大塚 陽子

大塚 陽子 教授

大塚 陽子教授

専門分野

福祉政策、ジェンダー論

プロフィール
89年本学文学部卒業後、会社勤務を経て、2つの大学院へ進み('94年, University of Warwick, 文学修士, および'96年, 本学, 国際関係学修士)、その後1年間のデンマーク派遣を経て、'99年本学で博士号(社会学)を取得。さらにDanish National Institute of Social Researchでの2年間の派遣勤務を終え、'03年より現職。
研究・教育
福祉先進国北欧におけるジェンダー問題を国際比較的な視点から研究しています。北欧では高齢者ケアについてはもはや家族の(家庭における女性の)責任では ありませんが、子どもケアに関してはまだジェンダー矛盾を生み出す要素となっています。その原因は「親個人」ではなく「2人親」を単位としたケアサポート 制度にあるのではないかというのが私の仮説です。日・米・デンマーク・韓国におけるシングルマザーの暮らしと福祉政策の比較研究に続き、現在はデンマーク の有子女性介護ヘルパーの抱える課題から、福祉国家と女性との関わりを追究しています。担当科目は「女性政策」「福祉社会論」「Welfare and Gender」「(院)社会福祉政策/Social Welfare Policy」。また、「研究入門フォーラム」ではこれまで3回、学生さんたちとデンマークでの現地調査をおこなってきました。
メッセージ
「福祉」というと社会的弱者を対象とする特別な救済として考えられがちですが、「福祉」とは「幸せ」、すなわち、社会的弱者に限らずひとりひとりの日常的 な幸せの実現を目的するものであり、そのための社会方策を考えるのが福祉政策の研究領域であるといえます。しかし、ひとりひとりの幸せを追求しようとする とニーズもまたさまざまです。福祉には理論よりも実践が重要であるとよくいわれます。福祉政策研究は机上の学問ではありません。ひとりひとりの将来の幸せ に関わる方法を当事者のニーズと直面しながら模索するのです。この2つの要素をうまく組み合わせながら研究を進めてゆけるのが政策科学部で学ぶ醍醐味とい えましょう。皆さんもご存知のように、日本型福祉社会はゆきづまっています。自分が家族をもったとき、高齢者になったとき、どうすれば幸せな生活が送れよ うになるのかを考えてみたい人は是非、政策科学部を覗いてみてください。
キーワード
福祉政策、北欧(デンマーク)、有子家族支援、女性福祉、ジェンダー論