顧客満足論
−第8回 顧客満足の今日的課題(2)CRM−
1.顧客満足をこえて
(1)CS活動の教訓
@顧客は一律ではない
A顧客には儲かる顧客と儲からない顧客がいる
B顧客ごとの異なる扱いの実現には、企業に高い能力が必要とされる。
(2)何が求められているのか
●「顧客の側に立つ」〜必要な三つの能力
@顧客の思いを理解する
A高度な専門知識に基づいて商品・サービスを理解する能力
B顧客の思いを商品・サービスへと「翻訳」する能力
→「購買のエージェント」へと、顧客と供給者の関係性(relationship)が変化している。
●顧客の「需要」をどのようにとらえる必要があるのか〜図1−2
@顧客の思いは単一の商品やサービスでは満たされない
Aその購買は顧客にとって買い換えかもしれない
B来店していない顧客にも収益機会がある
C顧客の購買と購買の間にも収益機会がある〜アフター・マーケット
D「紹介利益」「学習利益」
(3)「個客」という考え方〜「One to One マーケティング」
※Many to One ではない
(4)CRMモデル(図1−6)
2.CRM戦略
(1)「セグメント」の変化への対応
@顧客は曖昧化している・・・自分自身で何がほしいのか、必要なのか、わかってない。
(選択肢が拡大したあまり、関心の分散と情報過多がおきる)
A顧客セグメントが錯綜している・・・図2−5
B顧客がバーチャル化している・・・通販、ネット
(2)CRM基本戦略
@企業を「個客エージェント」型へ
・カスタマイゼーション:商品・サービスを顧客のニーズにあわせて作る、組みあわせる
・ワンストップ:あるニーズに関連する商品やサービスを一カ所で提供
・マッチング:顧客のニーズにあった商品・サービスを探す
・ジャストタイミング:顧客にふさわしいタイミングでの提供
・レコメンデーション:顧客の嗜好・消費パターンに応じてピンポイントで提供
・メタプロダクト:顧客の目的実現のためにセットで提供
A収益基盤を「顧客生涯価値」におく
「顧客生涯価値(LTV)」〜図2−10
1.個客シェア(それぞれの個客の消費にどれだけ食い込んでいるか)
2.商品範囲(品揃え)
3.顧客時間(タイミングと継続性)
4.顧客範囲(誰に売れたかの把握と潜在顧客の掌握)
この4つの軸を組みあわせて、企業の成長のチャンスをつかむ
Bセグメンテーションを需要に直結させる
どうせ顧客は押しても買わない
→買う気になっている客を効率よくみつけよう
→タイミングをうまく計る
→その客の情報収集をてつだう
より深く学びたい人のための参考文献
アクセンチュア『CRM 顧客はそこにいる 増補改訂版』東洋経済新報社、2001年。
(図表はすべて本書から)