各専修紹介

哲学専修
教育人間学専修
日本文学専修
中国文学・思想専修
英米文学専修
日本史学専修
東洋史学専修
西洋史学専修
地理学専修
心理学専修
綜合人文学専修


哲学専修

西欧哲学を中心とした研究を進めています。2600年以上にわたり連続している各時代の最高の知性による重層的な思索の積み重ねのなかから、「人間とは何か」の問いを探求します。古代ギリシャ哲学、近世哲学、ヘーゲル以降の社会哲学、現象学、実存思想、さらにはフランス現代思想など、多方面からの思索を展開します。

教育人間学専修

教育人間学専攻は、学校や家庭の内外を問わず、今日私たちの社会の至る所でますますその複雑さと切実さの度合いを亢進させている教育をめぐる問題事象、病理現象について、理論的にも実践的にも根本から捉え直していくことを、その教学の基本姿勢としています。この姿勢の前提には、これらの問題や病理の解明や解決を目指すには、対症療法論的あるいは技術論的視点からのアプローチではもはや決定的に不充分であるとの認識があります。教育学をはじめとする教育にかかわる既存の諸学は、その専門分化が近年著しく、自己の専門領域の壁を厚く高くすることで閉鎖性を強めてきました。これらの諸学は専門の枠内に頑なに閉じこもるなかで、教育をめぐる問題や病理についてのアクチュアルな実践感覚と統合的な理論形成への関心を、知らず知らずのうちに放棄してきたのです。
 
教育人間学専攻は、こうした諸学の閉鎖性を互いに突き破り、「教育における人間への問い」と「人間における教育への問い」を、「こころ」の問題を媒介として、循環させつつ考究していこうとしています。そして、この考究の深化を通して、現代における人間と教育とのかかわりについての根底的かつ包括的な理論的展望を切り開き、それに基づく斬新で実効性の豊かな実践的知見と技法を明らかにすることをその教学理念としています。すなわち、教育人間学専攻における教学の基本的性格は、「現代の教育をめぐるさまざまな問題についての人間学的総合研究」であり、より端的に述べれば、「新しい教育的人間観の創出を目指す研究」です。人間と教育とのかかわりに関する基礎理論研究としての「人間形成」、学校内外における教育の現代的課題に向けての臨床的・実践的アプローチを追究する「臨床教育」、心の仕組みや変容に焦点づけた健やかな生活のあり方を解明する「心理健康」、これらの3領域は、学部レヴェルにおける教育人間学専攻の教学理念の具体化です。
 
博士前期課程においては、この教学理念を、理論的にも実践的にもより高度かつ多様に展開し、「教育についての人間学的総合研究」としての性格をさらに鮮明にすることが求められています。また、教育をめぐる今日の問題や病理が、ややもすればセンセーショナルにないしは過度に人々の不安を煽るような論調で語られがちである現状に鑑みれば、大学院哲学専攻教育人間学専修の教学において最も重要なのは、教育をめぐる流行事象の表層的な激しさや華々しさに惑わされ、短期間で「教育効果」を測れると謳う乱暴な知見や安逸な技術を求めることではなく、「人間と教育」への問いを、腰を据えて徹底的に問い抜く研究力量の形成です。

日本文学専修

万葉集から現代の小説まで、日本の文学作品および日本語の研究を通して、日本人がもつ豊かな想像力の解明をめざします。日本文化を見つめ直すなかで、伝統的精神と現代的価値観の対立など、日本人の生き方についても探求し、我々が抱えているさまざまな課題に対応していくための「人間のあり方」について考えます。

中国文学・思想専修

【博土課程前期課程】
 
いかなる研究テーマを選ぼうとも、その根底には正確な文献読解力が求められます。主に古典作品(詩文、白話の戯曲・小説)を対象としていますが、現代中国の注解をも参考にし、漢文だけでなく中国語の習得にも努めています。読解力の養成には「中国書講読」の授業を設けています。「中国語学概論」の講義が開設される年度もあります。「中国文学特別研究」においても古典の詩や文、読解を主軸としています。文献読解のためには当時の社会や文化、歴史などにも理解を深めねばなりません。またこの授業では古典文学全般に視野を広げ中国文学の様々な問題を考察する指導を行っています。
 
思想研究では儒家思想と道家思想を中心とする問題を考察する手引きとして「東洋思想研究史研究法」があります。儒・道の思想については中国学の必須の知識ですので、文学研究をテーマにする人にもこの講座は有益です。近世白話文単をテーマにする場合においても、古典の詩文の読解力が当然、求められますし、思想方面の知識も身につけておかねばなりません。これは近代文学研究がテーマであっても同様です。何しろ中国学は広範な知識を備え、深く考察を進める必要があるのです。
修士論文指導の授業としては「中国文学特別研究」が設定されています。これは担当教員と前期誤程・後期課程の院生が一堂に会して、論文提出予定者の研究発表についての討論を行い、それを参考にして論文内容を充実させてゆくものです。様々な専門分野で研究する人々から向けられる質間やアドバイスによって、気付かなかった重要問題に考えが及んで展望が開けることが多く、極めて有意義です。
 
古典文学、白話文学、思想を専門とする専任教員の他に、学界の第一線で活躍されている研究者を学外から講師として迎え、中国の文学・思想を深く学ぼうと志す人達の指導に当たっています。なお研究成果は専攻の研究雑誌「學林」に発表が可能です。
 
【博士課程後期課程】
 
中国文学あるいは思想の領域において専門性をさらに高め、博士の学位取得を目指す後期課程の院生向けに「中国文学特別研究」があります。これは課程博士論文完成に向け、各自の研究テーマに適した研究法を見出すべく、先人の優れた方法論を学び取ることを目標にしています。この他、前期課程と共通の授業も選択し、文献読解力に磨きをかげ、また識見を深めることも行われています。
 
中国学は長い伝統を有しており、文学や思想分野の研究領域は多岐に亘りますが、当代の碩岸、白川静名誉教授が進められた甲骨・金文学研究の資料を始めとして、古典詩文・白話文学・近現代文学および思想関連の文献を豊富に収蔵し、様々な研究を可能にする環境を整えて指導しています。論文発表の場としては、本学中国文学専攻の研究雑誌「學林」もあって、それぞれの成果を学界に問うことができます。

英米文学専修

立命館大学文学部文学研究科英米文学専攻では、より高度な英語力と文章理解力、また論理的な思考力を備えた卒業生を送り出すべく、少人数指導に徹底した指導をしています。卒業後の進路は、留学、研究者などはもちろんのこと、教職や企業への就職など、多様です。在学中には、立命館の複数の海外協定校との交換留学もあり、可能性は大きく開かれています。少人数による緻密でアットホームな指導と、院生の可能性を最大限に生かす制度のバックアップ、この二つが大きな特色です。
 
指導担当者では、イギリス文学、アメリカ文学、カナダ文学、英語学の専門家をそろえ、ジャンルも幅広くカバーし、学生の多様な研究テーマに対応しています。授業は、学生の発表を軸にしたテクスト研究と討議を主にし、修士論文、博士論文作成にあたってはほぼマン・トゥー・マンの指導がなされます。

日本史学専修

戦後直後から、北山茂夫(古代史)、林屋辰三郎(中世史)、奈良本辰也(近世史)、前田一郎(思想史)、岩井忠熊(近代史)などのきわめて著名な研究者を擁し、その学風は「立命史学」とよばれてきました。その特色は、中央中心の歴史学が見落としてきた史料を堅実に掘り起こし、それらの史料を縦横に活用しながら、民衆の立場からダイナミックな歴史像を復元していくことにあります。こうした学風は、巷間から幅広い支持を集め、日本史学専攻は文字通り「在野史学」の騎手たる地位を築きあげてきました。1970年代以降は、山尾幸久(古代史)、三浦圭一(中世史)、衣笠安喜(近世史)などの研究者がこの学風を継承・発展させ、次いでそのあとを受けた現教員によって学界をリードする研究が今も着実に行われています。
 「立命史学」の学風の影響を受けた研究者・教員・学芸員は広く全国に及んでいます。殊に地域史研究・部落史研究・文化史(芸能史)研究・女性史研究などでは、他の追随を許さない蓄積を有しています。最近では、こうした蓄積の上に、政治史・文化史・思想史や考古学などでも注目すべき成果を挙げ、日本史研究会や歴史学研究会、日本考古学協会などの全国的学会でも中核的存在の一つと目されています。

 また、京都大学日本史研究室・同考古学研究室、大阪大学日本学研究室・同考古学研究室などの関西の有力研究室、国際日本文化研究センター、国立歴史民俗博物館などとも幅広いネットワークを築いていることも特色です。全国にわたる市町村の学芸員、高校教員などの卒業生との交流も盛んです。

東洋史学専修

西洋的価値観のみの普遍性が、通用しなくなった現代社会にあって東洋史学は、西洋とは異質の世界をその起源に遡って研究するという今日的意味を持っています。

西洋史学専修

西洋史学では、現代社会が歴史的にいかにして形成されたかを幅広い視野から追究し、また、「過去」の社会・文化と「現在」の社会・文化を対比することによって、人間の多様なあり方や探ります。

地理学専修

地表上のさまざまな現象や存在を空間的な観点から追究します。研究分野は、自然地理学から人文地理学まで多岐にわたるが、地理学専攻の大きな特徴としては、いずれの分野の研究・教育も幅広くカバーしています。

心理学専修

心の動きを含む人間行動を科学的に理解をすることを目的に、教育と研究を展開しています。

綜合人文学専修

人文科学を横断的に研究する学際分野を担当します。文学研究科が擁する多種多様な人文科学の学問的手法を複数修得することにより、巾の広い批判的思考方法を身に付けます。学問的課題を探求するのみならず、人文科学が現代社会に対して示しうる有効性を、具体的に実現する人材を育成します。

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