松本:最後に、今後の外交官としての夢を聞かせてください。
先人が築き上げてきたものを一歩でも前進させたい
岩田:少なくとも今まで日本が、あるいは外務省、先輩の外交官たちが築き上げたものかもしれないし、日本の他の人達が築き上げたのかもしれないけれども、今ある日本の資産というものを取り崩したくはないですね。最低でもそういった遺産を現行維持したいし、できれば現状維持から一歩でも前進させることができたら、それで自分の(外交官としての)使命はかなり果たせるのではないかと考えています。
この人がいたからこういう仕事ができたという、そういう仕事ができれば
多久島:今は、ミャンマー担当を離れて、開発援助の保健分野で、4年目の仕事をしています。自分の専門性、外務省の中での専門性とかを生かして、この人がいたからこういう仕事ができたと言われるようになればいいなと思うのと、あと仕事だけではない、やっぱり総合的な人間的な魅力のある人になりたいです。
日本を他の国に負けない国に
吉永:日本のあり方という観点から言うと、日本という国はアイデンティティーがいまいち確立していないと思うし、やっぱりちょっと芯がないと思うんですね。日本がもっとしっかりした国になってほしいなと。要は他の国に負けないでほしいなと、飲み込まれたりしないでほしいなというふうに思います。そこは危機感を持って仕事をしています。
歴史をつくっていくというマインドを忘れずに
井上:非常に大きな話をすると、我々の仕事というのは歴史をつくっていく仕事です。日本の総理大臣が相手国の大統領や首相と会談して文書に署名するのはもちろん非常に大きな仕事ですけれども、日々の相手国政府とのやりとりや情報収集なども歴史の小さなピースだと思います。実際我々一人一人の職員が扱う情報というのは、相手国で何が起きているのか、相手国が何を考えているかの判断材料になります。大きな意味で歴史をつくるというマインドは忘れずに仕事を続けていきたいと思っています。
日本の外交官として胸を張って、どこの国でも赴任していけるような能力を身につけたい
甲藤:外交官という職業は、非常に高いものを求められるところがあると思うので、そういう期待にこたえられるように自分の能力を高めていきたい。日本の外交官として胸を張って、どこの国でも赴任していけるような能力を身につけたいと思います。
それから、今後の夢と言われると、外務省退官後は何となく、教育に携わりたいというのはありますね。自分の外交官としての経験を伝えることができたらいいなとは思っています。
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