在学院生・修了生の声

ゲームコンテンツの
グローバル・プロモーション

謝 幸如

ソーシャルメディアにおけるインディーゲームプロモーション効果に関する研究~グラスルーツ・マーケティングの視点から~

インタビュー映像(英語字幕)


志望動機

グローバルな視点で
ゲームマーケティングが学べる

大学院に進学しようと思った動機は何ですか。

大学時代は、大阪電気通信大学の総合情報学部 デジタルゲーム学科でゲームコンテンツの作成方法を学んでいました。実際に制作したスマートフォン向けゲームを配信してみたところ、ダウンロード数が全然伸びなかったんです。ダウンロードしたユーザーからは高い評価が得られたのですが、一向にダウンロード数は増えない。この現象の背景には何があるのか、たくさんの人にそのゲームコンテンツを楽しんでもらうには何が必要なのか、この経験を通じてまた新たな興味が湧いてきて、ゲームのプロモーションを学ぶために大学院へ進学することにしました。

立命館大学大学院・映像研究科を選んだ理由を教えてください。

ゲーム関連のカリキュラムがある大学院はそもそも少ないのですが、グローバルな視点でゲームマーケティングが学べるのは立命館の映像研究科だけだったのでここを進学先に選びました。また、総合大学で全体的に留学生が多いというのも魅力でした。留学生を積極的に受け入れる姿勢があるということは、グローバルにものを捉える環境があるということですし、留学生と日本人学生、留学生と留学生など国際的なコミュニケーションがとれるのはビジネスを学ぼうとする学生にとっては非常に意義深いものです。映像研究科だけでなく他の学科の学生や先生とも話ができるので、そういった点でもプロモーションを学ぶのに良い環境だと思いました。

研究フロー

「インディー(インディペンデントゲーム)」
というキーワード

入学当初、どのような研究構想をもっていましたか?

ゲームのプロモーションを学びたくて入学しましたが、研究としては初めは「なぜ海賊版が出回ってしまうのか、著作権はどうすれば守れるのか」ということを研究しようと思っていました。ですが、先生から「このテーマでは研究の意味合いが狭まってしまう。レポートの範囲内に収まってしまうから、もう一歩引いてもっと広い視野で眺めてみたら」と指摘されました。自分でも確かにそうだなと気づかされる部分もありましたし、やはりプロモーションに一番興味があったので、プロモーションに関することに研究テーマを変更しました。

その研究構想が深まった背景について教えてください。

先生とディスカッションを重ねる中で「インディー(インディペンデントゲーム)」というキーワードが出てきたのが大きなきっかけです。インディーは、少ない人数・資金で作るゲームコンテンツなのでCMのような大規模なプロモーションは難しく、広げていくには工夫が必要です。それでも数あるゲームの中から突出していく方法を見つけないといけないので、インディーを研究対象にすることでプロモーションにおける真髄が見えてくるのではないかと思います。そして、海外ではインディー開発の事例も多くかなり広まっていますが、日本ではまだ少ないというのがもう1つのポイントです。少しずつ広まりつつあるこのタイミングでインディーのプロモーションを研究するのは、今後の日本のゲーム業界に何か役立つかもしれないと思いました。研究するにあたって不安なこともたくさんありますが、毎週1回以上、研究の進捗やどんなデータが取れているかを主指導の先生と話をする機会が設けられているため、細かに相談できてとても心強いです。副指導の先生も2人ついていただけますし、各授業の先生方にも「この授業で学ぶ内容は、私が行おうとしている研究にどう活かすことができますか?」とアドバイスを求めながら、研究構想を深めてきました。取り組むテーマそのものについてもじっくり多方面から見つめることができるので、どんな研究成果が出せるか楽しみです。

修士制作・論文

役立つ情報はどれか取捨選択する力が
自然と養われる

映像研究科では、「修士論文・修士制作」のどちらかを選択できます。
どちらを選びましたか?

修士論文を選びました。私の研究テーマはビジネス系ですので、データを収集したりその根拠を見つけるなど、「仮説→実験→検証」を繰り返して論文にまとめることがこの研究を形にする最適な方法だと思っています。

修士制作を行う中で、立命館の環境はどのような影響をもたらしましたか?

「CG・ゲームラボ」を利用してゲームを制作したり、実験を行ったりしているのですが、設備がとても充実しているので研究が捗ります。やりたいことがやれる、作りたいものが作れる環境は、研究の深まりにも関わってくると思います。それから、学生1人に対し複数の先生がそれぞれの専門分野の視点から意見をくださるので、研究が広がるだけでなく様々な力を身につけることができます。多くの先生から学べば、得られる情報も多いですし、意見が異なることもあります。そのたくさんの多様な情報の中から、自分が研究する上で役立つ情報はどれか取捨選択する力が自然と養われていき、研究に対する自主性も強まっていくように感じます。これは就職してからでも必ず活きてくる重要な力だと思うので、ここでの学びが研究だけでとどまることなく将来へも繋がっていっていると日々実感しているところです。

将来

ゲームコンテンツをグローバルに展開していく

卒業後は、どのような進路を考えていますか?

ゲーム、映像、広告など、クリエイティブな会社で働きたいと思っています。開発職でもプロモーション職でも、身につけた技術や知識を活かせる仕事に就きたいと思っています。また、中国語・英語・日本語の3ヵ国語のスキルも活用して、ゲームコンテンツのグローバル展開のためのプロモーションがしたいという夢も広がりました。ゲームコンテンツは世界中で親しまれています。クールジャパンの人気もこれからますます高まると思うので、日本のゲームコンテンツを全世界に展開していくようなグローバルな仕事がいつかできたらと思います。

メッセージ

「初心忘るべからず」

受験生へのメッセージをお願いします。

私が日本に留学して最初の先生に教わったのは、「初心忘るべからず」という言葉でした。何のために今まで努力してきたのか、夢を持つことがいかに大切かということを自分に振り返らせてくれる言葉です。これから大学院を目指す皆さんにも、ぜひ心に留めておいてほしいです。自分が研究したいことと、その理由をどんな時も大事にしてください。ここに来れば、先生方があなたのその想いを汲み取ってしっかりとサポートしてくださいます。だから、今はまず何を研究したいかを最優先して、これからの進路を選んでください。

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