CAREER

映像学部を卒業して漫画の編集者になったOB、花田健太朗氏に訊く。

2018.11.09

「オネェ課長たまきさん~オネェは社畜を救う~」という漫画をご存知でしょうか?



映像学部の公式HPでいきなりご紹介するには刺激的なこのタイトル。でも、今回「も」真面目なお話です。
この漫画はスクウェア・エニックスとpixivが贈る「ガンガンpixiv」というWEB雑誌に連載されている作品。

スクウェア・エニックスと聞くと、まず「ゲーム」というキーワードが浮かびますが、実はコミック出版では業界でも売り上げ上位にいて、「月刊少年ガンガン」をはじめ8つのコミック雑誌を展開しています。あの有名な人気漫画「鋼の錬金術師」はガンガンの代表的な作品。

その、「月刊少年ガンガン」の編集部で編集者として活躍しているのが映像学部2期生の花田健太朗さんです。担当業務としては、マンガの編集者として作家との作品制作全般で、内容に関わるディレクション、企画としてのプロデュース、制作進行マネジメントなど、多岐にわたります。そして、現在花田さんが編集を手掛けている作品が、冒頭の「オネェ課長たまきさん~オネェは社畜を救う~」なのです。



映像学部を卒業して、漫画の編集者!?

そう思った方いるかもしれません。映像学部の卒業後の進路については高校生からもよく質問をいただきます。文系他学部と比較して、映像学部の進路就職先には教学の専門性から非常に大きな特徴があり、やはり「映像」に関わる仕事、例えばテレビ、番組、広告、CM、ゲーム、CGアニメーション、WEB、IT、など学びに直結した企業に就職している人が8割ぐらいであるのが現状です(進路就職データ)。最近ではそういった企業からも直接映像学部にお声掛けをいただくことが増え、「映像学部の人材がほしい」というオファーも年々増加しています。

そんな中では「異色」ともいえる進路を歩んでいるのが花田さん。映像学部での学びが現在にどのように生きているのかといったことについて伺ってみました!!


ーまずは自己紹介をお願いします。

映像学部二期の卒業生で、現在少年ガンガン編集部でマンガの編集者をしております花田健太朗と申します。オネェマンガも担当しておりますが、僕自身はオネェではありません。他にもいろいろなジャンルのマンガを担当させて頂いております。

在学当時は中村ゼミに所属し、制作としては実写の方を主に活動しておりましたが、回り回ってマンガの編集者をしておりまして、今思えば当時からマンガの編集者という仕事が何たるかを知っていれば、もっと早く興味を持てていただろうと思っております。

編集者という仕事はあまり知られてはいませんが、当時の映像学部には正式な授業としては少なかったシナリオや絵コンテを作る力がつき、またついた力を活かせる仕事だと思いますし、監督業にも非常に近い側面があります。個人的にはもっと編集者を志す学生が増えても良いのではないかと感じています。

ー映像学部で学んだことはどんなことに生かされていると感じますか?

学生時代、曲がりなりにも自分で映像作品を制作して経験した、ストーリー構成の作り方や演出方法、カメラで学んだ構図の作り方など、「創作」という意味ではほぼ同じなので、編集者としての仕事に直結していると思います。。 また、ビジネスゼミで学んだコンテンツビジネスの発想も、商業作品をつくる視点で取り組むためには必要な知識をだったと思います。

ーどんな学生に興味をもってほしいですか?

漠然と映像を作りたい、と考えて入学した学生さんたちに、様々な形の制作があることを知って欲しいです。僕自身がそうだったように、映像を作ることだけに触れていたので、マンガの編集者という仕事が自分が学んだことが活かせる分野だとは思っていませんでした。視野を広げれば就職の幅もさらに広がりますので、是非いろんな側面から創作というものに向き合って頂ければと思います。

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花田さんありがとうございました!
映像学部で学んだことが生かせる職業は映像業界以外でもたくさんあり、視野を広げて夢を描くことの重要性を卒業生の方から改めて教えていただくことができました。


「オネェ課長たまきさん」も、この働き方改革やダイバーシティが叫ばれる現代にぴったりなおもしろそうな作品ですね!是非、先輩が手掛ける漫画に触れながら、秋の夜長、自身の進路についても考えてみよう!