7月8日    白川 隆三

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JASRAC寄付講座

コンテンツ産業論 I
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第十二回目は、九州大学教授の白川隆三氏より「日本のアニメ映画産業と欧米市場」をテーマに講義が行われた。(以下はその要約)

<日本アニメの成功要因と将来性>
 日本アニメの成功要因は、3点ある。第一の要因は、日本が世界一のアニメの量産国で、その量産が才能を生み、製作手法を育ててきた点である。TVアニメは、一週間に100本程放送されているが、演出効果によってフィルム数を少なくし、安価な制作費で作品を作っている。アニメ雑誌は「ジャンプ」、「マガジン」、「サンデー」など多く刊行され、驚異のコミック市場がある。第二の要因は、日本アニメは制作費のコントロールや海外での市場性によって、ビジネス展開が他の映像より有利な点である。第三の要因は、日本アニメは新しい媒体の対応型だという点である。新しい媒体とフィットしたターゲットを共有でき、映像データが実写に比べて軽いのも特徴である。
 日本アニメの将来性については、少子化によるDVDビジネスやコミックビジネスへの影響が心配されていたが、今のところ成人層で持ちこたえているのが現状である。日本アニメは、海外市場においても、今後は中国で伸びると言われている。また、これからも安い制作費で良質の作品を作り続けられると言われており、日本のアニメビジネスは安泰と言える。

<日本映画の現状と将来>
 日本映画のマーケットは確実に拡大している。拡大の要因は、実写映画の拡大が実績の安定成長に繋がっている点である。アニメーション映画では、宮崎作品が着実に拡大しており、実写映画も「踊る大捜査線」をきっかけに拡大している。
 日本映画の将来についは、実写映画の量産現象は続き、今後も量産は進行するだろう。しかし、実写映画の作り方・見せ方がテレビに似てきており、映画のテレビ化という問題が出てきている。今後映画のテレビ化を進めるのではなく、アート性の高いものを作りあげていかなければならない。

<今をどう生きるか>
 皆さんは今人生で最も大切な時期を過ごしている。女性は25歳で、男性は30歳までにどれだけ多くの修羅場を経験するかによって人生が決まるので、皆さんは今最後のチャンスを生きていることになる。多くの修羅場を経験することによって、はじめて自分を知ることができ、自分を認識するようになる。そして、知らない自分を発見し、自分の世界観を変えることができる。
 夢の実現は具体的なイメージを創ることから始まる。夢の終着点の姿をしっかり具体的にイメージし、これを目標にステップアップをしていくことが大切だ。また、自分のリズムを見つけるのが夢を達成する近道だ。自分のリズムとは、睡眠・食事・排泄の生活リズムのことである。リズムを?むと自分のパワーの発揮できる時間がわかる。そして、?んだ自分のリズムを意識して、それに合わせて進むことが夢の近道となる。