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映像研究科修了生インタビューVol.2 DING Erli -どんな時も楽しみながら平常心で立ち向かう-

2020.07.02

2021年度入学の映像研究科入試説明会は、現在、オンラインで実施しています。
毎年、衣笠、BKC、OICなど、キャンパスを渡り歩いて開催してきましたが、
実は、このオンライン説明会・・・、参加率が非常に高いんです!!
海外からもアクセスしてくれる受験生の方がいたり、まさにボーダレスな状況です。

新しいライフスタイルは、
これまでの価値観が変わる、変えられるタイミングでもありますね。

さて、映像研究科は9月入試の出願が【8月19日(水)】より始まります。

「映像研究科ってどんなところ?」

という疑問が少しでも解決できるように、
2020年3月に修了した映像研究科の修了生にスポットをあて、
「映像」を学び、研究する院生ならではの、
達成感や苦労、ほっこりするエピソードをお届けします。

Vol.2は、中国・上海出身のDING Erli(テイ・ジレキ)さんです。

彼女の修士研究は、初めて日本で生活をして、
「戸惑った出来事」からスタートしました。
私たちの身近な生活の中で、映像がどんな役割を果たせるのか、アイディアを修士制作として完成させた一つのモデルです。
日本が大好きな彼女の想いとともにご紹介します。

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氏  名:丁 尓礫(DING Erli:テイ ジレキ)
入試方式:外国人入試試験
出身学部:Sino-korean School of Multimedia Design
座右の銘:なんとかなる
研究テーマ:ゴミ分別を促すインタラクティブ・ゴミ箱
Interactive bins to facilitate waste separation


Q.1 修士研究の内容について教えてください。
 修士制作として開発した「Smart Garbage」は、分別意識を高めるパブリックゴミ箱型インタラクションです。
 日本で生活を始めて、ここでのゴミ分別がいかに細やかにルール化されているかを知りました。中国と日本では大きな違いがあります。観光や留学を目的として、訪日する外国人は毎年増えている一方で、日本語がわからなければ、ゴミ箱に「可燃」や「不燃」などの表記があったとしても理解されません。分別がわからないと捨てる人も掃除をする人も困るだろう、という素朴な思いがこの研究のきっかけでした。
 映像は世界共通言語であり、ゲーム感覚のゴミ箱であれば国籍に関係なく、子どもから大人まで楽しんで分別することができるのではないか。そんな思いを込めています。
 言葉を使わずに直感的に分別理解を促すことができるよう、ゴミ箱にセンサーや画像処理装置を設置することにより、ゴミを投入するというインタラクションによって、映像が映し出される仕組みにしました。また、このゴミ箱は家庭内で用いるのではなく、訪日外国人などに分別意識を広めていくために、公共空間に設置することを前提として設計しました。
 制作段階で、特にこだわっていたことは、ゲーム感覚の要素をとりいれるだけではなく、「アート」を感じられる作品にする、ということ。無機質なゴミ箱が映像を組み合わせることによって、どうしたら人々の心に残る「アート」になるのか、試行錯誤して完成させました。

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Q.2 研究活動をすすめるうえで、苦労したこと、それを乗り越えた方法について教えてください。
 大学院生活の2年間は、私の人生にとって、とても大事な時間だったと思います。この2年間で、これまでは自分にはできないと思っていたことを勉強し、それを自分の作品制作で応用させ完成することができました。
 一番苦労したことは、プログラミングの勉強でした。使用言語や取り扱うソフトウェアは初めてで、使いこなすために勉強すべきものがたくさんありました。1回生の秋学期は、研究が進むにつれてそのハードルの高さを感じ、いつも「こんな難しいこと、私にできるでしょうか?」という気持ちで過ごしていました
 それでも、指導教員の望月茂徳先生のアドバイスをいただき、地道に毎日勉強を重ねることにより、徐々に自分が考えるプログラムが組めるようになってきました。

 学習についての、ポイントは3つあります
 1つ目は、先生の指導を聞きながら勉強を進めること。
 2つ目は、うまくいかない時も諦めずに、楽しみながら平常心で立ち向かうこと。
 3つ目は、経験のあるクラスメイトや仲間との交流を深めることです。


 私にとって、一番大事なのは、2つ目だと思います。映像が思い通りに動くようなプログラムを組むことは、本当に難しいです。エラーの繰り返しこそが、日常の学びなので、長期のプロジェクトを進めるには自分の気持ちが大切です。この経験で、自分の気持ちのバランスがうまく取れるようになったと思います。今では、プログラミングが好きになり、これからも定期的に勉強を続けていくつもりです。

Q.3 映像研究科へ入学しようと思ったきっかけについて教えてください。
 私は中国の大学を卒業後、日本への憧れと映像をさらに勉強したいという思いで留学生として、来日しました。
 進学を決めてから、映像に関するいろんな大学院の情報を集めている中で、立命館大学大学院の映像研究科の存在を知りました。ここで取り扱う「映像」の領域は幅広く、自分の研究テーマとマッチするインタラクティブ分野の先生に出会うことができました。また、研究するための最先端の機材や設備が揃っていて、理想的な研究環境が整っています。  
 最も特徴的なのは、映像研究科では自分の研究分野だけではなく、他の映像領域を専門とされている教授からの指導が受けられ、交流をすることもできます。映像研究科は留学生の比率が高く、様々なバックグランドをもつ人とのコミュニケーションはグローバルな視座を養うことにもつながりました。
 視野と思考を広げる力を磨くことができ、加えて外国人留学生向けの奨学金やサポートも手厚いことから、ここであれば、充実した留学生活を過ごしながらスキルアップしていける環境であると思い、入学を決めました。

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Q.4 これからの世界は、どのように変遷していくと思いますか?その中で、映像研究科での学びをどう活かしていこうと考えていますか?
 これからの時代は、今まで以上のスピードでテクノロジーが発展していくことでしょう。単調な作業は、AIが行い、人間はもっと高度でクリエイティブなことを開拓していく必要があります。
 映像研究科の授業でも、AIをテーマにした講義が度々ありました、自分自身の研究もAIを応用しています。進学する前は、「AI」と聞くと難しいテクノロジーで、自分には関係ないものとしか思っていませんでした。しかし、研究テーマを決めて、それを達成するための勉強を始めてから、AIは案外身近のものだと考えを改めました。プログラムを打ち込んで、実際に、自分のPCで起動できるたびに、大きな喜びと感動が重なります。
 映像研究科でAIとは何かを知り、自分の作品として応用するスキルを身に着けました。修了後は、映像の仕事に従事したいと思っています。今後、やりたいことは変わるかもしれませんが、きっとどんな仕事でもAIの知識は役に立つはずだと思います。

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Q.5 今後の人生において、映像研究科での学びはどのように役立つと思いますか?
 映像研究科では、修士研究を完成させるまでに、企画立案、設計と改善を何度も繰り返します。この過程の中で、知識の習得だけでなく、研究者としての思考や判断を養うことができます。
 修了後は、映像に関する仕事に就きます。新しいステージでも映像データの処理、チームメンバーとのコミュニケーション、様々な人と一つのプロジェクトを遂行していくことなど、今までにない経験が待ち構えていると思います。映像データの処理は特殊映像実習で勉強したPrとAeのスキルが使えますし、チームメンバーとのコミュニケーションは院生会議で学んだ経験、新規プロジェクトの遂行は、映像研究科の複数指導体制として研究した日々からイメージをもつことができます。
 どんな課題に直面しても、映像を駆使して乗り越えていこうと思います。私にとって、映像研究科での学びは、自分の人生を切り拓く大きな自信につながっています。

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〇お知らせ 
映像研究科は、2021年度入試に向けて入試説明会をオンラインで行います。
映像研究科について少しでもご興味のある方は是非、気軽に参加してみてください!

日  時:2020年7月30日(木)18:30~19:30
形  態:オンライン説明会
申込方法:下記のメールアドレスに必要事項を記載いただき、送信してください。
必要事項:
タイトル:7月29日 入試説明会参加申込
本文:
 ①氏名(フリガナ)
 ②所属大学・学部/出身大学・学部
 ③連絡先(メールアドレス)
 ④研究テーマ(現時点で考えている内容でOKです)
 ⑤研究指導希望教員(決まっている方のみでOKです)
 ⑥その他(質問など)
申込Eメールアドレス:rugseizo@st.ritsumei.ac.jp
申込締切:7月29日(水)17:00
*申込いただいた方に、当日の参加方法をメールにてお伝えいたします。


【2021年度9月入学試験について】
出願期間:2020年8月19日(水)~9月2日(水)*出願期間最終日の消印有効
試 験 日 :2020年9月26日(土)
合格発表:2020年10月14日(水)10:00
*入試方式や出願資格など、詳細については、入試要項を必ずご確認ください。
入試要項:https://www.ritsumei.ac.jp/gr/exam/point.html/

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