RITSUMEIKAN UNIVERSITY
 東洋史学専修

【前期課程】が変わった。

前期課程は、後期課程のための準備期間ではありません。すでにこの2〜3年、そうした傾向がつよくなっていたのですが、入学段階から後期課程進学を予定していない諸君の入学が増えてきました。動機は卒論を書き終えてみて少し歴史研究の面白さがわかりかけたところで、もっと勉強してみたいというのとか、就職に向けてのキャリアアップのようです。例えば、東洋史の場合、教員採用試験をめざしている諸君が多いのですが、2年間で取得できる専修免許(高等学校教諭専修免許状)もその一つでしょう。共通点はみんな明確に2年修了で就職する意思をもって入学している点です。研究が思うように進まず後期課程への進学が難しそうだということで、しかたなく就職するわけではないのです。

「高度技能展開コース」「高度教養人養成コース」のめざすもの。

このような動向をうけて制度化したものが、今次新設された「高度技能展開コース」と「高度教養人養成コース」との2コースです。試験科目も少し軽減されていますし、合格点も「研究者養成コース」より幾分低めに設定されて入学しやすくなっています。

新設2コースに入学すると、情報処理や語学、教育学などの文学研究科共通のスキル系科目を履修し修了単位として積算することができます。また東洋史専修の固有設置科目のほか歴史学3専修共通科目や他専修の科目を積極的に履修できるようになりました。このように人文科学の知識やスキルも身につけ、幅広く社会に貢献できる人材の養成をめざしています。

最近の院生の就職先は、メーカーなど一般企業のほか、出版社、公務員、中高教員、大学職員、国立大学図書館司書などです。

「社会人入試」もあります

現役の学生だけでなく、専修免許状の取得をめざす現職の中高の先生など、少し勉強から遠ざかっていた社会人のための試験で、一般入試にくらべていくぶん科目数が軽減がされましたから、これまでより大学院へのハードルが低くなっています。

【後期課程と研究活動】

前期課程、後期課程、3コースを問わず、大学院生の活動の中心は研究です。研究の基本は院生一人ひとりが自らの興味と問題意識にしたがっておこなうものですが、論文作成の途中では、専攻教員が全員で指導にあたり、また院生が相互に批判しあい、より完成度の高いものをめざします。そうした研鑽の場が「大学院特別研究」という科目です。そのほか分野別の研究会、読書会も機能していますし、院生や卒業生、教員で組織された「立命館東洋史学会」という学会も活動しています。その研究誌『立命館東洋史学』も院生が主体的に編集発行をおこなって、今年28号をむかえました。学界でも高い評価をえています。