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SIGGRAPH ASIA 2022 in 大邱 映像学部/映像研究科の学びを発信!

2023.1.19

2022年12月7日(水)~12月9日(金)にかけて、韓国・大邱市のEXCOにて開催された、SIGGRAPH ASIA 2022に、クリエイティブテクノロジー・ゾーンの学びの一例として、大島登志一研究室より学生5名・望月茂徳研究室より2名が参加、研究発表を行い、学部での学びを発信してきました。

映像学部には5ゾーン(映画芸術/ゲーム・エンターテインメント/クリエイティブ・テクノロジー/映像マネジメント/社会映像)があります。本取り組みは、「クリエイティブ・テクノロジー」ゾーンに関する取組です。

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【(左上から)望月茂徳准教授、酒井ちひろさん(学部3回生)、室井克仁さん(学部3回生)、岡田久奈さん(学部3回生)、山口勇士さん(学部3回生)、(左下から)北山玲奈さん(大学院1回生)、松井才奈さん(学部3回生)、渡邊朱莉さん(学部4回生)】
毎年学生を引率し参加されている大島登志一教授は、学部長業務との兼ね合いで今回不参加となったことをとても残念がっていました・・・
※撮影時のみ一時的にマスクを外して撮影しております。

SIGGRAPH ASIAは、最新のデジタル映像やインタラクション技術に関するアジア最大の国際カンファレンス&展示会です。コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術の分野で8,000人以上の技術専門家が参加されます。
2021年は東京の東京国際フォーラムで開催され、2022年は韓国・大邱で開催となりました。今回も昨年度に引き続き、オンサイト会場とオンラインによるハイブリッドでの開催となりました。
★2021年度の記事はこちら

映像学部では、新型コロナウイルス感染防止対策をしオンサイト会場で発表を行いました。
久しぶりの海外渡航、ワクワクしながら向かいました。
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【久しぶりの関西空港!】

会期中は、最先端の映像テクノロジーの発表、デバイスやソフトウェアの企業展示、テクノロジー・アートの展示、国際会議や特別講義など、多岐にわたるプログラムがあり、高校生から映像の専門家まで幅広い層が来場されました。
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【韓国・大邱市のEXCO会場】

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【クリスマス前ということもあり、会場はイルミネーションで包まれていました!】

映像学部では、研究発表も含めて2014年から継続的にこのカンファレンスで、映像学部の学びについて発信を続けています。今年は、映像学部でブースを出展し、映像学部での様々な学びを発展させた学生の研究発表や作品展示を行いました。

〇映像学部ブース〇
映像学部ブースでは、大島研究室の渡邉朱莉さん(学部4回生)、室井克仁さん(学部3回生)、酒井ちひろさん(学部3回生)、望月研究室の北山玲奈さん(大学院1回生)による研究発表を4件展示し、学生自ら来場者に向けて発表しました。
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3日間を通しては映像学部ブースに約500名をもの方が来られました。今年は、国外での実施であったため、事前に作成した英語のポスターを持参し、英語で丁寧に対応を行っていました。

新型コロナウイルスの影響もあり、なかなか学外で対面での発表機会が少ない中、初めて国外での発表だったため、初めは英語での説明に戸惑う様子もありました。しかし、ブースの前を通りがかった方に積極的に英語で自身の作品をアピールし、大変興味をもたれ、たくさん質問をしてくださいました。
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サポートスタッフとして同行した松井才奈さん(学部3回生)、山口勇士さん(学部3回生)、岡田久奈さん(学部3回生)も、先輩、同級生の研究内容の説明を英語でわかりやすく説明していました。また、同じ研究内容に興味を持つ外国人の方と連絡先を交換し、お友達をたくさん作っていました。
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【先輩の研究を説明中の様子】

今回は、韓国での開催となりましたが、韓国人の方だけではなく世界中からたくさんの方が来場されていました。日頃の研究成果をアジア最大級のコンピュータグラフィックスの学会、研究発表を見に来られたからに触れていただき、自分の研究を実際に体験していただけるとても貴重な経験だったと思います。また、自分の研究に対してブースに来場された研究者の方からアドバイスや新たな提案をもらい、今後の研究の発展にもつながる機会となりました。3日間本当にお疲れ様でした!!
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【VRDrums楽しく体験していただきました!!】

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【主催の公式SNSでも紹介されました!】

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【元気いっぱい!!】

◆今回発表した研究内容について◆
①2022年度渡邉朱莉さんの研究発表
HaptoMap:A visuo-tactile map interface to support geography education
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この研究は、日本地図と力覚デバイスを組み合わせることによって、バーチャルな触覚体感とバーチャル上のデータ学習を体験することができます。国土地理院が公開している3Dプリンタデータと、一般的な地図に使用されている地理データをバーチャル上に取り入れることによって実現しました。体験者が本作品を利用することによって、地理分野における学習単元別の学習から、地図と地理情報の繋がりを意識した関連学習を目指すことができます。


②2022年度室井克仁さんの研究発表
Ultrasonic Levitation DeviceA Prototype of new medium device for aerial visual expression
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この研究は、超音波を出力することができる特殊なスピーカを使い、小さな物体を浮かしています。 この研究に用いている装置は、空気中に定在波を生み出すと、そこに発生した音圧の節が物体を引き寄せ、物体が宙に浮くことができるという作用を用いています。また、超音波がまっすぐ飛ぶという性質を利用し、波を分散させずに、安定した定在波を生み出すことができます。これにより、物が浮くことが可能です。 今後は、この装置を応用して用いて、新たな映像表現の媒体となるための研究を進めてきます。


③2022年度酒井ちひろさんの研究発表
VR DrumsDrums in virtual space by using acceleration sensors
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この研究では、ユーザーが現実世界のドラムスティックを動かすことでCG空間内のドラムセットを叩くことができます。現実世界のドラムスティックには加速度センサが搭載されており、ユーザーがドラムスティックを動かした際の、ロール、ピッチ、ヨーの3方向の傾きをそれぞれ検出できるようになっています。この作品はポータブルなシステムを実現するために敢えてモーションキャプチャは使用せず、加速度センサのみを使用しています。


④2022年度北山玲奈さんの研究発表
SEISHO:An interactive art that expands the experience of reading book
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この研究では、アナログ(紙媒体)とデジタル(映像媒体)を組み合わせた、読書体験の拡張を目的とした試作品を開発しました。その際、読書体験の拡張を以下の二つの方向性に分類して、制作を行いました。一つ目の方向性は、紙の本のページをめくるという、本そのものへの行為に着目したものです。二つ目の方向性は、笹に短冊をつけること、手を振り払うことなどの、本がある空間における行為に着目したものです。
体験者が本のページをめくると、ページに関連した映像が本に投影されるため、紙の本と映像を融合させた読書を楽しむことができます。この試作品では、七夕に基づいた物語を使用しています。

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