未来をひらく、鍵。

法学は正解のない
自由な学問だからこそ、
深く学ぶ意義がある

水成 俊介さん
2021年度 立命館大学法学部早期卒業生
京都大学大学院法学研究科
 法曹養成専攻(法科大学院)
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今回ご紹介する水成俊介さんは2019年度に法曹を目指して立命館大学法学部に入学、その後3回生で早期卒業し、現在、ロースクールに進学されています。大学入学時からの法曹になるという初志を貫徹して、現在も日々努力し続けている水成さんに立命館大学法学部での学びの魅力を語っていただきました。

立命館大学法学部に進学されようと
思ったきっかけは何ですか。

冤罪事件に立ち向かう刑事弁護士を描いたドキュメンタリー番組を中学生の頃に見て、弁護士って「かっこいいな」と思ったのが、法学部を目指すきっかけです。直接に困っている人の役に立つことができる点に魅力を感じたのだと思います。高校時代は学生寮から通学していましたが、社会科の先生と寮生活を共にしていたこともあり、現代社会の勉強が得意で、、漠然と法律の勉強も好きになれるのでは…と思ってたことも理由かもしれません。

立命館大学を受験したのも、一緒に寮で生活していた先生が京都の大学を卒業されていて、京都の魅力をよく教えてもらっていたことが影響しています。地元が田舎で、法学部のある大学もあまりなかったので、「学生のまち」京都で、弁護士を目指したいと思い、必死に受験勉強を頑張りました。

法曹進路プログラムを受講されながら
法科大学院入試のための勉強をされてみて、
苦労された点、逆に大学の制度として良かった点などはありますか。

法曹進路プログラムを受講し、特に早期卒業を目指すとなると、履修しなければならない科目が多く、その予復習に時間がかかるため、なかなか入試対策の勉強をする時間を確保することとの両立が難しいように感じていました。

しかし、結果として、授業の内容を整理し、応用できる程度に自分の中で理解を固めるという作業の繰り返しが、大学院入試の対策になっていたように思います。大学院入試といっても、法曹を目指すという点では、大学の授業で学んだことを、いかに自分の言葉で、説得的に説明できるか、という学習で対応できますので、ある程度入試対策的に過去問を見るとことをしましたが、特別な対策が必要になるわけではありませんでした。

法曹進路プログラムでは、少人数で、かつ、答案でのアウトプットを意識した説明をしていただける授業が多く、学部の2回生という早い時期から、より実践的な内容を学習することができました。授業とリンクして立命館出身の弁護士による課外講座や長期休暇中の課外講座も充実しており、授業では検討することができなかった点について深く教えていただいたり、自分の細かい疑問を質問して解消したりすることができました。

法曹進路プログラムの制度を利用しつつ、「予習→授業→復習→質問&答案添削→復習」というプロセスで勉強を継続し、段々と力をつけていけたことが良かったと思っています。

法科大学院に入学されてからの授業はいかがですか。
やはり学部とは大きく異なりますか。

やはり、学部の授業に比べて、より専門的で難解な問題を取り扱うことが多くなりました。法科大学院での授業は、ほとんどが対話形式で、予め指示された予習範囲について回答が求められます。学部の授業の予習は、教科書を読み、自分の理解できる点と理解できない点を整理する程度でしたが、法科大学院の授業の予習は、分からないなりにも一応の自分の回答を用意しなければならないため、その分、予習にかける時間がかなり多くなりました。

しかし学習方法(教科書、判例集を読み、自分の言葉でまとめるというもの)や、「予習→授業→復習→質問→復習」という学習スタイルは変わりません。時々、疲れて勉強が嫌になることもありますが、日々の勉強が、将来、人の役に立つと思い、頑張っています。

学部生時代に印象に残っている授業などあれば教えてください。
またその理由を教えてください。

「刑法総論(法曹)」の授業で、君たちの答案の一通一通が未来の依頼人を助けるものになる、という趣旨の言葉をいただいたことが印象に残っています。現実に自分が悩んでいる法的問題で困っている人がいて、その人を助けるためには、どのような理論を組み立て、どう説明すれば、裁判官や紛争の相手方を説得、納得させられるか…というように思考を巡らせると、より具体的に問題を検討することができ、また勉強のモチベーションを維持することにもつながりました。

「法政特殊講義(JJ)」の授業で、毎回、様々な分野で活躍する弁護士の先生のお話を聞いたことが印象に残っています。弁護士の仕事内容は多岐にわたることを知り、弁護士バッジの持つ可能性の大きさを実感しました。訴訟活動はほとんどせず、訴訟を未然に防ぐ活動や立法活動に携わっている方、自身の専門分野を活かして仕事の幅を広げるチャレンジをされている方、過疎地域で地元自治体と連携し地元に根ざした活動で法的支援の普及を目指す方など様々で、この授業を通して、ますます弁護士になりたいという気持ちが強くなりました。

  • ※「刑法総論(法曹)」は、法曹進路プログラム科目で、立命館大学法科大学院教員が刑法に関する基礎的な枠組みに関するインプットと法科大学院進学・司法試験・法曹進路を意識した実践的なアウトプットを行います。
  • ※「法政特殊講義(JJ)」は、【展開/応用分野における法実現としての法曹の活躍】というテーマに、弁護士の新たなキャリア形成や社会貢献のあり方を、立命館大学出身の法曹等のリレー講義を通して考える授業で、3/4回生に対して開講されています。

これから立命館大学法学部への進学を目指そうとしている受験生と
実際に学んでいる在学生に向けたメッセージをお願いします。

立命館大学法学部への進学を目指そうしている受験生へ。

受験勉強は大変で、時には嫌になってしまうときもあるかもしれません。しかし、立命館大学法学部では、充実した学習環境とサポート体制があります。また、卒業生の進路も多様で、様々な人とふれあい学ぶことで、自分の色々な可能性に気づくことができます。立命館大学法学部を卒業した身の私としては、自信をもって「立命館大学法学部を選んで良かった」と言えますし、苦労をしてでも目指す価値のあるものだったと感じています。少しでも興味のある方は、ぜひ立命館大学法学部を目指し、勉強を頑張ってほしいと思います。

立命館大学法学部で学んでいる在学生へ。

実は私は「大学時代にやっておけば良かったな」と思うことがたくさんあります(例えば、海外への短期留学やサークル活動等)。COVID-19により海外渡航ができなかったこともありますが、在学時、勉強が忙しい、お金がないといった理由でチャレンジすることをやめていました。しかし、今から思えば、大学生には多くの時間があり、それをどう使うかを自分で決めることができます。あとになって後悔しないように、今のうちに様々なことにチャレンジをして、経験をして、ぜひ充実した大学生活を送ってほしいと思います。

プロフィール

水成 俊介さん

京都大学大学院法学研究科
 法曹養成専攻(法科大学院)在籍

法科大学院の受験では、すでに連携校を修了され、法曹として活躍されている先輩方の話を説明会で聞き、また、それぞれの連携校にそれぞれ教育の特色があり、それぞれに大きな魅力を感じ、受験した。他方で、法曹進路を目指すという点での到達度検証の意味で、一般入試も複数受験した。いろいろ迷ったが、現在、京大に進学している。

出身高校
金光学園高等学校
出身大学
立命館大学法学部 司法特修
趣味
ラジオ
特技
野球
座右の銘
後悔先に立たず

好きなYouTubeトップ3

  1. さらば青春の光 Official YouTube Channel
  2. オードリーのNFL倶楽部
  3. テレ東BIZ

勝ち歌

  • 「終わりなき旅」
    Mr.Children
  • 「あの夢をなぞって」
    YOASOBI
  • 「あの夏へ」
    久石譲
  • 「明日への扉」
    I WiSH

学部生時代の一日

08:00
起床
08:30
大学到着
09:00~10:30
授業
10:30~12:00
12:00~13:00
昼食
13:00~16:10
ES業務
16:20~17:50
授業
18:00
夕食(学食)
19:00~22:00
大学図書館で勉強
22:30
帰宅
23:00
入浴、夜食、TV
01:00
就寝

ロースクール生の一日

09:00~09:30
朝食、身支度
10:00
大学院到着
10:30~12:00
授業、延長 (30分)+質問 (10分)
12:30
昼食
13:00~16:30
予習・復習
16:45~18:15
延長(~18:30)質問 (30分)
19:00~20:00
友達と翌日の予習確認(課題)
20:00
夕食

ゼミ指導教員・山田泰弘先生による水成さんの紹介

学び合いで人を巻き込み、高みを目指す

水成さんがこのHPで紹介されたのは、法曹を目指していることや、それに向けて本当に努力されていることだけが理由ではありません(在学中の彼は平井嘉一郎記念図書館で朝から晩まで学習をしていました。私が図書館で資料を検索する際に見かけたり、22時頃帰宅する際に、図書館から出てくるところでばったり会ったりということも何度かありました)。

法律学の学習は、一人でカチッと理解していくという作業と、互いに教え合う作業とを両輪として進んでいくことがもっとも効果が上がります。水成さんは、正課・課外を通して有機的にそれを実現され、周囲の人を大学での学びに巻き込んでいく力があり、それを実行する思いもあるところが、よきロールモデルとして紹介したい理由となります。

立命館大学にはES(Educational Supporter)という制度があり、ESは、上回生が教員のアシスタントをしながら、授業において低回生の悩みに付き合って学習上のアドバイスをしています。水成さんは複数の先生からの信頼を得て、いくつかの授業でESを務めており、低回生へのアドバイスも親身にしていました。普段のゼミのグループワークには、必ずしも、皆が皆コミットメント高く参加することができないこともあります。水成さんは、そういった時に、コミットメントが低い人たちが抱える状況を慮りながら、そういった人たちの言葉や意見も聞き、役割を振り分け、皆を巻き込みながら活動を作り上げていくことができ、私も感心してみていました。また自主企画演習も率先して組織し、課外でも、学習グループを作り、自主ゼミの世話役をされ、私もチューターとしてそれに参加して指導したりしました。

※「自主企画演習」は、3/4回生に対して開講され、法学部の学生が学年を超えて受講者を募り、問題意識を共有する仲間と対象分野を専門とする教員とで授業計画を企画立案して実施する、自主的なアクティブラーニングの授業です。

よき法曹になるために

よき法曹となるという視点からは、社会の問題や当事者にはそれぞれ思いや背景があるということにどれだけ思いをはせられるか、「自分事」として共感できるかが重要となります。これは、法律論だけでできることではなく、多くのことを知り、発想法や考え方が多様に存在することを体感して、自身の考え方を相対化してみることが重要となります。これには海外体験は有意義であり、法学部では、将来進路を見据えた学習との両立の観点から、長期休暇中の短期の海外スタディを重視しています。水成さんの世代はCOVID-19の行動制限により多くのことが体感できなくなりました。「海外スタディに参加したかった」ということは彼からも聞きました。自身の経験則を高め、よりよい法曹となる上でも、法曹への進路を確立してからでも、海外のLL.M.(英米等のロースクールなどに置かれる留学生向けの1年の修士課程)で学ぶなどしてほしいと思います。

水成さんのさらなる飛躍に向けた精進を応援しています!

山田 泰弘(教授・商法)

ゼミ指導教員の山田先生と
情報と好奇心。その先の出会い。 情報と好奇心。その先の出会い。