清水:地方自治体の財政難がメディアなどで報じられることも多いですが、当事者として実感されることはありますか。
財政難と必要な事業の狭間で葛藤
原田:それは日々、痛いほど感じています。毎年予算はカットされていくけれど、それぞれの事業は必要性があって行われているもので、簡単には止められません。職員としては大きな葛藤がありますね。
清水:人件費の削減という意味では、財政難になると公務員はますます狭き門になるのでしょうか。
原田:そうとばかりは言えません。神戸市では、阪神淡路大震災の後にしばらく採用を控えたせいで、ここ数年ほどは、毎年200人以上の職員を新規採用しています。
酒井:神戸市とは違って、三重県では経営改善プランを策定し、5年計画で定数削減に取り組みました。人員は減る中で、同じかそれ以上の仕事量をまっとうしなければならず、苦慮することもありますが、「今こそ知恵の出しどころだ」と前向きにとらえるようにしています。
藤田:滋賀県に関しては、採用人数はここ数年ほとんど変わっていませんね。
清水:道州制の議論が進んだり、地方公務員をめぐる状況も変化しつつあります。皆さんが考える地方公務員の未来はどんなものでしょうか。
今できることに取り組み、自分の能力を高めることが先決
藤田:道州制の導入の議論は、滋賀県でも切実な話題です。もしかしたら10年後には私たちの職はなくなっているかもしれません。といって心配しても仕方がないので、今できる仕事に一生懸命取り組んで、自分なりに能力を高める努力をするしかないと思っています。
人口減少が進む青森県の将来に危機感を抱く
鈴木:青森県では、人口の減少が進んでいて、2,000人を割る市町村もあり、学校業務を隣の市に委託できないかも検討されています。近い将来、市町村によっては役場の機能も維持できなくなる可能性もあり、さまざまな問題が噴出する中、青森県の将来には危機感を抱いています。
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