織田:日本のメーカーは今、厳しい状況に置かれているように思います。ある本で、日本製の良さを外国に押しつけるのではなく、各国にローカライズしていく必要があると読んだのですが、皆さんは今後日本のメーカーが世界で生き残っていくためには何が必要だと考えられますか。
コア技術を守ればまだまだ世界で戦える
福島:今までのようにすべてを日本製にしようとすれば、確実に世界のスタンダードからはずれてしまうでしょう。けれどコア技術の中には、まだまだ海外メーカが真似できない。それを大切にしていく必要があると考えています。
木全:私もそう思います。コンシューマーエレクトロニクスの世界でも、Appleに席巻されていますがiPhoneに使われている部品などデバイスの世界では、日本のメーカーが持つ優れた部品や技術がたくさん使われています。技術でまだ追いつかれていない分野がたくさんある。日本のメーカーが生き残るためには、お客様が求める新たな技術やイノベーションを常に追い求めることが重要ではないかと思っています。
八木:技術力を根幹に新しい事業を作っていくことも重要ですね。
一人ひとりが世界に目を向けるマインドが必要
日下:グローバル化が進む現状においては、一人ひとりが世界に目を向けるマインドが必要ではないでしょうか。
八木:国際関係学部の学生は、今日本に不足している「グローバルに対する視点」を持っています。ぜひそうした人にメーカーに入ってほしいですね。
スピードと判断力も不可欠
岩屋:スピードや判断力も必要だと思います。古くて大きな企業ほど、それが課題だと感じます。
メンテナンス力や責任感が武器になる
藤堂:当社の扱う建設機械は、売って終わりではないんです。不具合を修理したり、新しい部品と交換するといった継続的なメンテナンスが必要です。そんな時、日本の企業は「お客さまの機械を絶対に止めない」と強い責任感を持って対応します。こうしたところも日本のメーカーの強みだと思います。
メーカーとしての責任感がいっそう強くなった
福島:私は、昨年10月から製造現場にあるオフィスで働いています。周囲には関連会社もたくさんあります。もし当社が海外から受注できなくなると、工場で働いている人も、関連会社も、みんな仕事をなくしてしまう。それを目の当たりにして、メーカーとしての責任感がより強くなりました。
メーカーの使命・醍醐味は、「夢を形にする」こと
日下:メーカーの仕事、モノづくりを一言で言うなら、「夢を形にする」こと。例えば電気自動車のように、これまでの世の中にはなく、これからの世の中で必要とされるものを作っていく。それこそがメーカーの使命であり、仕事の醍醐味ではないでしょうか。
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