国際経済論講義概要(2001年度 2単位)
戦後世界経済は大きな変貌を遂げてきた。ブレトンウッズ体制の下で、世界の貿易量は飛躍的に増加し、多くの国がその利益を享受し、豊かな国が増加してきている。しかし、他方で、依然として貧しい国は多くあり、また、アジアの金融危機に見られように金融システムの不安定性も見られ、国際間の通商摩擦は後を絶たない。本講義では、まず世界経済を概観し、さらに国際経済学の基本を説明し、国際経済・世界経済の理解を深める。
以下のスケジュールに沿って、講義を行う。講義の進展状況等により、内容を変更することもある。
1 グラフと表による世界経済
2 国際収支表と外国為替
3 為替レートと経常収支の決定
4 国際マクロ経済学
5 貿易の理論T(リカードモデル)
6 貿易の理論U(ヘクシャー・オリーンモデル)
7 その他の国際分業論
8 部分均衡モデルと貿易政策
9 世界の貿易体制とWTO
試験問題(合格率(合格者/受験者)は67%)
T次の空欄に語句を入れよ
1.名目GNPの伸びが-2%、GNPデフレーターが、3%下落のとき、実質GNPの伸びは
%である。途上国と先進国では、成長率は 国のほうが高い。また経済成長率と貿易成長率では
国の成長率のほうが高い。
@
みかん農家の付加価値は でありGNPは である。
A
肥料はみかんと外国と交換、容器はジュースと交換すると、みかんの最終消費量は である
3.一人当たりGDP水準(以下gとする)と、gと成長率とは関係が た。この結果、gが小さい国ほど、gの世界との格差は将来縮小することに
。
5.タイの乗数値を2.5、日本の輸入のうち、タイの占める割合を5%、日本のGNPを500兆円、タイを5兆円、日本の限界輸入性向を0.1とし、日本のGNPが2%増加したとき、@日本の輸入は 兆円 Aタイの輸出は 億円 BタイのGNPは % それぞれ増加する
6.(1)国際収支で、外貨準備が100(以下、億ドル)減少し、資本収支が200の黒字のとき、経常収支は の 字である。
(2)日本のサービス収支が 字であるのは、主に を反映したものである。
7 .縦軸に円ドルレート(e円/ドル)、横軸にドルをとる。外国でインフレが進んだとき、需要曲線は に、供給曲線は にシフトし、為替レートは円 になる。将来円高になるとの予想が高まると、資本流 が減少・資本流 が増加し、為替レートは円 になる。
U 次の中から2つ選んで答えよ
1.円高の利益について、述べよ。また円高が国内産業に被害を与えないのはどういう場合か。
2.ブラジルのように対外債務が多いと、貿易収支が黒字になるのはなぜか説明せよ。
3.「日本の資本流出が減少すると世界の利子率が増加し、不況になる」を説明せよ。