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生命科学部長表彰の若手教員表彰式が行われました
今回、生命科学部では応用化学科の山下翔平助教と生命情報学科の笠原浩太助教が受賞されました。
応用化学科 山下翔平先生
□日時:2018年3月27日(火)
□場所:リンクスクエア2階演習室2A
【山下先生の表彰された研究内容について】
触媒は、限られた資源やエネルギーを効率的に利用するために必要不可欠な存在です。ニッケル(Ni)触媒はメタンの水蒸気改質反応や二酸化炭素改質反応によって、水素と一酸化炭素の混合ガス(合成ガス)の製造に有用であり工業的に利用されています。この触媒が作用するミクロな世界での化学反応のメカニズムを詳細に理解する事が、将来の触媒開発に対する重要な指針になると考えられ、そのために放射光を利用した触媒研究が進められています。
山下先生は、無機触媒化学研究室に所属し、気相と固相の界面で進行する触媒反応のメカニズムに関するX線吸収微細構造(XAFS)法を用いた基礎研究を進めています。過去2年間では、基本的な反応ガスとして水素や酸素に加え、より実用的な反応ガスとしてメタンや二酸化炭素、一酸化炭素や一酸化窒素などが触媒の働きを担うニッケル粒子上でどのような振る舞い(化学反応)を見せるのかについてのメカニズムを解明し、国内外で発表する事で情報発信に積極的に取り組んできました(国際論文5報、総説1報、国際会議報告4件、国内学会発表25件)。このような活動成果が認められ、今回の受賞となりました。
生命情報学科 笠原浩太先生
□日時:2018年4月24日(火)
□場所:リンクスクエア2F生命科学部教授会室
【笠原先生の表彰された研究内容について】
通常タンパク質はそれぞれ特徴的な形を持っていますが、天然変性領域と呼ばれる特定の形をもたないタンパク質領域の存在が近年明らかになってきています。タンパク質の天然変性領域はリン酸化などのいわゆる翻訳後修飾を受けることが多く、細胞内での機能制御に重要であると考えられています。しかしながら特定の形が無いため、X線結晶構造解析などの方法で解析することができず、どのようなメカニズムで機能しているのかについては不明な点を多く残しています。
笠原先生はがんや自己免疫疾患において重要なタンパク質Ets1が持つ天然変性領域について、リン酸化が遺伝子発現制御を行うメカニズムを、分子シミュレーションによって明らかにしました。過去2年間で、国際論文12報(うち筆頭著者7報、責任著者7報)、著書1冊(チャプターひとつを担当)、国際学会2件、国内学会32件の研究発表を行い、HPCI利用研究課題優秀成果賞を受賞しました。これらの成果が認められ、今回の受賞となりました。
受賞おめでとうございます!!