日本の食料生産を支え、SDGsの達成に貢献することで、積極的平和の構築に取り組みたい。

曽野部えみ さん
国際関係学部 4回生

卒業まで学生生活も残りわずかとなった4回生の曽野部さん。国際関係学部での学びと、仲間と創設した「きぬがさ農園Kreis」での活動を繋げた4年間についてお話を伺いました。

立命館大学 国際関係学部を志望した理由や入学前に学ぼうと思っていたことを教えてください。

曽野部私が国際関係学部を志望した理由は、平和主義を掲げる立命館大学で、戦争や平和などの国際的な問題を解決する方法を探りたかったからです。きっかけは、高校時代のハワイとニュージーランドでのホームステイ経験でした。ハワイで真珠湾を訪れ、ニュージーランドでホストファミリーと平和について語り合ったことで、自分が日本の「敗戦国」の歴史を背負っていること、国家を超えて平和を愛し、世界平和を望んでいる人がいることを痛感しました。そのため、本気で戦争や平和、その背景について学ぶことができる国際関係学部を志望しました。

入学後は、平和のなかでも「積極的平和」に関心を抱くようになり、生きていく上で切り離せない地域や文化にも興味を持つようになりました。多くの先生方から教わり、学部の仲間と議論をすることができ、楽しく学ぶことができました。

国際関係学部ではどのようなことを学びましたか?

曽野部積極的平和やSDGs、多文化共生について特に関心を持って4年間学び、活動してきました。ゼミは「紛争・平和と国際協力」をテーマとしている石川幸子先生のゼミに所属し、「日本の食料安全保障」について卒業論文をまとめました。学部のゼミ大会であるオープンゼミナール大会では、リーダーとして「生理の貧困問題」をSDGsとの関連で取り上げ、チームで調査・研究した成果を発表しました。

国際関係学部での4年間を通じて、異なる背景を持つ方々と生きるためには「他者視点で考え、共に活動すること」が重要であるということを学べたと思っています。

4年間で一番力を入れた取り組みを教えてください。

曽野部「きぬがさ農園Kreis」の創設と運営です。2020年3月、当時1回生だった私は同学年の友人2人と共にサークルを創設しました。きぬがさ農園を地域交流の基盤としながら、学生・大学職員・地域住民が三位一体となって、腐葉土づくりや農業を行うことで、SDGsの達成を目指しています。

国際関係学部生3人でスタートした団体ですが、少しずつ活動に参加してくれる学生が増え、2023年1月現在で42人の学生が所属しています。私は初代副代表として、毎週金曜日に実施する定例活動の運営リーダーを務めました。きぬがさ農園に集まる、保育園児から80代の高齢者までの様々なバックグラウンドを持つ方々と協力して、「①腐葉土づくり、②無農薬野菜の地産地消、③SDGsの達成を目指す活動」を行ってきました。

曽野部①の腐葉土づくりでは、衣笠キャンパスで回収した落ち葉(46,768L)を廃棄せず、腐葉土にして有効活用しています。②の無農薬野菜の地産地消では、①の腐葉土を利用して、無農薬野菜を栽培し、収穫物を参加者でシェアしています。収穫物の一部は大学の食堂に納品して累計4,656食を販売し、近隣住民への無料配布も行うなど、地産地消の実現に取り組んできました。③のSDGsの達成を目指す活動では、途上国への教育支援として、書きそんじハガキ・キャンペーンを実施し、累計271,800円分のハガキや切手(カンボジアにおける33人分の1年間の学費に相当)を集め、寄付に繋げています。

これらの活動は、SDGsの目標1「貧困」、2「飢餓」、3「保健」、6「水・衛生」、11「持続可能な都市」、12「持続可能な消費と生産」、13「気候変動」、15「陸上資源」、17「実施手段」の達成に貢献しています。

仲間と協力し活動を続けたことで、きぬがさ農園の参加者は延べ2,815人となりました(2023年1月)。こうした活動を評価していただき、第11回京都学生健康フォーラムでは最優秀賞、第12回毎日地球未来賞ではクボタ賞(準大賞)をいただくことができました。

きぬがさ農園Kreisの活動は大学での学びや進路とどのように繋がっていきましたか?

曽野部きぬがさ農園Kreisでの活動を通じて農業の大変さを実感し、私は若者の農業離れによる更なる日本の食料自給率の低下を危惧するようになりました。そこで、ゼミでの学びと関連させ、卒業論文のテーマを「食料安全保障」に設定し、研究を進めていくことにしました。

また、卒業論文の作成やゼミでの研究を通じて、持続可能な食料生産の確立にはスマート農業の普及が不可欠だと考えた私は、就職活動において農業機械メーカーを志望し内定をいただくことができました。グローバル展開をしている企業なので、将来的には海外でも働けたら良いなと考えています。4月からは国際関係学部での4年間の学びを活かして、日本と世界の食料生産を支え、SDGsの達成に貢献することで積極的平和の構築に取り組みたいと考えています。

国際関係学部を志望する受験生に対してメッセージをお願いします。

曽野部国際関係学部では、自分の世界を広げることができました。多様な分野の素晴らしい先生方がいらっしゃるので、多くの考え方と新たな視点を獲得することができると思います。また、自分とは異なる視点を持ち、本気で議論ができ、支え合える友人と出会うこともできました。

立命館大学ではチャレンジを応援してくれる制度や環境が整っているので、興味を持ったことがあれば、自分から飛びついて挑戦してほしいです。きっと素敵な出会いと多くのチャンスがあるはずです。それを大切にしながら、夢に向かって羽ばたいてください。皆さんの未来が明るく、希望に満ちあふれていることを願っています。

2023年2月更新

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