新入生および在学生のみなさんへ  今、学生のみなさんに考えてほしいこと~新型コロナウイルスの感染拡大による「緊急事態宣言」の発出を受けて~  2020年4月7日(火)立命館大学 学生部  p2 ~新型コロナウイルスの感染拡大による「緊急事態宣言」の発出を受けて~  新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)は、みなさんご存知のとおりで、世界中で猛威を振るっており、日本も東京をはじめ、大阪、京都といった大都市圏でも日に日に感染者が増えています。  この状況下、学生のみなさんは危機感を持ち、健康面等に気を配り、生活をされていることと思います。  しかし、感染拡大により、外出の自粛要請など行動面での制約が増えつつあること、また、マスクや一部の生活必需品が品薄の状況であることなどの要因もあり、不安やストレスが高まっているのも事実です。  気をつけて生活をしていても、不安やストレスにより、様々な感情や欲求が作用して、無意識のうちに普段と違った行動をしてしまうこともあるでしょう。  でも、今は適切な手段でのストレスの低減について考えてみてください。  緊急事態宣言の発出地域外であっても危機感を持って行動しなければならないことは同じです。(校正者注:「緊急~おなじです。」赤字)ここでひとり一人が自覚を持った行動をしないと手遅れになる可能性があります。  みなさんに、これからも自覚を持った行動・姿勢を維持して欲しい(校正者注:「これから~欲しい」青字)と思い、この読み物をつくりましたので、ご一読いただければ幸いです。  p3   1.今、世界や日本で起こっている現実  報道であるとおり、昨年12月末に中国の武漢市で感染が確認された新型コロナウイルスは、今も日本を含め海外で感染が拡大中(校正者注:「感染が拡大中」赤字)です。  表省略(校正者注:文章にて説明)  〈4月6日時点〉  国内 感染者数 3,654人(前日比+383人)、死亡者数 73人(前日比+3人)  国外 感染者数 1,133,758人(前日比+82,061人)、死亡者数 62,784人(前日比+5,798人)  グラフ省略「日本の感染者推移」  3月下旬より感染者数急増  国内:3月初300→3月末2,000→4月6日時点3,600人(12倍)  国外:3月初90,000→3月末750,000→4月6日時点1,130,000人(13倍) 世界190以上の国・地域で感染が確認!  最新情報はこちらから確認(厚生労働省ホームページ:mhlw.go.jp)  〈出典〉 図表:厚生労働省HP,WHO公式情報特設ページ掲載の数値に基づき作成  国内数値:厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について(クルーズ船除く)  国外数値:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)WHO公式情報特設ページ     ●3月11日にWHOは新型コロナウィルスを「パンデミック(世界的大流行)」と表明  ●大学でもクラスター(集団)感染が発生している可能性が指摘されている。  p4  2.今、不要不急の行動を控えないといけないワケ  新型コロナの怖さ(校正者注:「怖さ」赤字)は、まだ医学で解明されていない点が多い、ワクチンの開発までにはまだ時間がかかるウイルス(校正者注:「ウィルス」赤字)であることです。 『感染経路が明らかでない患者が増えていること、無症状の感染者がいることも感染拡大する要因に!』  〈現在、分かっている点〉  ●飛沫(ひまつ)と接触により、ウイルスを口や鼻から吸い込んで感染する。  ●潜伏期間は1~14日、一度、治まっても再度陽性になるケースもある。  ●感染時の症状は「咳」、「のどの痛み」、「発熱」、「倦怠感」、「息苦しさ」、「味覚・嗅覚障害」など一方で無症状のケースも多い。(校正者注:「無症状~多い」赤字)  ●若年層(持病なし)の感染や死亡も報告されている。(校正者注:「若年層~死亡」赤字)  ●高齢者や基礎疾患がある場合は重症化しやすい。  ●新しいウイルスのため世界中の人に免疫がなく、すべての人が感染する可能性がある。(校正者注:「新しい~可能性がある」赤字)    〈感染しやすい状況〉  ①喚起の悪い密閉空間  ②多数が集まる密集場所  ③間近で会話や発生をする密接場面  「3つの条件がそろう場所がクラスター(集団)発生のリスクが高い!」  ※3つの条件のほか、共同で使う物品(校正者注:「共同で使う物品」太字)には消毒などを行ってください。  〈出典〉厚生労働省HPなど  『3密を避ける、不要不急の行動を控えるなど、節度のある行動が国民に求められており、大学生もその例外ではありません。』    p5  3.非常時に問われる「姿勢」、「思考」とは?  新型コロナウイルスは未知な部分が多いですが、一般市民から芸能人やスポーツ選手などの著名人まで幅広く感染している事実があることより、日常生活の中で誰もが感染する可能性(校正者注:「感染する可能性」赤字)があります。  「他人事ではなく、自分事である(校正者注:「自分事」赤字、下線)」と認識することが、まずは求められます。  そのうえで、自分の安全・健康(校正者注:「自分の安全・健康」赤字)はもちろん、他者(校正者注:「他者」赤字)(家族・友人だけではなく、知らない人)への影響(校正者注:「への影響」赤字)も考えた適切で配慮のある行動をとる必要があります。  その行動を起こすために問われる「姿勢」、「思考」とは何か?(校正者注:「姿勢」青字、「思考」紫色)  まずは以下のケースの場合、どんな行動を取るべきか、考えてみてください。  【ケース】  A君の家には祖父・祖母と基礎疾患のある親がいます。新型コロナウイルスの怖さは報道を通じて、なんとなく分かっていますが、自分は若いので感染しないと思い込んでいます。  そんな中、オフ会(密閉空間で不特定多数の人が参加)の案内が来たので、参加することにしました。後ろめたい気持ちはあるので家族には内緒にしています。  このオフ会に行ったら、どんなトラブルが生じる可能性があるのか想像してください。(校正者注:「どんな~してください。」赤字)  p6  考えられるトラブルについて(一例)  オフ会に感染者がいた場合、  ●A君も感染する危険がある。(校正者注:「感染する危険」赤字)  ●A君が感染した場合、他者に感染させる可能性がある。(校正者注:「他者に~がある」赤字)→祖父母や基礎疾患のある親は重篤な肺炎を起こすことで死に至る可能性もある。  ●無症状でかつ家族にも感染が無かった場合、これからも外に出歩いて、感染拡大させてしまうことも考えられる。  それ以外にも…  ●SNS上での不適切な攻撃の対象となる可能性がある。  ●自らが不適切なSNS発言に加担してしまうこともある。などなど  『その代償は、想像をはるかに超える大きなものになることも…』  何事もなく済めば、この場だけは乗り越えられるかもしれませんが、これからの長い人生、様々な環境変化や新たな試練と共存しながら生活しなければなりません。(校正者注:「長い人生~共存」青字)トラブル回避のため、今のうちに身につけていただきたい「姿勢」や「思考」があります。  p7  トラブルや危険を回避するための「姿勢」と「思考」  図省略(校正者注:文章にて以下、説明)  「最低限の知識(正しい知識、法律、情勢理解など)」「先を読む(予測、洞察力、展開力など)」「自律性を持つ(自分をコントロールする)」を三角形で結び、中心に「適切な行動」とある。図の右横に「人生のあらゆる場面で必要となる3つの要素!」と記載がある。  (出典:立命館大学TIPS ON CAMPUS LIFE FOR STUDENTS 2020)http://www.ritsumei.ac.jp/infostudents/campus-diary/  『これらの「姿勢」、「思考」は、人生のあらゆる場面で必要であるため社会で逞しく生きる力に繋がります。』  p8  知識・先読み・自律性の関係性(解説)  (例)新型コロナウイルスの感染拡大している中、なぜ、オフ会に行ってしまうのか?  行為(校正者注:「行為」にハイライト):不要不急の外出の自粛要請が出ている中、オフ会に参加  ↓  心理・認識:危険な状況であることは(何となく)分かっている。  知識:  ・密閉空間、密集場所、密接場所は避けるなどの予防行動。  ・若年層に感染が拡がっている。  ・高齢者・基礎疾患がある場合は、重症化しやすい。  ↓  それでも、なぜ行ってしまうのか?(校正者注:「それでも~しまうのか?」ハイライト)  (欲求・感情)  ・仲間とオフ会で騒ぎたい。  ・世間は「コロナ・コロナ」と自粛ムードであり、ストレスが溜まる(発散したい)  (都合の良い考えも作用)  「マスクをしていれば密閉空間でも大丈夫」、「親にはバレないだろう」  「一度、何事も起きなかったことを経験すると、大事に至るまで、繰り返し同じような行動をとってしまう」  「自分は大丈夫」といった楽観的で根拠のない発想。  「みんなもやっている」といった思い込み。  『誰しも、欲求や気分・感情があるが、どうやって、それらをコントロールするのか?』  p9  自律性を高めるために…  オフ会に参加すると…   ↓  先読み部分〈想像力、洞察力〉  ●自分が感染するかも。  ●自分が感染し、家族を感染させた場合、将来に亘って後悔する。  ●常識を疑われ、自分の周囲の無関係の人まで、そのように見られるかも。  ●不適切な行動ということでSNS上で炎上・誹謗中傷を受けるかも。  ↓では、先読みができても、欲求・感情をコントロールするためには何が必要となるのか?  自律性〈効果的と思える手立て〉  ①他者の意見を聞く、自分が納得するまで他者と議論する。→自分の考えを客観視(校正者注:「自分の~客観視」下線)  ②感染した場合の物的・精神的ダメージなどの損失等を計る。→行為の代償を具体化(校正者注:「行為の~具体化」下線)  ③今回のタイミングでオフ会に参加することについて、他者への影響やそもそも正しい行為なのかどうかを考える。→道徳、倫理的側面を検証(校正者注:「道徳~検証」下線)  『それでも目先の欲求を満たしますか?』  p10  挿絵省略  知識・先読み姿勢・自律性を持つことはあらゆるリスク対策につながる    p11  4.感染拡大は我々の生活に深く関わっています  新型コロナウイルスは誰もが罹患する可能性があること、また、感染拡大により、我々の生活にも大きな影響を与えますので、この観点からも「自分事」(校正者注:「自分事」赤字)と捉える必要があります。  図省略  感染拡大は我々の生活に密接につながっています。  ゆえに新型コロナウイルスを早く終息させ、日常生活を正常に戻すために、大学生も含めた市民一人ひとりの自覚と責任ある行動が求められます。  p12  5.最後に  緊急事態宣言は、その発出地域外が無警戒でよいということを意味してるわけではありません。どこにいても自律的行動を心掛けることが重要です。  新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、日常生活における行動に制限がかかって、不自由さを感じていることと思います。  慎重過ぎて、ガチガチになることも、これまた心身の健康上、よくありません。  3密に留意して、マスクの着用や手洗いの励行、換気の徹底をしつつ、正しい知識、情報を得ながら自分なりのリラックスできる方法を考え、実践してみてください。  世界中の危機的な状況と個人の日常生活が制約されている状況ゆえに、気づかされること、新たな学びを得ることもあると思います。自分を見つめなおしたり、将来の展望を思索することも含め、これまで出来なかったことに挑戦してみてはいかがでしょうか?  p13  〈その他、気を付けてほしいこと〉  1.学外団体からの勧誘に気をつけましょう!  社会情勢が不安定な中、人の心の不安が増している状況を逆手にとって、勧誘をしてくる学外の団体がいます。 「カルト集団」、「悪質商法(ねずみ講、マルチまがい行為)」、「ブラックバイト」などのほか、その他、本学の承認を得ていない「ブラックサークル」などが該当します。  一度入会してしまうと、容易に退会できない性質を有していますので、このような危険な勧誘には十分気を付けてください。  ※詳細は「立命館大学TIPS ON CAMPUS LIFE FOR STUDENTS 2020」をご覧ください。http://www.ritsumei.ac.jp/infostudents/campus-diary/  2.フェイクニュースに注意をしましょう!  新型コロナウイルスをめぐるデマやフェイクニュースがSNS等で出回っています。  これらを鵜呑みにせず、信頼できる情報の収集や適切な行動に心がけてください。  常に正しい情報、最新の情報に耳を傾けましょう。  p14  6.参考になるホームページ  厚生労働省新型コロナウィルス感染症について https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html  WHOコロナウィルス特設ページhttps://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019  世界の感染状況マップ(WHO)https://experience.arcgis.com/experience/685d0ace521648f8a5beeeee1b9125cd  日本の感染状況マップ(厚生労働省)https://mhlw-gis.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/c2ac63d9dd05406dab7407b5053d108e  以下の症状に当てはまった場合は各都道府県の帰国者・接触者相談センターへ  (1)風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。(校正者注:「4日以上続いている」下線)(解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)  (2)強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html  新型コロナウイルスに感染している、または感染の疑いがあると言われたら、すみやかに大学(学部・研究科事務室、学びステーション、学生オフィスなど)にもご連絡ください。http://www.ritsumei.ac.jp/inquiry/