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【SSH】第1回 国際共同研究発表会(ICRF)をオンラインで開催しました。

2023.02.28

 1月28日(土)午後、本校主催で、第1回International Collaborative Research Fair (ICRF2023)を開催しました。立命館高校では、SSH第Ⅴ期先導的改革型の事業の一つとして、異なる国の高校生が共通のテーマで協力しながら課題研究を行う国際共同研究を推進しています。本校では2005年にアメリカ、イギリス、中国の高校と初めて国際共同研究を行い、その後、台湾、タイ、シンガポール、カナダなど、様々な国の交流校と共同研究を実施してきました。この経験とネットワークを国内の多くの高校生にも提供したいと、昨年度から国内校と海外校をマッチングして国際共同研究機会を提供してきており、今年度はその成果発表会として、第1回目となるICRFをオンラインで開催しました。

4月に参加校・参加生徒を募集、5月に第1回学習会を行いました。海外7カ国17校、国内15校から107名の高校生が参加してくれることになりました。その後、海外校とのマッチングを行い16のテーマでの共同研究が開始されました。6月に全体ミーティング、9月に第2回学習会、そして1月に最終発表会として実施しました。これらすべてのことをオンラインで実施することによって、従来よりも簡単に海外校との共同研究を実施できることを重視しました。
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 1月28日の成果発表会は12時から17時までの5時間で実施し、150名を超える生徒と教員が参加しました。今年度、一緒に進めてきた16テーマ以外にも、発表会への参加を広報しました。1チームだけ参加校が加わり、17テーマでの発表会となりました。最初に、大阪大学大学院生命機能研究科の倉橋隆先生、竹内裕子先生より、世界規模での研究活動に関しての講義をしていただき、その中では、先生方の最新の研究成果も紹介していただきました。続いて17テーマの研究発表を3つの分科会で実施しました。国を超えたチームのメンバー同士がオンラインで協力して研究成果を発表しました。各10分間の発表の後に、10分間の質疑応答の時間を設けました。参加者同士の質疑応答に加えて、大学や海外高校の先生方にコメンテーターをお願いし、専門的な見地からの有益なアドバイスをいただくことができました。発表が終わって緊張が溶けた後は、和やかな雰囲気の中、ブレイクアウトセッションで参加者同士の交流企画を行いました。7カ月間共同研究に取り組んできた仲間同士、チームの垣根を超えた交流が多く生まれました。

 立命館高校では、以下のことを目的とし、国際的なリーダーの育成を目指して国際共同研究に取り組んでいます。
  • 幅広い視野と高い視点から、目的や方法を議論する
  • 英語でコミュニケーションを取る
  • お互いの役割を分担したり、意見の違いを共有したりする調整力を高める
  • 将来に向けて、国境を意識しない仲間作り
 より多くの高校生が、高校時代に国際共同研究を経験し、「国を超えて協力することの重要性」を感じ、将来の活躍の場を広げてほしいと願い、本校では今後も国際共同研究を推進していく予定です。
 
ICRF2023公式HP:
https://icrf2023.icr-project.com/

【参加海外生の感想】
  •  I've never worked with a foreigner before, and I've never had friends from other countries, so I've learned how to cooperate and communicate with people especially with foreigners, which has improved how well I get along with others. Since English is not my first language and this project requires a lot of English communication, my speaking, listening, writing, and reading skills have greatly increased. (翻訳)今まで海外生と一緒に活動をしたことがなく、海外の友達もいなかったので、特に協力の仕方やコミュニケーションの取り方を学ぶことができました。英語は私の母国語ではないのですが、このプロジェクトでは英語でのコミュニケーションが多いので、話す、聞く、書く、読む、のスキルが大幅に上がりました。
  •  I definitely got to see how researchers really are and what they do because what we see on the surface level is the presentation of the study. Through this experience, I was able to not only get a glimpse but to act as well. With that, I was able to understand research more, how to use the laboratory, conduct tests, and learn more about science.(翻訳)研究者の活動として私たちに普段見えているのは研究成果だけであって、今回の活動で、実際に研究者とはどのようなもので、どのように研究しているのか、ということがわかるようになりました。この活動を通して、研究というものを、垣間見るだけでなく、実際に取り組むことができました。その結果、研究に対する理解が深まり、実験室の使い方や実験の進め方など、科学についてより深く知ることができました。
  •  I became a better researcher. I developed new skills and acquired knowledge especially those that are pivotal to our research. I also learned to be a better communicator to students who aren't fluent in English and Filipino.  (翻訳)私は研究者に向けて成長できました。新しいスキルを身につけ、特に研究にとって極めて重要な知識を得ることができました。また、英語やフィリピン語が流暢でない学生に対して、より良いコミュニケーターになることも学びました。
  •  My experience in participating in ICRF was nothing but happiness and excitement. I got to learn more about science and also about different cultures. I also got to meet the kindest and sweetest people! ICRF is an experience that I will cherish forever. Thank you very much for this opportunity!  (翻訳)ICRFに参加した私の体験は、幸福と興奮以外の何ものでもありませんでした。科学について、そして異文化について、より多くを学ぶことができました。また、とても親切で素敵な人たちにも出会うことができました。ICRFは私にとって一生の思い出になりました。このような機会を与えていただき、本当にありがとうございました。
  •  It was satisfying, exciting and anxious as well. I got to work with many people online, which was difficult but getting over that obstacle was kind of exciting in it's own way. I also got to independently explore topics, which is a learning experience unlike anything else. So overall it was a great experience! (翻訳)この活動は満足が高く、わくわくするもので、そして同時に不安もありました。オンラインで多くの人と活動をすることになり、大変でしたが、その壁を乗り越えることは刺激的でした。また、独自にテーマを掘り下げることもでき、他では得られない学びがありました。素晴らしい経験でした。
【参加国内生の感想】
  • 最初はこんなにも時間をかけて実験をし、調査をし、研究をすることができるわけではないのかと思っていたけれど、終わった今、結果的に自分のためになることをたくさん得ることが無意識のうちにできていたことに気づき、感動している。英語力、人とのコミュニケーションスキル、責任感を持つこと、そして初めて知り合う人との協調する力を得ることができた。また、研究だけではなく、世界に関心のある他の学校の人たちとも他愛のない話を通じて関わることができて、とても貴重な経験をさせてもらい、感謝している。
  • 初めは共同研究は難しいものではないと考えていたのですが,思っていたよりもはるかに,自分の英語が伝わらず,相手の英語も聞き取る事ができませんでした。それでも,何ヶ月か経つとチームメンバーとも徐々に打ち解け,同じ実験をするのが楽しみになりました。「友達」というより「仲間」という感覚のほうが強いかもしれないです。
  • 発言することの重要性というものに気づきました。なれない英語での交流には戸惑う部分もありましたが、ずっと黙っていてはいけないという思いからだんだんと他人任せの心がなくなり、そうなるごとに研究がスムーズにいったことは本当にうれしかったです。
  • 科学の知識や、海外への興味を強く持つことができました。また、私は最初あまり英語が得意ではなかったのですが、このプロジェクトに参加してみることで英語が上達できたと思います。
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