2015年度 高校入学式
4月7日(火)に中学校・高等学校の入学式が挙行されました。
早朝からあいにくの雨のなか、10時から高校が開式となりました。
高校の新入生は348名(男子169名、女子179名)で、コース別ではコアコース281名、MSコース67名という内訳です。
尾崎教頭の開式の辞で始まり、吹奏楽部による校歌吹奏が行われた後、成山治彦校長からは祝辞が贈られました。(長くなりますが、全文をご紹介いたします)。
『2015年度立命館高等学校入学式を挙行いたしましたところ、多数のご来賓のご臨席を賜り、心より感謝申し上げます。長岡京キャンパスに移転をしてまいりまして初めての入学式です。本年度348人の入学生をお迎えました。私たちは皆さんを心より歓迎します。保護者の皆様方におかれましても、さぞかしお喜びのことと存じます。
本校は1905年に「清和普通学校」として創立して以来、本年で創立110周年を迎える伝統ある学校です。創立された1905年は日露戦争が前年から勃発し、1905年の9月5日にポーツマス条約が締結されるまで続きました、世界的にもそれ以降の100年間は、戦争と対立の世紀と呼ばれています。
そして、今から70年前、先の大戦を経て、我が国は多大な犠牲を払って、平和と民主主義を獲得したわけです。そして、戦後一貫して日本国憲法の下で平和と繁栄を享受し、今があるのです。
私たちは、平和な社会のもとで学習ができることの喜びをかみしめ、先人たちの努力に感謝したいと思います。昨年ノーベル平和賞を受賞した17歳のパキスタン人マララさんは、スクールバスで銃撃され重傷を負った自分と同様に、世界には戦火で学びを奪われた子ども、とりわけ女性が何万人もいると訴えて活動をしています。彼女の言葉を紹介します。
「One child, one teacher, one pen and one book can change the world. Education is the only solution. Education First.」
(1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペン、それで世界を変えられます。教育こそがただ一 つの解決策です。教育を第一に)。学びは生きる力であり、喜びなのです。21世紀は、平和と共生の世紀といわれています。環境やエネルギー、飢餓や貧困、感染症など、いずれをとっても世界各国の協力なしに解決できる問題はありません。しかし、残念ながら、現代世界に起こっていることは憎しみと争いの連鎖です。私たち人類は、不幸な連鎖を断ち切って、世界の平和と人類の幸福のために、英知を集めて協働できるかが問われているのです。学問はそのために貢献しなければなりません。
本校は、今年度第4期のSSHに指定されました。全国で25校、私学は本校だけが唯一指定されました。昨年度指定されましたSGH(Super Global High School)の二つの国指定事業を両輪に、グローバルリーダーの育成に向けてさらに高いレベルでの教育を推進していきたいと希望に夢を膨らませています。
グローバルリーダーになるためには、まず世界を知る、そして自分を知る、その上で世界と自分をつなげることが大切です。そのためには、高い英語力と対話力が必要です。人とコミュニケーションをとるということは、自分の意見を押し殺すということではありません。付和雷同では困るのです。周りに左右されず自分の意見を持つ。対話力とは、自分の意見をしっかり持ったうえで、異なる意見の人とも、相手をリスペクトし、違いを尊重しながら一つのことを協働して作り上げていく力のことです。
本校のこのキャンパスは、皆さんのアクティブな学びを育む「未来の学校」です。皆さんは「未来の学校」で「未来の学び」を通じて「未来の担い手」に育ってほしいと願っています。最後に立命館の戦後の中興の祖である末川博名誉総長の言葉を皆さんに贈ります。「未来を信じ、未来に生きる」。未来は皆さん自身の手の中にあるのです。自分を信じて、おおいに自分を磨き、未来に向かって大きく羽ばたいてください。期待しています。
最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、お子様方の夢と希望の実現のために、教職員一 同、全力で努力してまいりますので、どうか本校教育にご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げ ます。
以上をもちまして、式辞といたします。
2015年4月7日
立命館高等学校長 成山 治彦 』
次いで、学園代表の市川正人副総長、そして渡邊学PTA新会長とご挨拶が続きました。渡邊会長は、父親がわが子を励ますように「新しい学び舎で高校生活の挑戦者になってほしい」と述べられました。これに応えて、新入生代表の于さんは落ち着いたしっかりした声で力強く新入生宣誓を行い、式は40分ほどで閉式となりました。
式後に学年団の先生方の紹介がされた後、新入生たちは各担任の誘導でホームルーム教室へ移動し、説明などを聞いた後に保護者と一緒に記念の集合写真を撮りました。
報告;清和会副会長 西田 俊博