是枝裕和監督の「映像論」第2回目


専門特殊講義SO2007年度後期 金曜日4限)
2007年10月12日



 第2回目の「映像論」は、是枝裕和監督が影響を受けたもう1人の人物について。

 

「カウンターカルチャーとしての村木良彦」

 

授業の冒頭で是枝監督は、「映画とテレビの違いは何か」という問いを受講生に投げかけます。その後、「シネマ・ヴェリテ」や「ダイレクト・シネマ」などの言葉を用いながら、60年代のドキュメンタリーと、その歴史を解説しました。

是枝監督は一冊の本『お前はただの現在にすぎない』(荻元晴彦・村木良彦・今野勉著、1969、田畑書店)を取り出し、その著者である村木良彦氏について語り始めます。そして是枝教授は、村木氏が演出した『あなたは…』(1966)、『日の丸』(以下1967)、『わたしは…』、『わたしのトゥィギー』、『ハノイ、田英夫の証言』などのテレビ映像を次々と紹介してくれました。

本の副題でもある「テレビに何が可能か」というタイトル通り、テレビを通して村木氏が表現したかったこととは、何だったのでしょうか。さまざまな方法論や政治体制との衝突によって生まれた村木氏の映像作品に、受講生たちは真剣な面持ちで見入っていました。




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