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高校1~3年生 シンガポール・グローバルシチズンシップ研修を実施しました

2022.08.23

グローバル教育

高校1~3年生 シンガポール・グローバルシチズンシップ研修を実施しました


 8月16日から21日の6日間、高校1年生から3年生までの17名がシンガポール・グローバルシチズンシップ研修に参加しました。グローバルシチズンシップとは、一国民として自国の都合のみで物事を考えるのではなく、常に地球社会の一員として広い視野で物事を捉える”グローカル”な概念があります。この研修を通して、自分の行動が身近な地域から地球規模の環境にまで影響を及ぼすことを認識し、グローバル社会に必要な知識・能力・資質を養うことを目的として実施しました。特に、シンガポール実地研修を最大限に活かし、「他民族国家の歴史と文化」「グローバルシチズンシップ」「サステナビリティ」「スマートネーション」についての学びを深めました。
 研修1日目は、午前中シンガポール国立大学にて、シンガポールの歴史と文化に関する講義やディスカッションがオールイングリッシュで行われ、午後は午前中に学んだトピックに関して実際に自分の五感を用いて学ぶフィールドワークを行いました。アラブ人街、中華街、インド人街を訪問し、一人ひとりが日本とは違う他民族国家を肌で感じ、興味を持って感想を述べてくれました。
2日目は、前日に引き続き、シンガポール国立大学にてグローバリゼーションとは何か?またそれは世界、私たちの生活にとってどのような意味をもたらしているのかについて、学びました。現地の方による講義は、普段の授業と一味違い、ワークに熱心に取り組む姿が見られました。午後は、シティギャラリーにて国土も資源も少ないシンガポールが如何に発展をしてきたのかについて体験型展示で学びました。その後、マリーナ地区を散策をしました。小さな貿易港からスタートし、たった57年という期間で世界屈指の先進的なメトロポリスへと成長を遂げた国は、世界を見渡しても他に例がないということを実感できたようです。また、Green & Clean政策、水資源、エネルギー、廃棄、コミュニティーづくりに関する取り組みに、生徒たちの興味関心は大いに喚起されていたようです。
現地研修3日目となる19日は、地球温暖化とシンガポールのサステナビリティ、住宅事情について学びました。午前中は、再び英語でのレクチャーを受けた後、午後はフィールドワークとして、複合施設(住宅、商業施設、病院、交通が一体化した複合施設)やHDB(公団住宅)ギャラリーを見学しました。3日目となると、日本では見られないシンガポールの政策や特徴的な環境に随分詳しくなって来、メモをたくさん取り始めたり、生徒自ら現地の方やガイドさんに質問をする生徒が増えました。英語で質問をする生徒も複数いました。
そして最終日は、国家戦略として「スマートネーション構想」を打ち出すシンガポールの世界最先端のデータ利活用について、学びを深めました。行政手続きがデジタル化しているのは言うまでもなく、水資源・廃棄物・食料問題などにまでデータ活用の波が及んでいることに、生徒達は大変驚いていました。午後は、スマートキッズと呼ばれるシンガポールの学生と共に、班別行動学習を行いました。海と貯水池を結ぶダム施設であるマリーナ・バラージにて、シンガポールの水資源などの環境施策について学んだ後、班ごとにガーデンズ・バイ・ザ・ベイを訪問しました。環境サステナビリティーを考えて設計された植物園を体験すると共に、現地学生に様々な質問をしたり、英語でコミュニケーションを図ることができたようです。
コロナ後初の海外研修で存分に現地でしか学べないことを吸収した生徒達は、これからの学校生活でこの研修での学びを大いに活かし、グローバルシチズンとして大きく成長してくれることでしょう。

【生徒感想より】
この研修で、両手では数えきれないほど沢山の学びを得ることができました。英語での講義や、シンガポールの生活や政策等について、ネットでは得られない様なお話や物を見る事ができ、すごく興味深かったです。ここで得た経験は、必ず私の今後に良い意味で影響が与えられていくと思うし、活用していきたいです。例えば、シンガポールと日本の様々な違いについて、実際に見た視点からもっと比較したり、似ている所を見つけたいと思いました。そこから、日本でも真似できる様なシンガポールの物事を探していければ、と考えています。

今回、シンガポールの都市や政策を見るときに、「日本ならばどうするのか?」「京都なたばどうするのか」ということをよく注意して見ていました。そして、感じたことは、日本はまだシンガポールのレベルには工夫次第で追いつけるのではないかということです。しかし、ぼーっとしているとすぐに追いつけなくなるなとも感じました。今後今回学んだことをこれからの世界の未来と考え、「シンガポールならどうするか」の視点を持って、課題に取り組んでいきたいと思います。

私はシンガポールの、スマートネーションにとても興味を持ちました。講義や、見せて頂いた映像から、シンガポールでは日本よりももっと、ネットなどの情報やテクノロジーを沢山駆使し、生活をより良くしようとしていると感じました。日本でも自動運転など様々なテクノロジーが発達してきていますが、シンガポールのように、どんどん進化することが出来るといいなと思います。この研修に参加しなければ、その様なことを考える機会は無かったと思うので、とても良い経験になりました。

サステナビリティが凄く魅力的でした。
シンガポールは日本より小さい島国であることから、環境変化に対する危機感が日本と全然違うように感じて学ぶべきところだなと感じた。

どれも生きていくのに大切なものであって、特に、多民族共生の互いの民族を認め合い、共存するというポリシーやグローバルシチズンシップでのシンガポールの発展の歴史での学びは人と共通しているものも多いと感じました。国家間だけでなく、世界の一員として必要なこともたくさん学びました。

日本も日本人だけでなく、中国の人や韓国の人、アメリカの人など海外からきた人や在日の人もいます。また、少子高齢化を迎える日本にとって多民族共生は絶対に避けられないと思います。シンガポールは四つの人種が入り混じる中、政府が積極的な交流を進めることで多民族共生を図っています。僕はシンガポールの政策から学んでいくべきだと思っています。これを進めることにより日本も人口を増やしていくことができ、国力を上げることができると考えました。

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