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 立命館大学国際関係学部 校友会 校友会業種別懇談会 #1「コンサルティング業界懇談会」
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(4)お勧めの本は
 
萬谷・・
今、巷では、ビジネスものの本がたくさん出版されていますがお勧めの本をぜひ教えてください。学生時代に読むべき本、もしくは、今自分が一番はまっている本、そのどちらか、あるいは両方をぜひ参考に教えてください。
   
中野・・ 学生時代に読んでおくべき本は、「女子大生会計士の事件簿」
「ザ・ゴール」。今持っている本は、「真田太平記」

「女子大生会計士の事件簿」は、ビジネス本の入口にしては非常に軟らかい、読みやすいと思います。それから「ザ・ゴール」はサプライチェーンやスループット会計の概念を分かりやすく読むことができます。

今は、「真田太平記」を再読しています。歴史小説や経済小説が好きで、組織の中でどう振る舞って、どのように仕事をしていないといけないのかというのを小説の中から取り入れています。この業界は、お客様が今まで自組織で解決できなかったことを支援するというサービス業で、チームで仕事をしています。ですから当然、チームや組織の枠を超えた勝手な仕事をしてはいけない、そういうお作法的なところは経済小説から学ぶことができると思います。僕はNHKドラマの「ハゲタカ」も大好きで、映画も見に行きましたし、DVDも買いました。原作の小説も持っています。

   
内田・・ あえてビジネス本は読まなくていい。
司馬遼太郎の「龍馬がゆく」はコンサルタント・マインドの参考になる――

僕はあえてビジネス本は読まなくていいと思います。社会に入ってからじゃないと書いてあることが分からないと思いますし、学生のうちは学生にしか読めない本を読んで欲しい。コンサルタントになってからは、ビジネス本しか読む機会がなくなってきているので、むしろ小説であったりとか、オーソドックスにいうと村上春樹とかああいうジャンルの普通の本、あるいはお勧めしたいところで言うと、司馬遼太郎の「龍馬がゆく」。明治維新とか世の中を変えるというマインドを持った人がどういうふうに動いていったかということが分かるような本がいいと思います。やはりコンサルタントというのは、みんな方向性は違えど、何かを変えてやろうと、今の現状を良いものに変えていこうというマインドを持ってやっているので、明治維新の原動力となった人たちの小説は参考になる。

最近読んでいるのもやはり歴史本。戦争ものをよく読みますね。組織論ってよく戦争論に例えられる部分があるんですが、そういうのに例えばある戦争があったとして、それを自分の組織に当てはめたらどうだろうとか、そういうのを考えながら読んでいます。

   
渡邊・・ 学生に勧めるのは「夢をかなえるゾウ」
今は「旅行のパンフレット」はまっています――

「夢をかなえるゾウ」って話題になりましたよね。あれがいいのかなと思います。例えば会社から帰ったときに毎日靴のお手入れをしましょうということを目標にするとするじゃないですか。それをいきなりやろうとすると絶対に難しいので、まず会社からうちに帰ったら、まず靴を脱ぎっぱなしにするのではなくて、方向を揃えておきましょうということから始めれば良いと書いてある。現状に対してこうしたいと思っていることは、たくさんあると思うのですが、じゃあ、いきなりそこを目指そうとすると大変ですよね。理想形のことをするとなると大変なので、一歩一歩やっていくので十分なんだよということ認識できる。実際に仕事するときにも現状に対して理想像を持ってやっていくんだけど、いろんなステップを踏んでいくので、そういうのを考える上でもこの本は、良いのかなと思いました。

今読んでいる本は、旅行のパンフレットですかね。病んでいるわけじゃないですよ。この業界、どうしても時間は無いじゃないですか。40日の休みは取れないし、いろんなところを回れないじゃないですか。だから、せめて日本を47都道府県ちゃんと回りたいなと。それで、日本の旅行のやつを読んでいます、最近。

   
森田・・ 「V字回復の経営」はお勧め
娯楽として、本を読むことも大切――

お勧めのひとつはコンサルタントって言う意味では、三枝正の「V字回復の経営」。コンサルティング業界に携わっている人はみんな良いって言うと思います。何が良いのかと言うと、ザ・コンサルみたいな、仕事の仕方のハウツーとか、実際のプロジェクトの問題とかやり方とかがある種、きれいに書かれているんです。コンサルタントって、実際はそんなに格好よくないんですよ。コンサルが肌身に感じられる。読む人によって感じ方は違うんですが、結構これは面白いかなと

後は全体的に小説が好きで、娯楽としてですが、良く読みます。息抜きの一つですね。有名所では、村上春樹、ミステリーも好きなので、森博嗣とか京極夏彦とか、そういうところを読んでいたりするのですが、そういう自分の志向性をもっておくと良いかなと。コンサルって発想することが仕事だったりするので、ひらめきが重要だったりします。僕は結構発想力とか妄想力とかないので悲しいのですが、娯楽だけれども、こういう視点ってあるんだとかという気づきを得られる。そういうセンスを磨くためにインプットを如何に増やすかが大切なので、娯楽とかから集めるのも良いんじゃないかなと思います。

   
中野・・ コンサルタントとしては、過去のコンサルティング事例も読んでおかないといけない――

コンサルティング会社というのはいろいろな過去の実績があって、それをコンサルタントは皆が共有していることが求められる。同業他社ではどうだったのかということをお客様はすごく気にされるので、他社事例を頭に入れておかないといけない。特定できない範囲でノウハウだとかヒントになるような情報をお客様に提供することも僕らのサービスで、大事な要素ですね。

   
森田・・ 日本のお客様ってすごく他社を気にする。
過去の事例は商売道具――

私も社内に「knowledge exchange system」という過去のコンサルタント事例集があって、今はそれを読むことが一番多いです。過去事例を調べて、こんなのがあるとインプットすることが一番多いですね。これがあれば、アイディアをゼロから出さなくていい。いくつかそのプロジェクトなりお客様によって変えなくてはいけないですが、発想とかこういう進め方をすればいいんだとかいうヒントをもらえます。商売道具ですね。日本のお客様ってすごく他社を気にするんですね。競合他社がやってれば危機感が強まるようで。競合とは違ったことをやろうとする海外のお客様とは違った視点で過去事例のインプットが必要ですね。

 
 
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