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 立命館大学国際関係学部 校友会 校友会業種別懇談会 #1「コンサルティング業界懇談会」
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(3)コンサルティング業界に入ってみてこんなはずじゃなかったということがあれば
 
萬谷・・
コンサルティング業界に入ってギャップはありましたか?たとえば、格好良さそうだからという理由で入ってみて、内定もらって入ってみたら、こんなはずじゃなかったということがあれば、教えてください。
   
内田・・ 入社直後から「無茶振り」が多い――

この業界、上司や顧客からの無茶な依頼、命令が多いですね。いわゆる無茶振りです。新人研修からそうだったのですが、研修で2日徹夜させられたり、研修はアメリカでやったのですが、アメリカ人60人のクラスに日本人1人放り込まれたり。2日徹夜研修の際は、寝たら飛び降りろと言われ、アメリカン人との研修では、プレゼンテーションも全部英語でさせられましたね。研修が終わってからも、全然専門用語も分かっていないのに、ロンドンから来た人と日本のクライアントとの通訳をしろというのもありましたね。英語の問題に限らず、とにかく、ハードルが高いところにいきなりぶち込まれるシチュエーションが結構多くてですね、そういう無茶振りをこなしながら成長していくということは入社前に聞いていたのですが、ここまでか、と思いました。普通の企業の新入社員に求められるハードルの3倍も5倍もあるようなところがいきなり求められると思います。

   
渡邊・・ コンサルタントによってやり方はバラバラ――

入社前、コンサルティングには、一定の決まったやり方があって、きちんと指示をしてくれる人の下で働くというイメージがあったのですが、人によってずいぶんやり方が違いました。会社では、一応、フレームワークというか、こういうふうにやりましょうというベースはあるのですが、上司によってやり方が違いますね。

   
中野・・ 教育制度が充実していると宣伝していても、実際は自分で学べ。
派閥が強い徒弟社会。会社によっては、技術系への風当たりが強い――

大きく3つのギャップがありましたね。
1つ目は、宣伝文句で謳っているものと実態が違うというのがあります。研修制度、教育制度を充実していますと宣伝していても、実は、教育の箱は作ったからあとは「各自が自分で学べ」なんですね。新人を手取り足とり1から教えていくというような教育方針ではありません。取り組みの積極性を見て、伸びてくる人材を評価する文化がありますね。この点が採用情報からは見えてこない。これが一番大きく感じたギャップ。

2つ目は、実際は徒弟社会だということ。結構派閥が強くて、偉い誰かの下にどこに自分がぶら下がるかで、自分のプロモーション、出世とかも変わってくるという、ちょっと人間臭いドロドロしたものがあります。ひと昔前の職人文化もあるという点が、意外と業界の外に知られていないなと思いました。

3つ目は、会計事務所系の会社特有だと思うのですが、会計を専門にしている者が偉いという文化が強いと思います。私自身はSE・プログラマーを経験し、技術の世界で下からずっと積み上げてきた人間なので、自分の思考や発想が合わず、ぶつかることもありました。

   
森田・・ 日本的な社内文化も――

個人的にギャップがあるかというと、僕個人としてはもっとお金をもらえると思っていました。相対的には高いのでしょうが、言い方は悪いですが、これだけ働いてこれだけかというのは若干あります。

それから、コンサル会社は、もうちょっと洗練されたプロジェクトの組み方をするのかなと思っていました。でも実際は、プロジェクトが終わって、チーム解散となっても、上司は気に入った部下がいれば、次のプロジェクトに連れて行ったり、後々で呼んだりします。もちろん、社内には正式なルートとして、プロジェクト完了後は、一旦人材プールに入れられ、あなたは次はこのプロジェクトねという仕組みはあります。でも、それより先に個人的に気に入った人を呼ぶ動きがある。だからまさに社内営業のようなものが結構重要で、個人的にそういう日本的なものがないと思って外資に入ったのに・・・面倒くさいなという思いがあります。

最後に、最近入社をする人たちが入社後のギャップとして感じているであろうことについて一言。最近、システムをやりたくなかったのにという人が結構います。さらに、最近会った若い社員には、もっと視野が狭い者がいた。「僕はマーケティングがしたくてこの会社に入った。ちょっと配属が違う」と言う。それなら、マーケティング会社に行って欲しい。やりたいことがあるという気持ちは持ち続けながらも、コンサルティング会社はできることがたくさんあるのだから、もうちょっと視野が広くてもいいかなと、そういう感覚を国際関係学部の学生には持ってほしいなと。逆に言うと変にこういうことをしたいと思い込むのではなくて、入ったらこういうこともできるみたいな許容性があるといいですね。

嬉しいギャップも。早く部下を持つことができた――

僕は、割と早いタイミングで部下が持てたというのが嬉しかった。やはり普通の会社だと30とか35にならないと、場合によっちゃ一番下というところが多いようなのですが、僕は2年目の終わりぐらいに1人下がついて、その後すぐにシステム開発ということもあって9人の部下がつきました。これは良い経験になりました。その時は部下とは言っても、役割上、部下というだけで年齢は上の方もいる。35歳など僕よりもずいぶん上の方と一緒に仕事をして、マネージメントを早いタイミングで経験できたのは視野が広がり良かったと思います。嬉しいギャップでしたね。

   
中野・・ チームを持つことで、自分が成長する――

私も早いタイミングでチームを持ちました。チームを持つことでで、そういうポジションを与えられることで自身が成長をする機会になると思うんですね。この業界は、早くチームを持つことを経験させる、これが、この業界の人材育成のスピードの速さにつながっていると思いますね。

 
 
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