平田:学生時代にやっていて良かったこと、反面やっておけば良かったと後悔していることはありますか?
ビジネスの基本を学んでおけばよかった
北野:海外の人を相手に仕事をしている今、留学して日本とは違う文化に触れたことが、財産になっています。一方、簿記などビジネスの基本を時間のある学生時代に学んでおけば良かったと思うことは多いですね。たとえば企業の財務諸表を読み解いて、「ここが弱い」などと判断し、ビジネスに生かすことができたら、もっと仕事がおもしろくなるだろうなと思います。
留学、そして就職活動での出会いにも感謝
A:私は4回生の時に簿記3級を取得しましたが、まだまだバランスシートを見ただけでその会社を見極めるところまでは至っていません。もっと深く知識を培っておけばと思うことはありますね。一方、やっておいて良かったことの第一は、私も北野さんと同じく留学です。加えて、就職活動でさまざまな業界に勤めるOB・OGの方々から話を聞けたことも良かったですね。立命館大学のサポートには感謝しています。
地域研究を通じて国際情勢に強くなった
深田:私も数字は苦手。ビジネスに関連する授業をもっと受けておけばよかったのかもしれません。一方、中東イスラムをはじめ、地域研究の授業をたくさん受講したことが、私の強み。同期よりも国際情勢に強いので、これから生かしたいと思っています。
現地を肌で感じる海外経験は学生時代にしか得られない
B:留学などでさまざまな国の人と接し、肌で分かり合う経験を積んだことは、私にとっても大きな財産になっています。商社でグローバルに仕事をしていても、そうした経験は意外とできないものです。出張で外国へ行っても空港からホテルまではタクシーだし、地域によっては外出できるエリアも制限されます。現地の生々しい生活や人々を知ることは、学生時代にしかできません。財務諸表も読めた方が良いけれど、その気になれば会社に入ってからでも勉強できます。それよりも学生時代にしかできないことをやっておくことをお勧めしますね。
先進国だけでなく、多様な国々を旅したことが財産に
深田:私は留学だけでなく、バックパックを背負って、約30ヵ国を旅行しました。途上国に数ヵ月ホームステイしたことも。先進国だけでなく、多様な国々を訪れ、自分の目で見たことが今後役に立つと思っています。
実感を伴った異文化理解があるから柔軟に対応できる
A:たとえば暑い国の人たちは、一般に時間にルーズだとか、仕事が遅いといわれます。けれど実際にその国に行くと、「確かにこの暑さでは、仕事をする気にならないな」と納得したりするんです。そうした実感を伴った異文化理解があると、仕事でも柔軟に対応できるように思います。
平田:国際関係学部での学びが、社会の中で実際に役に立っていると思えることはありますか。
国際ビジネスと深く関わる政治学の素養が役立っている
B:私は学生時代、国際政治学を専攻し、卒業論文で旧ソ連各国の国際関係について書きました。とりわけグローバルビジネスは政治と深く関わっています。国際政治の素養は、今でも役に立っていますよ。
幅広い知識、多様な経験が商社で生きる
北野:国際関係学はジェネラルな学問です。経済学などと違って専門性が分かりにくいので「使えない」と思われがちですが、国際経済、国際経営、国際政治、多様な地域研究など幅広い知識を一通り知っておくことが、強みになる場合もあります。とりわけさまざまな国や地域と取り引きする商社では、そうした学びが生きると思います。
A:幅広い土台を築くには、とても良い学部ですね。
井上:政治も経済も、どんな学問分野も学んでおいて損はないということですね。国際関係学を軸に幅広い学問分野を学びながら、実際に海外に行くなど、多様な経験を積むことが、きっと後に生きるはずです。
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