立命館の戦後復興と振興に尽力した末川博名誉総長の偉業・遺徳を偲び、多くの関係者の寄付により1983年に開館。末川に関連する史資料の展示がある。また立命館卒業生の松本仁介氏の寄付を基に京都地方裁判所に設置されていた「陪審法廷」を「松本記念ホール陪審法廷」として移設展示している。
他に「白川静記念東洋文字文化研究所」が研究拠点を置き、研究活動を行っている。常設展示等は無いが多数の企画を実施している。
また戦後直後の1946年、市民に大学の教育研究を開放する目的で開講した「立命館土曜講座」も現在まで開講している。
館内の見どころ
末川博は民法の泰斗で、「権利侵害論」「権利濫用論」の研究で著名。末川のこの理論は現在の民法の基本的考え方となっている。また「岩波六法全書」を編纂したことでも著名で、本書以前の法律書は大部で高価であったが、判例を多用して手ごろな価格でまとめられた六法全書はベストセラーとなり庶民や法律を学ぶ学生の必携書となった。末川は京都帝国大学で教鞭をとったが、1933(昭和8)年の京大事件に連座して退職、以後立命館大学との関係を深め、戦後立命館大学の学長・総長となった。館内には末川の事歴、岩波六法全書の初版、在りし日の書斎・遺品を復元展示している。
「松本記念ホール陪審法廷」は誰でも見学可。実際に判事・弁護士の席などにも触れられる。映画撮影にも使用されたり、立命館大学法学部ではこの実物法廷を使った授業も行われる。
「白川静記念東洋文字文化研究所」は研究所のため入室不可。
「立命館土曜講座」は毎週土曜日午後、だれでも受講可。受講料無料。講義の予定等は問い合わせ。
立命館大学 末川記念会館
開館日時:月~日 9:00~17:00、定例休館日 毎月第1日曜日(8月、12月、1月を除く)(年末年始、8月の大学一斉休暇時は閉館)他は下記HP参照
入館無料 (土曜講座の問い合わせもこちら)
●京都市北区等持院北町56-1
TEL:075-465-8234
FAX:075-465-8235
https://www.ritsumei.ac.jp/community_affiliations/suekawa/
立命館大学 白川静記念東洋文字文化研究所
ro-toyo@st.ritsumei.ac.jp
https://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/sio/
見どころの一つ「末川メモリアルルーム」
末川博自宅の居間と書斎を実物を用いて再現展示している。
見どころの一つ「松本記念ホール陪審法廷」
1928(昭和3)年から15年間、実際に行われた「陪審制」を今に伝える文化的遺産。