社会や文化、歴史などにも理解を深めねばなりません。「中国文学(思想)特殊問題」では広い視野をも養うべく、中国文学や思想の様々な問題を考察する指導を行っています。また古典の文学・思想を研究する基礎知識の習得を高めるための講座に「中国文学(思想)研究史研究法」があります。

近世白話文学をテーマにするにしても、古典の詩文の読解力が求められますし、思想方面の知識も身につけておかねばなりません。これは近代文学研究がテーマであっても同様です。中国学は広範な知識を備え、深く考察を進める必要があるのです。なお中国語の上達を目指す人は「実践中国語」を履修するとよいでしょう。

 修士論文指導の授業には「中国文学特別研究」が設定されています。これは教員と前期課程・後期課程の院生が一堂に会して、論文提出予定者の研究発表についての討論を行い、それを参考にして論文内容を充実させてゆくものです。様々な専門分野で研究する人々から向けられる質問やアドバイスによって、気付かなかった重要問題に考えが及んで展望が開けることが多く、極めて有意義です。

【博士課程後期】

 中国文学あるいは思想の領域において専門性をさらに高め、博士の学位取得を目指す後期課程の院生向けに「中国文学特別研究」があります。これは課程博士論文完成に向け、各自の研究テーマに適した研究法を見出すべく、先人の優れた方法論を学び取ることを目標にしています。この他、前期課程と共通の授業も選択し、文献読解力に磨きをかけ、また識見を深めることも行われています