2001/06/04
顧客満足論
−第7回 戦略としての顧客満足(3) 顧客満足のマーケティング−
顧客満足の今日的課題
Y 顧客満足のマーケティングとそのプロセス(テキスト第5章)
1.はじめに−市場における「成長の仕組みづくり」
2.マーケティングの戦略課題
○製品レベルのマーケティングにおいて、成長の仕組みを支える三つの対応要素
<例 「スーパードライ」では>
@市場ニーズへの対応 スーパードライ:@コクとキレ
Aライバルへの持続的競争優位 Aキリンが「ラガー」に固執
B経営資源の組織的配分 B資源配分の集中
※マーケティングとしてみた場合・・・@=需要創造戦略
A=競争優位化戦略
B=統合システム化戦略
3.製品ポジションの確立
4.市場ニーズの仮説的な設定とコンセプトの明示化
5.価値システムの創造とマーケティング・ミックス政策 (テキスト図15(p116)参照)
<例:「写るんです」では>
製品(事業主体)のポジション確立 カメラか、フィルムか?
↓
市場ニーズの仮説的設定・コンセプトの明示 「失われたシャッターチャンス」
↓
コンセプトを具体的なマーケティング政策にしていく作業
(1)価値形成=コンセプトを製品、サービスとして具体化 フィルム風のパッケージ
(2)価値表示=価格設定 フィルムとしては高め
(3)価値伝達=広報、コミュニケーション CMなど
(4)価値実現=営業、販売 カメラと違う流通ルート
※(1)〜(4)がマーケティング・ミックス
さらに
↓
6.競争戦略の課題
競争でいつでも勝てる一般的状況
@コスト・リーダーシップ もともと日本最大のフィルムメーカー
A差別化
B集中化
※この持続的競争優位にニーズを加えると強い
7.経営資源との統合化
経営資源=ヒト、モノ、カネ(、ノウハウ・技術、情報)
例)人材開発
生産・供給体制〜フレキシブル生産システムなど
※これらすべてにマーケティング機能が前提される
8.マーケティング実行とインタラクション
マーケティング実行=市場に向けて製品やサービスを打ち出していく
(マーケット・イン、プロダクト・アウト)
※市場とコンセプトの間のインタラクションによる製品の発展
例)「写るんです」の発展
図16(p131)
9.まとめ
Z 顧客満足の今日的課題
1 企業の社会的責任(テキスト第6、7章)
(1)なぜ企業の社会的責任が顧客満足の課題となるのか
@直接的には、企業の存続基盤は社会である、ということ:テキストp137〜139
A消費者の企業に対する視線が厳しくなってきているということ:p141〜145
(2)どのような活動が企業にとって必要なのか
@基本的には企業としての活動を遂行することが原点にはある:テキストp145〜p150
Aしかし、それが現実にはさまざまなゆがみをうんでいることに対応する必要がある:p155
→これらへの対応として ・法規制などの遵守
・デマーケティング(過剰な欲望創出を抑制する)
B積極的に社会貢献をすることも必要になっている:p164〜
2 関係性マーケティングと顧客満足(テキスト第8章)
(1)なぜ関係性マーケティングか:p183
@環境の複雑化、不透明化→信頼に基づく長期的関係づくりが重要になる
A安定的な長期顧客との継続的な取引からこそ利益が上がる ※80対20の法則
B商品が高度化しシステム化することで、メンテナンスやアフターサービスの重要性が高まる
C関係性構築のための技術的基盤の発展(POS、会員カードなど)
D商品のライフサイクルが短くなり、顧客との関係を安定させた上で次々と新製品やモデルチェンジの対応をしていくことが求められる
Eサービス商品が拡大し、個客への対応が必要となる
F売り手と買い手の関係が変化している
(2)関係性マーケティングの意味
コトラー+グルンルースの定義(p188)
「マーケティングとは、顧客やその他の利害関係者集団との関係を、その全集団の目的が自社の収益を満足させ得るように、確立・維持・発展させるビジネス・タスクである」
つまり、関係者それぞれが自己の目的を追求することが、自社の利益になるようにし向けること。
具体的には、取引の当事者双方の満足を達成することになる。
例)いきつけの店
カード会員
メーカーと流通業者 セブンイレブンの例