顧客満足論
第8回 CRM(2)CRM戦略、顧客満足活動のの実践(1)
<CRM(2)>
2.CRM戦略
(1)「セグメント」の変化への対応
①顧客は曖昧化している・・・自分自身で何がほしいのか、必要なのか、わかってない。
(選択肢が拡大したあまり、関心の分散と情報過多がおきる)
②顧客セグメントが錯綜している・・・図2-5
③顧客がバーチャル化している・・・通販、ネット
(2)CRM基本戦略
①企業を「個客エージェント」型へ
・カスタマイゼーション:商品・サービスを顧客のニーズにあわせて作る、組みあわせる
・ワンストップ:あるニーズに関連する商品やサービスを一カ所で提供
・マッチング:顧客のニーズにあった商品・サービスを探す
・ジャストタイミング:顧客にふさわしいタイミングでの提供
・レコメンデーション:顧客の嗜好・消費パターンに応じてピンポイントで提供
・メタプロダクト:顧客の目的実現のためにセットで提供
②収益基盤を「顧客生涯価値」におく
「顧客生涯価値(LTV)」~図2-10
1.個客シェア(それぞれの個客の消費にどれだけ食い込んでいるか)
2.商品範囲(品揃え)
3.顧客時間(タイミングと継続性)
4.顧客範囲(誰に売れたかの把握と潜在顧客の掌握)
この4つの軸を組みあわせて、企業の成長のチャンスをつかむ
③セグメンテーションを需要に直結させる
どうせ顧客は押しても買わない
→買う気になっている客を効率よくみつけよう
→タイミングをうまく計る
→その客の情報収集をてつだう
④POSからPOIへ
顧客からのいかなるアクセスも情報として蓄積・分析・活用する
eCRMとは、かっこいいWebサイトをつくることではない・・・ランズエンドの例
(3)CRMモデルに基づく顧客エージェント化のステップ
①適切なセグメンテーション
②セグメント別の明確な位置づけと対応
③顧客情報収集と顧客差別的活動の能力(capablity)強化
④インサイトの能力強化~変化対応力による陳腐化の防止
より詳しく学びたい人へ・・・紙の無駄のような本も多い中で、まず読むべきはこれだろう。
アクセンチュア『CRM 顧客はそこにいる(増補改訂版)』東洋経済新報社
<顧客満足活動の実践(1)>
1.顧客満足向上のプロセス
(1)システム構築段階
①理念の制定:初めての場合、いままでのあれこれの全社運動とは違うという理解が重要
②トライアル:小さな規模で試行錯誤を行い、組織の風土、状況に適合したやり方を検討
※最初は対象を限定し、完結したサイクルでテストする
a)調査手法の確立:顧客の言いたいことを聞く
b)分析手法の確立:いろいろな分析ツールを試す
※顧客満足度と売り上げのミスマッチをどう見るか
c)アクションプランニング手法の確立
(2)実践段階
①ベンチマーク調査:自社だけでなく広範な顧客について調査し、自社の問題点を解明する
②アクションプランニング:ベンチマーク調査で解明された問題点から課題を明確化し、
さらに実行の戦術を策定する。
(3)発展段階
①システムの微調整
②サブシステムの開発:新たな評価制度や成果の普及のための仕組みづくり