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【SSH】オーストラリアで行われたサイエンスフェアで本校生徒が月と火星の模擬土壌を使用した実験結果を発表

2021.09.07

8月30日(月)〜9月3日(金)の5日間、オーストラリアのAustralian Science and Mathematics School(ASMS) で行われたInternational Science Fair(ISF)に本校高校2年SSGクラスの生徒5名が参加しました。

ASMSはオーストラリアの科学校の一つで、本校が最も古くから交流を続けている学校です。2004年にASMSで初めて行われたISFに参加して以来、2019年までISFへ参加したり、本校主催のJSSFに招待したりして友好を深めてきました。ASMSは非常にユニークなカリキュラムをもつ科学校で、特にChallenge Based Leaning(CBL)と呼ばれる問題解決型学習において革新的な教育を行っています。

昨年度はコロナ禍により中止されたASMSのISFでしたが、17回目となる今年度はハイブリッドで行われ、現地(ASMS)で実施しているISFに海外校がオンラインで参加するという形で実施されました。

初日のオープニングセレモニーの後に、今年度のChallenge Based Learning (CBL)の説明が行われ、参加した分科会のテーマに沿って各自が自由に設定したトピックに基づいて調査・実験を行い、4日後に成果を発表するというミッションが与えられました。本校の生徒5人はAstronomy(天文学)のCBLに参加し、本校に火星と月の模擬土壌があったことから、これらの模擬土壌を使用した2つの実験を行うことにしました。1つは二種類の土壌と水及び、過酸化水素水との反応を調べました。その結果、火星よりも月の土壌の方が反応性がよいことを確認しました。もう一つは大腸菌の増殖抑制効果を見ました。結果、月の模擬土壌のみ大腸菌の増殖抑制が見られました。文献調査から、月の模擬土壌には酸化チタンが多く含まれていることが分かったため、その酸化チタンの光触媒効果によって大腸菌の増殖が抑制されたと考えられます。

最終日にはグループでその成果の発表を行いました。オーストラリアや海外のチームも天文学に関わる内容で興味深いリサーチを行っており、宇宙食、宇宙の法律、火星のローバーなど、様々なトピックの発表を聞き、同じテーマをもとにそれぞれが深めた内容を共有する興味深い時間となりました。参加した生徒は「今回のASMSでは短期間で結果のでる実験を先生方のアドバイスの下で計画、実験、発表を行ったことが私にとって一番印象的でした。テーマ設定を初めとして、実験では慣れない論文を読んだり、観察を行ったりして結果があまり上手く現れなくても、なんとか考察まで出来たときはとても達成感がありました。最後まで時間が足りなかったけれどプレゼンまでしっかり出来て良い経験になりました。また、海外の高校生のプレゼンを聴いていて、自分達と似たような実験をしていたり興味がある分野の研究があったりしたので、これからの研究にも生かしていきたいと思います。」と述べるなど、今後に繋がる非常によい経験になりました。

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