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立命館大学 国際関係学部 国際関係学部 校友会
立命館大学国際関係学部 校友会 IR校友 友達の輪 毎月、国際関係学部の校友を友達の輪形式で紹介します。
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谷村 美佳

  さん
TANIMURA Mika
2006年(平成18年)3月修了 小木裕文ゼミ 大阪府立豊中高校出身
二二八和平公園の入り口にある牛の銅像と、牛と記念撮影していた台湾人男性2人組の持ち物
Profile
谷村 美佳(たにむら みか)
関西外国語大学国際言語学部を卒業後、ソニー株式会社に入社。マーケティングの一環として、台湾のシンクタンクの担当窓口となる。学部生時代から抱いていた台湾に対する想いが再燃し、退社して国際関係研究科 博士前期課程 多文化共生プログラムに入学。修了後、日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。アジア太平洋地域のお客様/社内向けのWEBサイト/アプリケーションおよび社内ユーザーのサポートを担当。

入学に至ったきっかけ

学部生時代には中国語を専攻し、台湾の東海大学に1ヵ年交換留学をしました。その間に芽生えた台湾に対する強い関心と疑問を抱いたまま、大学を卒業し社会人生活をスタートしました。仕事では台湾を一市場として見ることしか許されず、人格を持った人々が生活する土地としての台湾との乖離が自分の中でどんどん大きくなっていきました。そこで、台湾についてじっくり研究できる環境と時間を確保して頭の中をすっきりさせようと思い、国際関係研究科への入学を決めました。

在学中の思い出

私は他大学・他学部出身で社会人経験者だったため、入学当初は自分よりも若い国際関係学部出身の同級生たちが皆とてもインテリジェントに見えたのを覚えています。自分と異なる考え方を持つ人とのディスカッションもまた、貴重な体験でした。

修士論文に向けては華人文化や他民族国家の研究をテーマとするゼミに所属しました。博士前期課程に進む学生はそれぞれ強い関心を持つ事柄を胸に秘めているものの、論文のテーマを決めて具体的な調査を開始するまでは手探りの状態がしばらく続きます。自分と同じ分野を取り扱う書籍や先行研究に当たったり、同級生の研究対象と比較したりする中で、ふと目にしたテレビのニュースがきっかけで着想が深まっていきました。指導教官は素人がなかなか入手できない資料が手に入った際に貸し出してくださったり、数々の助言で励ましてくださいました。

私の研究テーマは戦後台湾の教育からアイデンティティの多様性を探っていくものでしたので、過去と現在の教科書資料の収集と現役教員へのインタビューのため、休暇を利用して在学中に二度台湾を訪れました。留学時代にできた台湾人の友人のお姉さんが小学校教諭をされていたため、インタビューと現行教科書の提供を快く引き受けてくださいました。

ちょうど2度目の訪問の準備をしていた頃、博士後期課程に在籍する台湾人の先輩と授業外のセミナーで知り合い、台北師範大学の博士後期課程で研究生活をされている知人を紹介してくださいました。その方がご好意で師範大学の校友会館(校友とその友人のみ安く宿泊できる施設)を予約してくださり、教育資料センターでの資料収集を心置きなく行うことができました。また、校友会館のロビーで偶然、日本統治時代に義務教育を受けた年配者に声をかけられ、貴重な体験談を伺うこともできました。台湾史を知るうえで重要な二二八記念館を訪れた際には、日本語ボランティアガイドの年配者と出会い、当時の様子を聞きながら資料を見学することもできました。

お世辞にも秀作とは言えませんが、様々な皆さんのお力を得て集めた資料を基に頭の中を整理し、無事に修士論文を書き上げて修了することができました。

図書館等での資料収集ももちろん大切ですが、手探りでも自分から一歩動き出してみると、不思議といろいろな方が現れて縁や情報を繋いでくれるものです。入学や進学を迷っておられる方がいらっしゃったら、ぜひ一歩前に踏み出してみることをお勧めします。

二二八紀念碑

修了後のこと

就職を希望する博士前期課程の学生は、学部生と同様に修了見込み時期の約1年前から就職活動を始めるのが一般的なようです。私の場合は一旦社会に出てから大学院に入学したものの、社会人時代の年数が少なかったためか、新卒扱いで受けられる企業がほとんどでした。

今度はモノより情報に携わる仕事に就きたいという希望で活動した結果、辿り着いたのが現在の勤務先でした。米国系企業のため"ダイバーシティー"を重んじており、国籍・人種・年齢・性別・障害の有無・宗教・性的指向等による差別をしない企業風土は国際関係学/研究科の校友にはしっくりくるものだと思います。

海外とのコミュニケーションは英語で行うのが当然といった風潮があるのですが、せっかくですので中国語圏の方とは中国語を織り交ぜてコミュニケイトしています。そうすると相手の方はこちらに驚きとともに親しみを抱いて話してくれることが多くなり、仕事も円滑に進むようになります。グローバリゼーション全盛の時代だからこそ、各地・各民族の文化を互いに知り共存を図っていくことが、社会人としてヒトとして大切なのではないかと思いつつ日々を送っています。

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