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生命科学部・生命科学研究科の学生・院生が第5回CSJ化学フェスタ2015で優秀ポスター発表賞を受賞

1013日(火)~15日(木)にタワーホール船堀(東京)にて開催された「第5CSJ化学フェスタ2015」(主催:日本化学会)で生命科学部応用化学科4回生の坂本果穂さん(高分子材料化学研究室、指導教員:堤治教授)、生命科学研究科応用化学コースの谷安尚さん、内藤和香奈さん(ともに前期課程1回生、超分子創製化学研究室、指導教員:前田大光教授)の3名が「優秀ポスター発表賞」を受賞した。

今回は1,085件の発表に対して1)研究に対して発表者が十分に寄与していること、2)質疑応答に優れていること、3)独自性が認められ今後の発展が期待できることの3つの観点から審査がなされ、204件が選出された。本表彰の受賞者の大部分は大学院生であるが、坂本さんが学部生で本賞を受賞した点は特筆に値する。また、内藤さんは、8月の新学術領域 「高次複合光応答」若手の会(731日~81日 ホテルコスモセンター)における最優秀ポスター賞およびPhotochemical & Photobiological Sciences賞に続く受賞となった。3名の今後のさらなる研究活動が期待される。

 

【研究概要と受賞者のコメント】

・坂本さん

「β-シトロネロールを柔軟鎖とした液晶性キラル金錯体の相転移挙動と発光特性」

「発光」という機能をもつ金錯体に室温付近で液晶性を発現させることを目的としており、シトロネロールとよばれる構造を導入することでそれを達成できました。液晶という性質を利用することで、分子構造を変えることなく発光機能を制御できるため、多機能・高性能材料としての展開が期待できます。

今回ポスター賞を頂くことができ、大変光栄に思うと同時に、非常に驚いています。ご指導頂いている堤先生と山田先生、そして研究室のメンバーに深く感謝しています。この受賞の喜びを忘れず、これからも研究に励みたいと思います。

 

・谷さん
「次元制御型集合体を形成するアニオン応答性π電子の合成」

アニオン(陰イオン)に対して応答性を示すπ電子分子を合成し、その集合化挙動の検証および物性発現をめざして研究を行ってきました。とくに、平面状のアニオン会合体を基軸とした多様な集合体の形成を明らかにし、また分子骨格を種々改変させることによる物性の変調も実現しました。

今回、自分の研究成果を優秀ポスター賞という形で評価していただき、大変光栄に思っております。受賞に際し、ご指導を賜りました前田大光教授ならびにともに研究に取り組んだ研究室の皆様方に心より感謝申し上げます。今回の経験を糧にして、今後もよりいっそう研究に励んでいきたいと思います。

 

・内藤さん
「環状π電子系の内部修飾によるキラリティ誘起」

環状π電子系の内部修飾によるキラリティ(不斉)の発現に挑戦して研究を進めています。さまざまな合成戦略のもと目的分子の合成に成功し、SPring-8(大型放射光施設)での単結晶X線構造解析により、それらの構造を明らかにしました。さらに、光学分割にも成功し、キラル光学特性の発現を実現しました。この研究は合成手法の開拓や新たな物性を明らかにした点で非常に意義があると考えています。

今回、自分の研究成果を優秀ポスター発表賞という形で評価していただき、非常にうれしく思います。今後も、新規骨格を有するπ電子系のさらなる展開を見据えて研究していきたいと思います。今回の受賞対象となった研究を進めるにあたりご指導いただいだ前田大光教授、共同研究者の方々、研究室のメンバーに心から感謝します。

 

    

(左:谷 安尚さん 中央:内藤 和香奈さん 右:坂本 果穂さん)