リゾート経営論
−第5回 リゾート経営の手法−
 
 
 
 
0.前回講義について
 
○今でも金持ちを対象としたリゾートと大衆向けのリゾートとの住み分けはあるのだろうか?
 
○ラスベガスは消費型の典型的リゾートだけどただの砂漠だったところをあそこまでのリゾート地域にさせた理由は?
 
○ヨーロッパのリゾートの歴史に鉄道の発達が上げられるが、日本でも明治に発達した鉄道によってリゾート産業が大衆化してきたのだろうか?それとも、このころリゾートという考え方が日本では浸透していなかったのか?日本の大衆リゾートは日本人の全体的な所得の向上であって、低価格によって起こった大衆化では無いように思われる。所得の低い日本人はリゾート地に行くお金がないので行きたくても行けないのでは?
○バカンス法ができてまだ100年もたってないことに驚いた。それまでバカンスという概念すらなかったのだろうか?
 
○太陽が近いアフリカにも(植民地にもなってたし)リゾートになるチャンスはあったのかな?
 
○ヨーロッパではリゾートのキーワードとして太陽があるけれど、それは日光に恵まれてないからで、日本でもリゾートっていったら同じようにバカンスのイメージを持つけど、それはそういうヨーロッパのイメージがあるからだと思うので日本人は本当はどういうリゾートのキーワードを求めているのかなと思いました。
 
○ハワイは人工的に作られた楽園だからこそくつろげるのかもしれない。
 
○産業革命によって鉄道が発達してリゾートの大衆化が進みスイスやリビエラ等に都会の優雅な生活を持ち込んだ。でそれはリゾートになるのか私には理解できない。
 
○米軍の保養地としてや、アジアのリゾートは発展したけれど日本の支配下におかれていた韓国にはリゾート地の発展はみられないのはどうしてだろうと思いました。
 
○欧米はなんでも先へ行っている感じがあるが、日本も温泉に関しては、三朝温泉はむかしから医療用に使われているなどがある。
 
○これからのリゾートは金銭面が豊かな人と限られた人だけでなく誰もが行ける様に価格を考えることが大切だと思う。豪華さを一番に考えるのはもう古いと思う。
 
 
X リゾート経営の手法
 
1.リゾート市場の動向
 
図は前田豪『観光・リゾート計画論』総合ユニコム、1992、p116を参照(著作権の関係でwebには載せられない)。
 
2.計画条件の分析
 
     ※計画対象地の十大条件(前田、前掲書、p143)
 
3.コンセプトの策定
(1)「物語」をつくる
   ex)TDL
     オランダ村〜ハウステンボス
 
(2)基本コンセプト
 
4.ハードとソフトの整備
(1)施設構成
   @コンセプトに添ったものであること
   A「滞在」にふさわしいもの
   B短期的に投資を回収できる施設と長期的なものなど、財務的なバランスをとる
      ※不動産や「会員権」はすぐに回収できるが、ゆがみもでる。
       しかし、入場料や利用料収入だけではいつまでも初期投資が回収できない。
 
(2)戦略的ソフトづくり
   @ターゲットにふさわしいサービス・プラン ex)地中海クラブの「キッズクラブ」
   Aリピーターをうみだすイベント
   B今後のカギとしての参加型
   C人づくり
 
5.イメージの重要性
(1)イメージをコントロールすることの重要性
   @イメージを作りだす〜ハワイの例
   Aイメージを広げる〜宣伝戦略:メディア、口コミ
   B困ったイメージをどうするか〜修正する、逆手に取る
 
(2)イメージ戦略の落とし穴
   @イメージを裏切られる
   Aイメージの硬直化